うどんの研究 連載中
(13)うどん雑学
4.小麦粉研究
ミニ製粉史3 new
人類最初の機械ともいわれる
「ロータリーカーン」(回転
式石臼)は紀元前600年ごろ
、古代オリエントで考案され
たとの学説がある。円形の石
を上下二つ重ねた、日本でも
よく見る臼の原型。エネルギ
ーを往復運動から、現代のロ
ール製粉につながる回転運動
へ変え、上石の大きさを取り
替えることで生産量を調整す
る発想は革命的だった。日本
書記によれば推古天皇の610
年、碾磑の名で中国から渡来
し、日本も石臼製粉へ入って
いく。
(次回に続く)
食物繊維に恵まれた全粒粉 5 /5
食物繊維は胃にとどまる消化
の時間が長い。満腹感は長持
ちし、腸に入れば食べ物のカ
スを掃除し、体の外へ運び出
してくれる。太った人の目立
つアメリカでは、肥満予防か
ら全粒粉パンをすすめる意見
が強い。肥満によって高血糖、
高血圧、高脂血症になってい
くリスクの高い「メタボリッ
ク・シンドローム」(代謝症
候群)への対応にはもってこ
いという。いつまでも健康で、
楽しく小麦粉の料理を味わい
たいものである。
(次回はデュラム・セモリナ)
食物繊維に恵まれた全粒粉 4/5
栄養上の秘密は、胚芽や外皮に含
まれるミネラル(リン、カルシウ
ムなど無機質)やビタミン(B₁、
B₆など)にある―この二つを加え
て5大栄養素と呼ぶ。さらに優れ
ているのは、「第6の栄養素」とい
われる不溶性の食物繊維がとても
豊富なことだ。玄米(もみがらを
取った精白してないコメ)より、
その含有量は多い。
(次回に続く)
食物繊維に恵まれた全粒粉 3/5
ミニ製粉史3 new
人類最初の機械ともいわれる
「ロータリーカーン」(回転
式石臼)は紀元前600年ごろ
、古代オリエントで考案され
たとの学説がある。円形の石
を上下二つ重ねた、日本でも
よく見る臼の原型。エネルギ
ーを往復運動から、現代のロ
ール製粉につながる回転運動
へ変え、上石の大きさを取り
替えることで生産量を調整す
る発想は革命的だった。日本
書記によれば推古天皇の610
年、碾磑の名で中国から渡来
し、日本も石臼製粉へ入って
いく。
(次回に続く)
食物繊維に恵まれた全粒粉 5 /5
食物繊維は胃にとどまる消化
の時間が長い。満腹感は長持
ちし、腸に入れば食べ物のカ
スを掃除し、体の外へ運び出
してくれる。太った人の目立
つアメリカでは、肥満予防か
ら全粒粉パンをすすめる意見
が強い。肥満によって高血糖、
高血圧、高脂血症になってい
くリスクの高い「メタボリッ
ク・シンドローム」(代謝症
候群)への対応にはもってこ
いという。いつまでも健康で、
楽しく小麦粉の料理を味わい
たいものである。
(次回はデュラム・セモリナ)
食物繊維に恵まれた全粒粉 4/5
栄養上の秘密は、胚芽や外皮に含
まれるミネラル(リン、カルシウ
ムなど無機質)やビタミン(B₁、
B₆など)にある―この二つを加え
て5大栄養素と呼ぶ。さらに優れ
ているのは、「第6の栄養素」とい
われる不溶性の食物繊維がとても
豊富なことだ。玄米(もみがらを
取った精白してないコメ)より、
その含有量は多い。
(次回に続く)
食物繊維に恵まれた全粒粉 3/5
大昔は石臼製粉だった。胚乳、胚
芽、外皮の分離はやっかいだった
ろう。そのぶん、栄養バランスが
よい全粒粉を自然と口にしていた
に違いない。 全粒粉は1830年代、
アメリカのシルベスター・グラハ
ム医師が栄養に注目して活用を提
案したことから、「グラハム粉」と
もいわれる。ただ、グラハム粉は
普通にひいた小麦粉に粗びきの外
皮などをミックスし、いまの製法
とは違うようだが、やや茶褐色を
帯び、サクサクとした独特の食感
や風味はさほど変わらないだろう。
(磁界に続く)
食物繊維に恵まれた全粒粉 2/5
ところで近年、胚芽や外皮を胚乳
から分けないでひく全粒粉が注目
されていることをご存じの人も多
いだろう。パンにとどまらず、ク
ッキー、ケーキ、クレープなど全
粒粉を用いたレシピは人気だ。
(次回に続く)
食物繊維に恵まれた全粒粉 1/5
食品売り場に並んでいる小麦
粉は、袋を開けるとまるで白
い雪のよう。小麦の粒には、
約8割を占める胚乳のほか胚
芽、外皮(ふすま)もあるの
だが、精巧な製粉技術により、
とくにおいしい胚乳を取り出
し、精白粉にしているためだ。
胚乳はエネルギーの源である
炭水化物(65~75%)やた
んぱく質(6~14%)、そし
て少ないが脂質―これらを3
大栄養素という―を含み、重
要なカロリー源となっている。
(次回に続く)
ふんわりソフトな薄力粉 5 /5
小麦粉は敏感である。湿気や
においを嫌う。一度袋を開い
たら、涼しく、湿気の低いと
ころで、においを発するもの
から離し、密閉して保管して
おく。おいしく食べるには、
それなりの気配りが欠かせな
い。
(次回は全粒粉)