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レモンサワーが new
若者に人気の3つの理由
連載 6
(2): 大手メーカーの
商品開発が加速
コンビニやスーパーで販売される
レモンサワーも、アルコール度数
が強めのハード系から、はちみつ
漬けレモンや塩漬けレモンを使用
したものなど、バラエティ豊かに
なっている。例えば、日本コカ・
コーラが九州限定で発売したレモ
ンサワー専門ブランド 「檸檬堂」
には、「定番レモン」「塩レモン
」「はちみつレモン」の 3種類が
ある。 宝酒造は「寶『極上レモン
サワー』」を 18年3月より発売。
ラインアップを拡充し、現在 4ア
イテムとなっている。売り上げ数
量は、ほぼ販売計画通りで推移し
、好調だという。レモンサワー専
用焼酎も登場しており、人気を集
めている。サントリースピリッツ
は、18年2月に「こだわり酒場の
レモンサワーの素」を発売したが
、販売計画を当初の 3万ケースか
ら30万ケースに上方修正している
。また、宝酒造のレモンサワー向
け焼酎である宝焼酎「レモンサワ
ー用」「タカラモダン」「タカラ
リッチ」は、18年4~9月 の販売
数量が前年同期比 2倍となってい
る。このように、大手酒類メーカ
ーがこぞってレモンサワー関連商
品の開発を強化していることが分
かる。
(次回に続く)
レモンサワーが
若者に人気の3つの理由
連載 5
広がりを見せる
レモンサワーブーム
読者の中には、「いやいや、レモ
ンサワーなんて今も昔も飲まれて
いたじゃないか」と、このブーム
を半信半疑で見ている方もいるか
もしれない。そこで、世の中で起
きているレモンサワー現象につい
て紹介しておきたい。
(1): 「レモンサワー
フェスティバル」の実施
2017年、日本初のレモンサワー
フェティバルが、“レモンサワー
発祥の地 ”といわれている中目黒
で開催された。悪天候の影響で当
初予定されていた開催日数の 3日
間が 2日間に短縮されたにもかか
わらず、2 日目の途中でレモンサ
ワーが売り切れてしまうほどの大
盛況。延べ 5208人を動員し、66
79 杯のレモンサワーが提供され
た 。2018 年には、全国 7会場で
開催され、延べ 6万5589 人が来
場した。そして、多くのレモンサ
ワーファンが各地域のおいしいグ
ルメと共に舌鼓を打った。
(次回に続く)
レモンサワーが
若者に人気の3つの理由
連載 4
進化系の登場がさらなる
大ムーブメントを起こした
本当に前述の“低糖質ブーム”と“昭
和系居酒屋ブーム”だけがブームの
原因なのだろうか?実は、現在の
レモンサワーブームを後押しして
いるのは“進化系”レモンサワーの
登場だ。現在、この“進化系”レモ
ンサワーを提供する店舗が続々と
増えているのだ。定番の焼酎だけ
ではなく、泡盛や日本酒をベース
にしたものが登場している。レモ
ンを凍らせて皮ごとすりおろすこ
とでスムージーのような食感が味
わえるものや、レモンの産地を厳
選したり、無農薬レモンなど素材
を重視したりするレモンサワーも
ある。このように、さまざまなこ
だわりのレモンサワーが登場して
いる。中には、1 店舗で5種類以
上のレモンサワーを提供している
お店もある。
(次回に続く)
レモンサワーが
若者に人気の3つの理由
連載 3
ブームの背景を探る
昔から“おやじ系居酒屋”の定番メ
ニューだったレモンサワー。レモ
ンのさわやかな酸味とソーダのし
ゅわしゅわとした飲み口、そして
手ごろな値段が人気の理由だった
が、昨今、若者の間でレモンサワ
ーブームが広がっている背景は大
きく2つある。
まずは、食品業界全体の傾向でも
ある健康ブームだ。“健康”は手を
替え品を替え、さまざまなブーム
になっているが、中でも最近のト
レンドは“低糖質”である。レモン
サワーは基本的に蒸留酒をベース
にしているため低糖質だ。さらに
、そこにレモンを入れているため
ビタミンも補給でき、ヘルシーな
イメージもある。この低糖質ブー
ムと相まって、「お酒=太る」と
いったイメージを払拭しているこ
とが、背景の1つ目だ。
2つ目は昭和系居酒屋ブーム。横
丁スタイルの“昭和っぽい”雰囲気
の酒場が近年人気であることは周
知の事実だが、そこで愛飲されて
いるレモンサワーにも注目が集ま
っているのだ。「昭和=懐かしい
」と感じる中高年はもちろん、若
者にとっては、「昭和=非日常的
」であり、新たなトレンドとなっ
ている。この“ノスタルジー消費”
は、ヒット商品を生み出す上で重
要なキーワードとなっている。「
マイナスイメージの払拭」と「世
の中のトレンドをおさえる」――
この2つがブームとなった背景だ。
そして、この状況は、後述するハ
イボールがブームとなったときと
似ている。
(次回に続く)
レモンサワーが
若者に人気の3つの理由
連載 2
救世主になる可能性
また、その理由にも注目したい。
レモンサワーを支持している理由
は、「飲みやすい」「味が好き」
「料理に合う」となっており、味
覚に関するものが中心となってい
る。昨今“若者のお酒離れ”が飲食
業界の課題として挙げられるが、
このようなアンケートデータから
見ても、レモンサワーが日常的に
お酒を飲む人へのさらなる需要拡
大につながるのはもちろん、「苦
い」「わざわざ飲む必要を感じな
い」といったお酒離れの要因とな
っている課題を払拭(ふっしょく
)する救世主となる可能性を秘め
ている。
(次回に続く)
レモンサワーが
若者に人気の3つの理由
新連載 1
データで見る
レモンサワーブーム
本当にレモンサワーがブームにな
りつつあるのか、データから読み
解いてみたい。 ホットペッパーグ
ルメ外食総研は、レモンサワーに
関する調査を2017年6月1~7日に
かけて、20~69歳の男女を対象に
インターネット上で実施。1万33
5 件の有効回答を得た。
調査結果によると、お酒を飲む人
の26.4%、つまり4人に1人が「
好んで飲む」とレモンサワーを支
持している。さらに、「これから
レモンサワーを飲んでみたいです
か?」という質問においても「今
後レモンサワーを飲みたい」と答
えた人が34.7%と、今後のレモン
サワーのさらなる需要拡大が予想
できる結果となった。その中でも
、特に注目してほしいのは若年層
の飲酒意向だ。20代男性の48.4
%、20代女性は40.9%が「今後レ
モンサワーを飲みたい」と回答し
ており、若者を中心とした今後の
需要拡大が期待できる。
有本 真理 ITMEDIA
(今回新連載です)
まるでアイドルのコンサート
QBハウスの競技会が凄い
最終回 7 new
値上げの影響をどれだけ
抑制できるか
1996年に創業後、QBハウスは「
10分1000円」という分かりやす
いビジネスモデルで急成長してき
たが、競合店が多数登場したこと
により、人材確保が難しくなって
きた。同社は「現在は異なる仕事
に就いている元理美容師の採用・
育成への投資や、店舗スタイリス
トの安定的な待遇改善に取り組む
必要があるが、内部努力による経
費削減だけでは対処できなくなっ
たため値上げに踏み切る」として
いる。従業員に10年、20年と働
き続けてもらうには、もっと明る
い人生設計を描けるような給料を
出す必要もあるのだろう。同社は
値上げによって、どれほどの影響
を受けるのだろうか。そして、技
能と対人サービスの向上により、
どれだけ盛り返すことができるの
だろうか。
(今回最終回有り難うございます)
まるでアイドルのコンサート
QBハウスの競技会が凄い
連載 6
10分でどんな価値を
提供するのか。
では、どんなサービスを提供すれ
ば、お客の満足度は上がると同社
は考えているのだろうか。北野泰
男社長は講演でいくつか興味深い
分析結果を示したが、その一例を
紹介しよう。
QBハウスを比較的多く利用するお
客のタイプは次の3つに絞られる。
1つ目は「つまづきたくないタイ
プ」。このお客は、「ここって、
10分カットのお店でしょ。全て
においてスムーズな対応をして
ほしいんだけど」と考えている。
2つ目は「こだわりタイプ」。「
(自分には)こだわりがある。そ
のこだわりを聞き出してほしいし
、理解してほしいんだよね」と考
えている。
3つ目は「人懐こいタイプ」。「
10分という時間を楽しく過ごした
い。自分のことを(スタイリスト
に)無視してほしくない。会話に
同調してほしいな」と考えている。
つまり、「1000円カット」といえ
ど、対人サービスと従業員の技能
にもお客は一定以上の水準を期待
しているのだ。北野社長は、講演
で何度も客離れと値上げの影響に
ついて触れることで、従業員の奮
起を促そうとしていると見受けら
れた。
(次回最終回お楽しみに)
まるでアイドルのコンサート
QBハウスの競技会が凄い
連載 5
なぜカットコンテスト
を公開したのか
これまで店長会とカットコンテス
トは非公開のイベントだったが、
今回から初めてプレス向けに公開
された。なぜだろうか。
19年2月より、QBハウスはカット
料金を 1080円( 税込、以下同 )
から 1200円に値上げすることが
決まっている( 65 歳以上のシニ
アは平日 1100円 )。値上げによ
る経営へのダメージを最小限に抑
えるために、従業員が確かな技術
を備えていることをアピールする
狙いがあるとみられる。値上げを
控え、同社では「顧客満足度向上
プロジェクト」に取り組んでいる
。これは、お客の「再来店意思」
や「満足度」などを数値化し、サ
ービス向上に役立てようという取
り組みだ。同社の調査によると「
QB ハウスに払ってもよいと考え
る金額 」と「 満足度」の間には
相関関係がある。満足度を高めれ
ば、「 1200円払ってもよい」と
お客に判断してもらえるというわ
けだ。
(次回に続く)
まるでアイドルのコンサート
QBハウスの競技会が凄い
連載 4
10年勤続で表彰された
従業員が95人
今回のイベントでもう 1つ印象的
だったのは、10年勤続で表彰され
た従業員が 95人、20 年勤続の従
業員が4人いたことである。2011
年までQBネットHDは50%という
高い離職率に悩まされており、「
就労環境がよくない」と批判され
ていたこともあった。そこで、同
社の北野泰男社長は、閉店後に行
っていた無給の技術教育を廃止す
るなどして、職場環境の改善に取
り組んできた。現在、グループの
従業員は 2000人を超えているが、
離職率は 8%台にまで低下したと
いう。
(次回に続く)
まるでアイドルのコンサート
QBハウスの競技会が凄い
連載 3
同じエリアの選手を応援
“選手入場”のシーンではお祭りの
ようなにぎやかさだったコンテス
トだが、選手全員が登壇すると雰
囲気は一変。選手たちは、使用す
るハサミやスプレーなどを真剣に
チェックし、競技に備えていた。
競技がスタートすると、自分たち
と同じエリアの選手を応援する声
で再び会場は騒がしくなった。し
かし、途中からは応援する側も選
手の手先を熱心に観察し始め、そ
のテクニックについて口々に“講
評”しあっていたのが印象的だっ
た。記者も選手を観察して気付い
たことがある。「規定スタイル」
や「スポーツ刈りスタイル」で
は、最終的に同じ髪形に仕上げる
はずなのに、ハサミを入れる順番
や位置が選手によってバラバラな
のである。改めて、理容・美容と
いうのは職人芸の世界なのだと感
じさせられた。コンテストに参加
するのはQBハウスの従業員だけで
はない。海外店舗や国内の新業態
店「 FaSS(ファス)」の従業員
も混じっていた。
(次回に続く)
まるでアイドルのコンサート
QBハウスの競技会が凄い
連載 2
年に1度の祭り
11 月 8日、QBハウスを運営する
キュービーネットホールディング
ス(以下、QB ネットHD)は「Q
Bハウス 第11回全国店長会&第 7
回カットコンテスト」を横浜市で
開催した。冒頭のシーンは、カッ
トコンテストの一幕である。
コンテストは各国各エリアの予選
を勝ち抜いた総勢97人の従業員が
腕を競い合うイベントである。コ
ンテストは3部構成となっており、
決められたスタイルをどこまで忠
実に再現できるかを競う「規定ス
タイル」、スタイリストとしての
基礎を競う「スポーツ刈りスタイ
ル」、女性ヘアの表現力を競う「
フリースタイル」の3つがある。
いずれも、理美容の練習に使われ
る「ウィッグ」の髪を制限時間内
にカットしていくスタイルだ。Q
BハウスHDでは、従業員の技能向
上とモチベーション維持のために
毎年開催している。このイベント
では、コンテストのほかに、永年
勤続表彰や社長講演なども行われ
る。当日は、600人近くの従業員
(主に店長)が集まった。
(次回に続く)
まるでアイドルのコンサート
QBハウスの競技会が凄い
新連載 1
「いくぞー! カモンベイベー」
会場が暗転すると、大音量の音楽
が流れ始めた。観客席の脇にある
ドアからスポットライトを浴びた
出場者たちが現れ、観客の声援を
受けながらステージに上がる。全
員が登壇すると盛り上がりは最高
潮に達した。
観客は装飾された帽子をかぶった
り、応援する選手の名前が書かれ
た手作りの大型うちわを持ってい
たり、ピンクの法被を着たり、ペ
ンライトを持っていたりと思い思
いの応援グッズを用意している。
ステージに向かって選手の名前を
叫ぶ観客もちらほらみられる。こ
こはまるで、人気アイドルのコン
サート会場のようであった。
昆成徳 ITmedia
(今回新連載です)
意外に知られていない new
食品ロスの問題点 最終回 12
(4): AIやIoTを需要予測
の精緻化に使う
食品ロスや返品の要因となる過剰
生産や在庫は、顧客情報・販売実
績情報を手に入れて、AI(人工知
能)やIoT(モノのインターネット
)を使っていけば削減できる。日
本気象協会は、気温や湿度、降水
量などの気象データとPOS(販売
時点情報管理)データをAIで分析
し需要を予測するモデルを構築。
ミツカンや相模屋食料などとの実
証実験で、食品ロスを最大3割削
減する成果を出した。現在、製・
配・販の情報共有は、販売計画・
販売実績・売場内動向などの情報
共有にとどまっている。しかし、
製・配・販各層がAI、IoTを使っ
て効率的にデータを収集・処理し
て需要予測を行い、その結果を持
ち寄ることで、予測をさらに精緻
化し、食品ロスをさらに減らせる
可能性があると思われる。その
ためには、今まで以上に製・配・
販の緊密な連携が必要となるだろ
う。
(今回最終回有り難うございます)
意外に知られていない
食品ロスの問題点 連載 11
食品ロスを減らす残りの施策は?
(3): 商品入れ替えプロセス
の見直し
新商品の導入プロセスでは、取引
先との間で新商品の発注情報の共
有を早期化する。ローソンやファ
ミリーマートが実施しており、フ
ァミリーマートでは2016年1月以
後、各店舗での新商品の発注を、
発売前週から行える仕組みに変更
。入力された情報を、情報システ
ム上でパンメーカーと共有してい
る。メーカーの予測精度は大きく
向上し、食品ロスの発生抑制につ
ながっている。新商品の導入プロ
セスでは、取引先との間で新商品
の発注情報の共定番カット品の終
売プロセスの見直しとは、定番カ
ット予定品については、卸売業は
メーカーへの発注を止め、既存の
物流センター在庫分のみで店舗発
注に対応する。小売業も店番カッ
ト予定品については店舗からの発
注に100%応えることは要請せず
、欠品を許容する。物流センター
の商品を売りきることが可能とな
り、返品・廃棄の削減につながる
。この仕組みはローソンが導入し
ている。
(次回最終回お楽しみに)
意外に知られていない
食品ロスの問題点 連載 10
日配品の販売期限を
賞味期限当日とすることで、廃棄
数量が10%削減された
店舗での販売期限の延長も重要で
、もっと賞味期限ギリギリまで販
売すれば、食品ロスは確実に減る
。2017 年度に京都市が行った社
会実験では、日配品の販売期限を
賞味期限当日とすることで、廃棄
数量が10%削減された。また、
同時期の京都市の小売業調査にお
いて、賞味期限当日まで販売を続
ける市内の小売業者を対象に、「
賞味期限当日まで販売を続けるこ
とへの消費者からのクレームの有
無」を尋ねたが、ほぼないことも
明らかになった。販売期限を見直
せる余地は十分あるのではないか
。商品入れ替えプロセスの見直し
とは、新商品の導入および定番カ
ット品(新しい商品への入れ替え
や商品の規格変更のため、店頭か
ら撤去される食品や商品)の終売
時における流通上の業務プロセス
を、食品ロスが発生しにくい方法
に見直すことである。
(次回に続く)
意外に知られていない
食品ロスの問題点 連載 9
(2): 納品期限
・販売期限の見直し
店舗への納品期限の緩和により、
小売店舗までの中間流通や製造に
おいて、在庫や納品期限対応のた
めの追加生産が削減される。店舗
への納品期限が、製造日から賞味
期限までの最初の3分の1から2分
の1になれば、飲料と賞味期限の
長い菓子(180日以上)だけでも
約4万トンの食品ロス削減につな
がる 。納品期限緩和の先頭を走る
のがコンビニで、ほぼ全てのチェ
ーンで、飲料と賞味期限が180日
以上の菓子の納品期限は、製造日
から賞味期限までの最初の「2分
の1」になっている。さらに、緩
和対象品目の拡大を検討しており
、一部地域でカップ麺を対象に、
実証実験と結果の精査が行われて
いる。問題がなければ、さらなる
食品ロス削減に向け実運用を見直
す方針だ。
(次回に続く)
意外に知られていない new
食品ロスの問題点 連載 8
どうすれば食品ロス問題
は解決するのか
ここでは流通における業務の見直
しを中心に、食品ロス問題の解決
の方向性を取り上げる。
(1):「年月日表示」から
「年月表示」への切り替え
第1に、賞味期限表示の「年月日
表示」から「年月表示」への切り
替えが挙げられる。食品流通では
鮮度順での納入を求められる。賞
味期限を年月日で表示している商
品なら、納品先から「次回納品は
前回納品と同じか新しい日付の商
品を」と指定される。それが年月
表示になれば、月単位の管理とな
り、手持ち在庫を効率良くさばけ
、食品ロスを抑制できる。また、
年月表示化されることで、日付別
に分けていた倉庫内保管や車両内
の積載を月単位にまとめられ、保
管・配送費用削減に加え、人手不
足で逼迫する物流現場の負担軽減
にもつながる。年月表示化への切
り替えは波及効果が大きく、これ
までに味の素、キユーピーなどの
調味料メーカー、日本コカ・コー
ラ、サントリーグループなどの飲
料メーカー、江崎グリコなどの菓
子メーカーが切り替えを進めてい
る。
(次回に続く)
意外に知られていない
食品ロスの問題点 連載 7
売りきり施策と値引き
食品ロスを軽減するためには、売
れ残りを売りきる施策が重要とな
るが、これはとても難しいことだ
。売りきり施策として、店舗での
値引きを例に説明する。
1点目は、需要予測が難しくなる
ことだ。頻繁な値引きは、値引き
品の購入を目的とした消費者を一
時的に引き付け、値引き品の多い
ときと、そうでないときとの間の
需要変動を生む。需要変動は、店
舗の需要予測精度を下げるため、
売れ残りも生じやすくなる。
2点目は、値下げの商品管理を行
う人員の問題だ。値下げは店舗の
粗利を減らすだけでなく、相応の
作業を必要とする。その作業が自
動化・システム化されていれば問
題ないが、多くの小売業では人手
に頼っている。しかし、人員不足
や育成が追い付かないといった悩
みを抱えるケースも少なくないの
で、売れ残った食品を適切に売り
切るのは容易ではない。
(次回に続く)
意外に知られていない
食品ロスの問題点 連載 6
中食の高ニーズの廃棄抑制
一方で廃棄が出れば、食品ロスに
つながるだけでなく、店舗の粗利
も減る。そのため、店頭欠品と店
頭在庫の極小化を高度に実現して
いく必要があるが、これは極めて
難しいことである。これに対し、
特にコンビニ各社では、そもそも
品切れや売れ残りを発生させない
ように、緻密な出店、単品管理、
需要予測の精密化といった技術革
新を行い、対応している。その結
果、高齢化と時間節約志向が強ま
る現代社会の生活インフラになっ
た。しかし、食品ロス問題が注目
される中、さらなる取り組みへの
期待も高い。また、店内や工場で
調理された総菜などの中食は、す
ぐに食べることが可能で、消費者
のニーズも高いので、市場規模の
拡大が続いている。しかし、消費
期限が短く、販売できる期間も長
くないので、売れ残りが発生しや
すい。中食市場は、今後、一層の
拡大が見込まれるが、小売業にお
いてはいかに総菜などの廃棄を抑
制できるかが大きな課題となって
いる。
(次回に続く)
意外に知られていない
食品ロスの問題点 連載 5
消費者のライフスタイルの
変化と食品ロス問題
食品ロスの発生要因を流通の視点
で考えた場合、人口・社会構造変
化とそれに伴う消費者のライフス
タイルの変化は食品ロス問題と無
縁ではないように思われる。少子
高齢化の進展、共働き家庭や介護
負担の増加などを背景に、深夜の
買い物や中食に対するニーズが高
まっている。そのため小売業は、
長時間営業・24時間営業や、総菜
の品ぞろえ強化などに取り組んで
いる。24時間営業の場合、深夜の
来店客に対して品切れを起こすわ
けにはいかない。消費者が求める
商品が品切れしていれば、再来店
、商品変更、他店訪問などの負担
を消費者に強いて、顧客の流出に
もつながりかねないからだ。
(次回に続く)