鳥まり、参る!

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叫び…誰にも言えなかった。

2023年12月09日 | シリアス
【溢れて零れて戻らない】

多分このことを独立記事に書いてはいないはず。

あまりに辛く悲しく繊細な問題なので書けずにいたけれど、それを聞いた人間として…証人としてここに書きます。

去年(2022年)、冬将軍に守られし大国と肥沃な大地を持つかの国との間で戦争が始まった。

そして今年(2023年)は信仰と因縁の大地で悲しい侵攻が始まった。

今現在起こっている被害を鮮明な映像で見る衝撃はすさまじくて、遠く離れたこの国にいる我々も精神にダメージを喰らっていると思う。

それに対してー…。

この国の戦中・戦後を覚えている大先輩世代の少なくない人々、密やかに叫んでいた。

「かわいそうだかわいそうだって、何だよ!!!

 爆撃されたって、まだ建物の形が残ってるじゃないか!

 枠があるじゃないか!!

 自分達はこんなもんじゃなかったんだ、国中焼け野原にされたんだぞ!!!

 何も、何もなかった!!!

 かわいそうってなんだよ!!!」


…それはあまりにも、あまりにも悲しい叫びだった。

敗戦国だからと嘆くことも禁止された時代を生きた。

戦後はすぐにはこなかったから。

固有名詞を書くのはやめときますが、今の我々がお世話になっている栄えた街だって焼け野原だったんだと彼女達(私が聞いたのは全員女性だった)は言いました。

「私達の大切な人達がいた、暮らしてる町があった、全部焼かれたのに、奪われたのに。

 かわいそうってなんだよ!!!」


やっぱりあれは赦されないことだったのだと、時代を遡って怒りや悲しみが込み上げてくることがある。

これもそれだ。

私が出来ることは、こうやって記録しておくことだけ。

悲しみは消えない、70年たっても、きっと100年経っても。

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