東京タウンウォッチング情報 & 経営コラム 「経営コンサルタント・安岡裕二」の情報とヒント

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「イノベーションとは?の極めつけ答え」

2014-03-17 22:17:08 | 「経営コラム」
「イノベーションとは?の極めつけ答え」

 クレイトン・クリステンセンは、イノベーション研究の第一人者といわれる。私には、イノベーションの捉え方、考え方で悩むところがあったが、ドラッカーのイノベーションに対する考え(解釈)は、“少なくも3年先以降に稔る変革的or革新的価値を生み出す商品、サービス”という、現在から飛躍したイメージを強く受けた。(*“創造的破壊”を唱えたシュンペーターも、製品だけでなく、生産方法、販路、組織などにイノベーションの幅を拡げたものの“新しい”にこだわった点でドラッカーに近い。)
そこで、イノベーションを連続的、非連続的と捉えたコトラー、これから述べるクリステンセンと比べてみると、時系列で価値観が変化していることと、社会的価値から客観的に捉えたクリステンセンの解釈に“極めつけ”の答えをみた思いがした。
キッカケは、(ダボス会議出席者によるアベノミックスと日本経済の特別シンポジュウム)でのこと。クリステンセンは、イノベーションには3つあるという。一つは、“新しい市場を創る”イノベーション。かつて、ソニーに始まり世界を席巻したトヨタ、ホンダ、キャノンなど、低価格で中間層へ市場を切り拓いた企業家精神によるもので、5~10年かかる(*ドラッカーのいう「事業の目的は、顧客の創造」とする考え方と重なる)。これは、新規の雇用を生みだし、経済の成長につながる理想的イノベーション。
二つ目は、“持続的”イノベーション。カイゼン、改良でニーズを組み上げ、応える1~2年の短期で開発費を回収する。三つ目は、“効率化を図る”イノベーション。雇用減や経済停滞につながる。苦境に陥った大企業のリストラなどに見るように、社会的には好ましいとは言えない側面がある。…おおよそ、イノベーションのタイプをこのように分析している。
社会の現実を見れば、ITの進展は効率化を果てしなく突き進むイメージがある。自動改札、ワンマン運転、産業用ロボットによる工場の無人化等など…、労働人口の移動を加速させている。これからの情報化社会は、益々“人”でなければ判断できない仕事や、アイデアや思いつきを形にする人材が求められる事になるだろう。 それは、技術革新による効率化、省力化は、雇用を減らす“負の側面”を持つ。クリステンセンの著作「イノベーションのジレンマ」は三つ目の事例のようなITとチエの進化がもたらす矛盾現象を指したものであろう。

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