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あさか野の四季

      写真歳時記

姫射干(ヒメシャガ)の花

2012年05月22日 | 里山や野原の花

アヤメの仲間で、いま花盛りである。シャガに比べて小形なため、こうよばれる。福島県郡山市は、このヒメシャガを「花かつみ」として市の花に制定している。

「みちのくの あさかの沼の花かつみ かつみる人に恋ひやわたらん」
この歌が古今和歌集に収められて以降、都の歌人たちは、遠いみちのくの安積沼、花かつみを憧れの地、幻の花として数多くの歌を詠んだ。

江戸時代になり、松尾芭蕉は「奥の細道」の旅の途中、郡山市日和田町に立ち寄り、先人の歌に詠まれた安積沼、花かつみを探し歩いている。
 「沼を尋、人にとひ、かつみ かつみと尋ありきて、日は山の端にかかりぬ。」
結局、花かつみを見つけることは出来なかったようであるが、歌枕の地を訪ね歩いた様子を名文に残した。
(写真:郡山市日和田町の安積山公園にて)