釣鐘のような花が可愛らしい。
梅雨時に咲きだすので雨降り花という名もある。
名前について、牧野植物図鑑には「この花でホタルを包んだことに由来する」とあるが、穂垂る(花が垂れ下がっている)や火垂る(提灯)説もあるようだ。
最近の山野草ブームで多くの種類のホタルブクロが市販されている。
日本人好みの花のようで愛好者も多い。
庭先や鉢植えで楽しむのもいいが、やはり、山野で見る方がより美しいような気がする。
(写真:近くの里山にて)
梅雨に入り、水不足だった庭木がやっと元気になった。
写真はガクアジサイ(額紫陽花)の花。この種類には華やかさはないが、端正な美しさがある。
日本原産とされるアジサイの語源については「集まって咲くもの」や「厚咲き」など諸説があるが、その中でも「藍色が集まったもの」つまり、集(アヅ)真(サ)藍(アイ)が最も有力なようだ。また、日本で普通に漢字表記されている「紫陽花」は、唐の詩人白居易が別の花(おそらくライラック)に付けた名のようで、平安時代の学者の誤記が広まってしまった、ともいわれる。
アジサイは開花後、日が経つにつれて色が変わり、最近はこれを楽しむ人も多い。しかし、面白いことに武士の時代には、このことが「移り気」や「心変わり」につながることから人気がなかったという。
蒸し暑い梅雨のこの季節、アジサイの鮮やかな青は一服の清涼剤で、この時期の風物詩といえる。(写真:自宅庭にて)
写真はニホンアマガエル。なんとも綺麗で可愛らしい。
カエルは水辺に棲むものと思いがちであるが、このガエルは水辺だけでなく庭や林など、その活動範囲は広い。
これからの季節、「クワッ、クワッ、クワッ・・・・」と鳴いて、雨が近いことを知らせてくれる頼もしい存在である。
ふつう、カエルが鳴くのは繁殖期の夜であるが、このカエルは名前のとおり雨が降りそうになると昼間でもよく鳴く。気圧に反応するのであろうか。不思議である。
この鳴く理由について、次のような面白い昔話を聞いたことがある。
昔、川の傍に病弱な母と子供のカエルが住んでいたという。この子供は天邪鬼で、親の言うことの反対のことをするのが常だった。ある日、死期を悟った母は”自分の墓は洪水の心配がない山の方に建てて欲しい”と子供に言おうとしたが、山と言えばこの子はきっと川の方にするに違いないと考え、あえて「墓は川の近くにして欲しい」と頼んだ。母の死を悲しんだ子供のカエルは、これまでの行動を反省し、遺言だけはその通りにしようと決めて川の近くに葬ったという。
このため、雨が降りそうになると母の墓が流されはしまいか、と心配して鳴くようになったのだそうだ。(写真:近くの公園にて)