あさか野の四季

      写真歳時記

穀雨と芽生え

2015年04月20日 | 暮らしの歳時記

暦の上では、今日から二十四節気の一つ、穀雨に入る。

穀雨とは、多くの作物(穀物)を潤す春の雨が降る時期のことをいう。この時期の雨は、古くから瑞雨(穀物の生育を助ける雨)をはじめ、甘雨(草木を潤し育てる雨)、催花雨(開花を促す雨)、菜種梅雨など多くの呼び名があるように、作物生産に大きな影響を与えることが分かる。

写真は、恵みの雨を受けてたくましく伸びようとするカボチャの芽。これから多くの作物が「芽生え」の時期を迎える。そして、この季節の終わり頃には八十八夜が訪れる。(写真:近所の農園にて)

リンク:ふるさとの歴史


三叉(ミツマタ)の花

2015年04月11日 | 庭に咲く花

鮮やかなオレンジ色が遠目にもまぶしい。
ミツマタの花である。浅い春のこの時期、葉を出す前に花を咲かせる。これは園芸種の一つで赤花ミツマタとも呼ばれるが、昔からあるミツマタは淡い黄色(クリーム色)の花をつける。

ミツマタは中国原産で、慶長年間に日本に入ったとされ、コウゾ(楮)、ガンピ(雁皮)と共に和紙の主要な原料となっている。とくにミツマタを使った和紙は、仕上がりが滑らかで光沢に富むと同時に、耐久性と吸湿性に優れるという。このため日本の紙幣の多くに使われている。

和名の三叉は、枝が三叉状になることから付けられたようであるが、漢名は黄端香だという。確かに近づいてみると芳香がある。命名に関しては漢名に軍配か。(写真:市内の逢瀬公園にて)


洲浜草(スハマソウ)の花

2015年04月03日 | 里山や野原の花

うららかな陽ざしに誘われての里山歩き。
雑木林はまだ一面の枯れ葉の世界であるが、斜面に可憐な白い花を見つけた。早春の花、スハマソウである。

スハマソウは、キンポウゲ科の常緑多年草。葉の形が洲浜型(海岸線の洲が曲線的な輪郭になった地形で三輪型と呼ばれることもある)からこの名がある。同じ仲間にミスミソウ(三角草、別名ユキワリソウ)もあるが、この地域では見つけられない。

いよいよ今年も山歩きが楽しい季節となった。(写真:近くの里山にて)