あさか野の四季

      写真歳時記

半夏(ハンゲ)生ず

2014年06月30日 | 暮らしの歳時記

半夏とはカラスビシャク(烏柄杓)の漢名。
半夏は夏の半ば(旧暦では4月~6月が夏)の意味であるが、暦の上では、夏至の期間を三つに分けた時の三番目の候で、カラスビシャクが生える頃として「半夏生ず」または「半夏生」と表される。
少し紛らわしいが、同じ頃に育つ半夏生(半化粧)という名の別な植物もあり、これに由来するとの説もあるようだ。

古くから農家の人々が田植を終わらせる目安、農事の節目としてきた時期である。新暦に当てはめてみると、今年は7月2日~6日の期間がこれにあたる。
(写真:カラスビシャクの苞の部分で、中に花軸がみえる。自宅庭にて)

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夏椿(ナツツバキ)の花

2014年06月21日 | 庭に咲く花

梅雨空に清楚な白い花が映える。この樹は花だけでなく、すっと伸びる姿や木肌の色なども美しく、庭木として人気が高い。

 
ナツツバキは夏に椿のような花をつけることからこう呼ばれる。シャラノキと呼ばれることもあるが、これはインドの「娑羅樹」と似ていることから間違えられたとされる。(牧野植物図鑑)

春の花も終わりとなったこの時期、ナツツバキが初夏を告げる。(写真:自宅庭にて)

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蝮草(マムシグサ)の花

2014年06月03日 | 里山や野原の花

新緑の林を歩いていると大小さまざまなマムシグサに出会う。とくに木陰のジメジメした場所に多く生えているためか、くもりの日などに出会うと少し不気味さを感じる。

サトイモ科の有毒植物で、年々大きくなる球根植物(多年草)である。名前の由来は茎(実際は葉鞘)のマダラ模様がマムシに似ていることや、姿が鎌首をもたげたマムシのように見えることなどからの連想ようだ。漢名は斑杖とされる。

緑と紫の部分は苞(仏炎苞)で、花はその中にある。マムシグサは雌雄異株であるが、面白いことに、球根の大きさや栄養状態によって雄になったり雌になったりするという。つまり、種から生えて球根が小さい頃は雄であるが、数年経って球根にある程度の栄養が貯まってくると雌に転換するという。しかし、この頃はまだ若いので、開花・結実に精力を使ってしまうと翌年は再び雄に戻ってしまうとか。自然界の妙、関心することしきりである。(写真:市内逢瀬町の公園内にて)

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