ひっそりと咲くミョウガの花。もっとも、花が開く前に食べてしまうのが普通なので、残念ながら目にすることは少ない。
ミョウガは東アジア原産。あの特有の香り、シャキシャキ感は暑い夏に欠かせない。薬味以外に汁の身、漬物などにもよい。
ミョウガの名前の由来は、広辞苑によれば、芽香(メカ)が転じたものだという。これはなんとなく納得できる。ただ、以前から疑問だったのは、なぜミョウガを漢字で茗荷と表すようになったのか、であったが、これはふとしたことから、俗説「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」に関係があることを知った。
昔、釈迦の弟子に物忘れがひどく、自分の名前さえも忘れてしまう人がいた。そこで名荷(名札)を首に掛けさせたが、それも効果は無かったという。その人が死んだ後、墓に生えた名も知らない草を見て、人々はこの草を「茗荷」と名づけたのだという。
(写真:郡山市大槻町の家庭菜園にて)