あさか野の四季

      写真歳時記

桔梗(キキョウ)の花

2014年08月30日 | 里山や野原の花

キキョウの楚々とした姿,澄み切った色。何とも風情がある。
秋の七草の一つに数えられるキキョウ。その由来は、山上憶良が詠んだ次ぎの二首にあるとされる。
   ・秋の野に咲きたる花を指折りかきか数ふれば七種の花 
   ・芽木(萩)の花 尾花 葛花 瞿麦(撫子)の花 女郎花 
                        また藤袴 朝貌(あさがほ)の花
ここに詠まれている朝貌(あさがほ)は、現在のキキョウと言うのが定説になっている。しかし、木槿(ムクゲ)説を主張する学者も多いとか。

昨今、暑い盛りに咲く園芸種も多い。ただ、この花の魅力は初秋のこの時期が一番のような気がする。(写真:近くの公園にて)


稲(イネ)の花

2014年08月14日 | 里山や野原の花
 

立秋も次候に入ったが、まだ暑さは厳しい。
水田地帯の安積平野。この地の代表品種であるコシヒカリが、いま開花期を迎えている。

イネの花は天気の良い日の午前中に咲く。イネの受粉は最初、頴(後にモミ殻になる)が二つに割れて中から雄しべが伸び、その先端から飛び出した花粉が下方にある雌しべに付いて完了する。そして再び頴を閉じる。この間、100分前後である。

イネの花は小さく目立たないので見過ごされがちであるが、根気よく観察するとその営みには感動さえ覚える。(写真:コシヒカリの花。自宅近くの水田にて)