この時期、一時の暖かさを春と勘違いして咲いた花。
帰り花、忘れ花ともいわれるが、狂い花といった不名誉な呼び方をされることもあるようだ。辞書には遊女、歌舞伎役者が2度目の勤めに出ること、ともある。
季節は立冬の末候(七十二候)にあたり、そろそろ氷が張り、霜の降りる頃となった。
これらの花は、本格的な冬を迎える前の自然からの贈り物なのかも知れない。(写真:庭に咲いた季節外れのつつじ)
菊日和、菊の花が咲く頃の良い天気のこととされる。何とも美しい表現だ。
この時期は各地で盛んに菊花展、菊人形展などが行われている。綿密な計算のもとに丹精込めて育てられた菊の花には感動すら覚えるが、秋晴の穏やかな日、雑多な菊が畑のすみに咲く風景をみると、鉢物には無い懐かしい昔の秋がよみがえる。
見かへるや 麓の村は 菊日和 龍之介
今年は不順な天候が続いている。数少ない「菊日和」を満喫したい。
(写真:郡山市大槻町地内の一風景)