7000億ドル、邦貨にして75兆円という途方もない税金が、アメリカの金融機関のために用意された。金融支援法の成立である。アメリカといえば、市場に任せておけば、経済も政治もうまくいくという新自由主義を世界に押しつけ、日本はその完全な追随者となっているわけであるが、そのアメリカの巨大金融機関が崩壊の淵に沈んでいる、すなわち信用不安が極限のところに来ているのだから、世界はどう言うルールでどう動いているのか、素人には分からないが現象は分かりやすくなっている。ここは直感で判断してもそうは間違いのないはずである。映画「シッコ」で米国社会の矛盾を浮き彫りにし、皮肉混じりに告発しているマイケル・ムーア監督は、米国社会はわずか400人の大金持ちが1兆6千億ドルの富を保有していて、この富は底辺に沈む1億5千万人(人口のほぼ半分弱だ)の富とほぼ同額であるといっている。何という格差社会なのであろうか?しかも驚くべきことに、このうち7千億ドルはブッシュ政権の8年間にふやされている・・そうである。ブッシュ政権はイラク戦争、アフガン戦争を遂行するために存在した政権である。イラク戦争の戦費は3兆ドルに達していて、このまま収まりそうもないし、アフガン戦争も拡大、悪化がうち続いているので、アメリカ政府の財政はまさに火の車なのであろう。 . . . 本文を読む