これらの事故の原因は技術問題であるかのように短絡されるが実は扱う対象の現場のシステム、すなわち人間の関わりかた方にも一因がある。チェルノブイリ事故が起こった際日本の原子力技術者はソ連の「技術力」(設計ミス)にこそ真因があり、日本や欧米の原子炉には起こり得ない事故であると強調した。また所詮人間のやることだから、思わぬことはおこるもの、人間の注意力さえ磨けば事故は防げるものだ、として技術者教育、マニュアル教育によって原子力事故などはこともなく防止することが出来るとする主張も聞かされた。原子力関係の技術者の思い上がりともいえる豪語の背景にあるものは「あらゆる場合を想定して安全対策が打ってある」という自信である。彼らは言う。「国の基準に合致している」「委員会をパスしている」「マニュアルを整備してある」。これはいかにも馬鹿げている。交通規則を守れば交通事故は絶対起こらないというのに似ている。交通事故は交通規則を守っても起こる。青信号だから安全なのではなく、車の来ないことを確認するから安全なのである。安全は交通規則が保証しているのではない。 . . . 本文を読む
トマトを見てつくづく思うには。桃太郎トマト。完熟した姿は見目麗しく誉れあり。このトマト数ある品種を押しのけて、あるいは、自らも「カイゼン」して、日本の市場を席巻。他のトマトを敗北に追いやり駆逐した。優等生トマト。色つや、腰の強さ、均整の取れた肢体、桃太郎にあらずんばトマトにあらずといわんばかり。
そこで競争で敗北したトマトを作り、集めて、遊んでいるのがトマトフェスタ。これまで賞味したトマトはもう100種類は超えるだろうか。気づくことは、味が千差万別、言い換えればどんなトマトにも個性がある。その個性を料理に活かせば、その先には万華鏡のようにきらびやかな食の文化が・・あり得る。
トマトから人間に飛躍して考える。この社会、一握りの優等生が、『学歴』『偏差値』システム・・競争原理社会の中から生産され、個性がじゃまな官僚社会や企業社会を作っている。今そうして作られた文明社会が疲れてきて、ストレスが溜まっちゃった。 . . . 本文を読む
私は、最近のテレビCMが薬や化粧品、健康食品を連呼しているのがいやで嫌で仕方がありませんでした。CMにあおられて 買わなければひどいことになるという脅迫を受けているように思えるからです。この4-5年で毎日のように耳にすることばは、コンドロイチン、グルコサミン、ヒアグロン酸、コラーゲン・・・これまで耳にしたこともない学術用語が氾濫し、私達の耳朶を攻撃します。『皮膚がすべすべになります』「血液がさらさらになります」「しわが取れます」「疲労が回復します」・・・・こういう系統のコマーシャルには、いかに論拠があるにせよ、売りたい側の人間の立場からは、オーバーとーくとなり誇大広告になる。割引きをして聞けといさめることが出来るが、悩みに出くわしている人にとっては わらをもすがりたい思いだろうか。 そんな折、私は30歳を過ぎたばかりで、4歳の子供を持つある小児科医を紹介され、おつきあいを始めました。この先生は、どんな状況にあってもうろたえずにこどもを正しく見て、お父さん、お母さんの『手』で子どもを守ることの大切さを説いています。 . . . 本文を読む