このような藻は、未利用な状態で地球上あらゆるところに「自生」しているそうです。そしてその生態はほとんど知られていないと言われています。例外的に使われているのは、クロレラとかスピルリナとか言われるもので、人間が活用しているのはごくごくわずかであることは明らかです。そういう意味で言えば、昆虫のそうかもしれません。数万種類の昆虫のうち、利用されているのは「かいこ」「ミツバチ」 ---それに何があるかな?
藻はこれだけ早く体を作るわけですから、炭酸ガスの貯蓄率も高いのは当然です。もし、水田を水や太陽光の条件を整えた上で、このような藻の生産工場に変えれば、水田は非常に回転の速い炭酸ガス吸収装置になるし、これをどんどん収穫し、高等動物、高等植物のエサにし、やがて人間の食糧にしていけば、水田はもしかして大変な食糧生産工場になるかもしれません。 現在の水稲が経済性のある製品であるとは誰も思っていないのですが、もし、水田、特に棚田や谷地田をこのようにうまく使う技術があれば、環境保全(炭酸ガス削減、洪水調節)にもなるし、食糧自給にプラスになり、また過疎地の解消にもなるという一石数鳥の効果が期待できるかもしれません。農業とはいつでも、どこでも、そこに与えられた土地を使って、高等植物(稲や麦)、高等動物(肉や卵 )を直接生産する産業と考えられていました。人が登れないような高地に田畑を築いて米や麦を生産する農業は土地利用の制約からです。いうまでもなくこのような農業生産をしているのは、労力的にも地力の上からも不利です。しかし、山の上の水田を使って、もしかして、藻のような下等生物を作り、これを下に流してきて収穫し、これを牛や鶏に食べさせたり、魚に食べさせたりして高等生物に転換すれば、上流と下流が呼応して新しい地域農業の形を作ることができるかもしれません。農業とはお天道様と炭酸ガスをうまく組み合わせることという原理から成り立っているので、その原理をどのように生かすかは人智如何にあり、地域の置かれた条件を逆用することによって、経済的価値のある生物生産が「どこでも」可能になるという直感が必要だと思われます。
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