当日は、国際経営学者、日系人教育指導者、外交官、農業、食品、経営のコンサルタント、IT専門家、商社マン、ジャーナリストの各氏。
南米諸国等の日系人教育指導に携わっている山内氏(元全国農業農協中央会幹部、日本農業新聞で論説委員などを歴任、永年国際活動を行う)から、最近のブラジルで行われた日系農協活性化会議の席上で語られていたこととして、「ブラジルでは規模を競い合う農業の形が主流を占めている」、「食糧資源がバイオエタノールの形でエネルギーに向かっていることで、燃料か食料かという問答が諸国で繰り返されている」と皮切りの発言がありました。米国で10年間穀物戦争、種子戦争を闘ってきた商社マン米国はトウモロコシ王国であり、旺盛な生産活動は金融危機下の現在でも衰えを知らない、今や食料の3分の1がバイオエタノールに転換され、農業関係者はウケに入っているが、国際的にはEUなどでは反省の機運が高まっている。」と口を挟みました。元外交官の佐々木肇氏(ブラジルのパラナ州総領事、ボリビア大使などを歴任、現在旧ソ連非核化強力委員会勤務)からは、「バイオエタノール大国は米国、ついでブラジル、EU,中国、インドネシア、マレーシアがそれに続いている、しかし穀物であるトウモロコシや資源作物であるサトウキビかがどんどんバイオエタノールに転換していくわけにはいかず、今日世界の目はセルロース(木質系バイオマス)に目が向いている。」とその話を受け、さらにこれを引き継ぎ、「ブラジルには150万人とも言える日系社会があり、日本が食料やエネルギーを外国から安定的に入手するにはもっとも頼れる相手はブラジルしかないのに、これまでは日本はこのことにほとんど関心を示さなかった、これは大いに反省すべきことで、霞ヶ関からの新しいアイディアが出ていない状況が続いている」との自省のコメントがありました。佐々木氏は、在職時代、石油資源、水資源開発問題にも深く関わり、出生の地の兵庫県八鹿町の山林管理等を引き合いに出しながら、環境という切り口から、世界に向かって情報を発信していける国は日本しかないことを強調しました。その理由として、日本は人口が世界10位、GDPが米国に次いで2位、一人当たり3万$を超える所得を持つ192カ国のなかでは傑出した位置にあること、2007年の国連の分担金も米国と日本を合わせれば42%にもなり、日本の国力を使えば世界に向かっては大きな影響を与えられる国であるということが強調されました。特にブラジルとの関連で言えば、日系農業者が農業経営でも技術でも人材でもきわめて有力な活動をしており、300万haとも400万haともいわれている農地経営面積は、日本国内の経営面積とほぼ同規模であること、日系農業者と日本の農業者が研究を含めて手を結べば、
を低い自給率のもとで、両者が益するばかりか心理的にも大きな安定を得られるだろうと結びました。IT技術者(富士通勤務)からは、日本で開発されつつあるサプライチェンマネージメント、平たくいえばITを駆使して、原材料現場から消費の現場までを効率化、オペレーションの全体最適化を図る試みの紹介がありました。ITの導入範囲としては、食の安全安心、高付加価値化、省力化、低コスト化、農業生産の法人化などを1つのパッケージで捉えることが出来ること、これらが食料・農業・農村の政策に生かされれば、国内農業の体質強化、農村の活性化、食と農に関する試作の戦略的な取り組み、地球環境保全に関する貢献、国際交渉への取り組みなどに生きてくるという考え方を示されました。日伯関係で言えば、その絆を強める意味に措いても又経済効果を発揮する意味においても、経営情報の共有化、トレーサビリテイ、作業プロセスの効率化、農業経営管理の高度化などで、データベースを作りながら夢の自動原価計算に向けた管理が展望出来るとのコメントを頂きました。
農業や農村の多面的な機能が叫ばれて久しいですが、温暖化問題が急を告げている現在、食料やエネルギーの相互干渉のない、また偏在のない、水資源、土壌資源の保全管理、高度利用と結びついた、また貧困や戦乱による環境破壊を食い止める食料とエネルギーの大増産が緑の大増産、脱石油の循環型経済の構築などの課題と完全に一対となって、知恵を結集して脱化石文明の課題として実施されること、日伯のそれぞれの農業関連を中心とするカウンターパートは、それらの課題に取り組める条件があること、政治がしかるべき役割を果たすべきであること、など議論が展開されました。
最後に、前回報告されましたバイオファン(自然対流でヘドロを表面に浮上させ、日光と酸素でヘドロを好気環境にさらし、植物性プランクトンを繁殖させることによってヘドロのたまった水底を耕し、ヘドロをエサに変える死んだ水環境を生物で満たす技術)について、報告者が今回は欠席のため、山代勁二から報告しました。
現在、汚染が進みにっちもさっちもいかなくなっている秋田県八郎潟の残存湖に対して挑戦中の1300日を上回る実験では、やがてワカサギが復活するのも夢ではないとの報告を年頭に受けています。
南米諸国等の日系人教育指導に携わっている山内氏(元全国農業農協中央会幹部、日本農業新聞で論説委員などを歴任、永年国際活動を行う)から、最近のブラジルで行われた日系農協活性化会議の席上で語られていたこととして、「ブラジルでは規模を競い合う農業の形が主流を占めている」、「食糧資源がバイオエタノールの形でエネルギーに向かっていることで、燃料か食料かという問答が諸国で繰り返されている」と皮切りの発言がありました。米国で10年間穀物戦争、種子戦争を闘ってきた商社マン米国はトウモロコシ王国であり、旺盛な生産活動は金融危機下の現在でも衰えを知らない、今や食料の3分の1がバイオエタノールに転換され、農業関係者はウケに入っているが、国際的にはEUなどでは反省の機運が高まっている。」と口を挟みました。元外交官の佐々木肇氏(ブラジルのパラナ州総領事、ボリビア大使などを歴任、現在旧ソ連非核化強力委員会勤務)からは、「バイオエタノール大国は米国、ついでブラジル、EU,中国、インドネシア、マレーシアがそれに続いている、しかし穀物であるトウモロコシや資源作物であるサトウキビかがどんどんバイオエタノールに転換していくわけにはいかず、今日世界の目はセルロース(木質系バイオマス)に目が向いている。」とその話を受け、さらにこれを引き継ぎ、「ブラジルには150万人とも言える日系社会があり、日本が食料やエネルギーを外国から安定的に入手するにはもっとも頼れる相手はブラジルしかないのに、これまでは日本はこのことにほとんど関心を示さなかった、これは大いに反省すべきことで、霞ヶ関からの新しいアイディアが出ていない状況が続いている」との自省のコメントがありました。佐々木氏は、在職時代、石油資源、水資源開発問題にも深く関わり、出生の地の兵庫県八鹿町の山林管理等を引き合いに出しながら、環境という切り口から、世界に向かって情報を発信していける国は日本しかないことを強調しました。その理由として、日本は人口が世界10位、GDPが米国に次いで2位、一人当たり3万$を超える所得を持つ192カ国のなかでは傑出した位置にあること、2007年の国連の分担金も米国と日本を合わせれば42%にもなり、日本の国力を使えば世界に向かっては大きな影響を与えられる国であるということが強調されました。特にブラジルとの関連で言えば、日系農業者が農業経営でも技術でも人材でもきわめて有力な活動をしており、300万haとも400万haともいわれている農地経営面積は、日本国内の経営面積とほぼ同規模であること、日系農業者と日本の農業者が研究を含めて手を結べば、
を低い自給率のもとで、両者が益するばかりか心理的にも大きな安定を得られるだろうと結びました。IT技術者(富士通勤務)からは、日本で開発されつつあるサプライチェンマネージメント、平たくいえばITを駆使して、原材料現場から消費の現場までを効率化、オペレーションの全体最適化を図る試みの紹介がありました。ITの導入範囲としては、食の安全安心、高付加価値化、省力化、低コスト化、農業生産の法人化などを1つのパッケージで捉えることが出来ること、これらが食料・農業・農村の政策に生かされれば、国内農業の体質強化、農村の活性化、食と農に関する試作の戦略的な取り組み、地球環境保全に関する貢献、国際交渉への取り組みなどに生きてくるという考え方を示されました。日伯関係で言えば、その絆を強める意味に措いても又経済効果を発揮する意味においても、経営情報の共有化、トレーサビリテイ、作業プロセスの効率化、農業経営管理の高度化などで、データベースを作りながら夢の自動原価計算に向けた管理が展望出来るとのコメントを頂きました。
農業や農村の多面的な機能が叫ばれて久しいですが、温暖化問題が急を告げている現在、食料やエネルギーの相互干渉のない、また偏在のない、水資源、土壌資源の保全管理、高度利用と結びついた、また貧困や戦乱による環境破壊を食い止める食料とエネルギーの大増産が緑の大増産、脱石油の循環型経済の構築などの課題と完全に一対となって、知恵を結集して脱化石文明の課題として実施されること、日伯のそれぞれの農業関連を中心とするカウンターパートは、それらの課題に取り組める条件があること、政治がしかるべき役割を果たすべきであること、など議論が展開されました。
最後に、前回報告されましたバイオファン(自然対流でヘドロを表面に浮上させ、日光と酸素でヘドロを好気環境にさらし、植物性プランクトンを繁殖させることによってヘドロのたまった水底を耕し、ヘドロをエサに変える死んだ水環境を生物で満たす技術)について、報告者が今回は欠席のため、山代勁二から報告しました。
現在、汚染が進みにっちもさっちもいかなくなっている秋田県八郎潟の残存湖に対して挑戦中の1300日を上回る実験では、やがてワカサギが復活するのも夢ではないとの報告を年頭に受けています。
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