月下樹のおと

樹月けい、オタク母のブログ。アニメ・漫画。お絵かき展示等。義母の介護終わり、義父のご飯お手伝い中。

12/20 SARP vol.19 『S高原から』観劇

2020-12-22 01:47:01 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等


12/20 SARP vol.19 『S高原から』
ノトススタジオにて三女と観劇。

高原にあるサナトリウムの
何気ない一日。 
療養中の人、面会に来た人、
そこの職員。
それぞれの日常。
始まりは意外と楽しそうな雰囲気。

でも少しずつ話の中から、
その裏側が見えてくる。
○○さん、危ないらしい…
長くない命の噂が囁かれる。
知らないのは本人ばかりか。

それって嫌よね、という言葉。
ハッとする。
他の人のことは耳に入るのに
肝心な自分のことが分からない。
それはきっと辛い。
分からないならいいじゃない、
嫌も何も…感じないと言うけれど、
そんなことはない気がする。


死と隣り合わせな療養中の人に
面会しに来るのは外で暮らす人。
思う気持ちはあっても
なかなか同じではいられない。

療養する彼を待っていた彼女。
最初は頑張っていたけれど
“ いつまでかかるのか
分からないのは嫌… ”

気持ちは何となく分かる。
先が見えない中、
頑張り続けるのは辛い。

いつ終わるか分からない
未知のウイルス感染拡大も、
今の世の中に似てるなと思った。


これまでの我が身を振り返っても、
そうかもしれない。
介護であれ子育てであれ、
先が見えない苦しさの中
それを表に出さず、穏やかさを
保つのは なかなか難しい。


考えないと言っていた、
死に近いと噂されていたあの人。
肩の力が抜けているように見えた。
考えない方が楽だから?
その日のご飯が楽しみ…みたいな
ただ今を感じることなのだろう。
それは分かる。

でも自分は、希望の光がちらつくと
つい頑張っちゃうのよね(笑)。
今のやり方を変えたら
もっと良くなるかもしれない、
とか。
けれどそんな努力がすぐに
結果に結びつくとは限らない。
頑張った分だけ落胆も大きい(笑)。
その繰り返し。

そんな、気持ちの大きな振り幅で
あがき もがくのは疲れるけれど、
私は無駄とは思いたくない。
結局は、
回り道な過程もひっくるめて
必要だったのだと。


何気ない会話の合間に、
ぴんと張り詰めた間もあった。
無言の数秒間に、
荒れ狂うような気持ちを感じた。
ああ、あるある(笑)だ。
境遇は違っても、
誰にでも覚えがあるような
感情かもしれない。


それぞれが抱える問題は違う。
でも、きちんと伝え合えてない。
情けない姿も気持ちもさらけ出して
お互いまっとうにやり取りしてない。

だからこんなに苦しくて
怒りや悲しさに飲み込まれてしまう。

死ぬかもしれない人と
生きていかなきゃならない人と
どっちも大変というか…
同じ物差しで測れない。

だからこそ、
言葉を尽くして
どうにか折り合いをつけなきゃ
いけないのだけど…

永遠の課題だなぁ。
深みを覗くような気分。
淵に近付かなければ
見ないで済むし、
そもそも何も気付かない。
しかし何故かそうもいかない。
何故か見てしまってる(笑)。


眠るように逝く?最後の場面。
意外と穏やかに受け止められた。

本人の心の内は分からないし、
何が本人にとって幸せかは
分からない。
ただその人なりに、
この世をまっとうされたことに、
ただただ手を合わせるような
気持ちになった。

どんな生から、どんな死へ。
自分のそれを思うと
頭がぼうっとなってしまった。
ふと淵に立つ感覚がよぎり
足がすくむ感じ。
誰の力も及ばない瞬間。
どう転ぶかは神のみぞ知る。
誰も悪くない。それでいい。

少し晴れた気持ちで
現実に戻った観劇後。拍手。


チラシの絵、
見るとまた引き込まれそう。
何かが見える。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12/20 義母7回忌

2020-12-21 13:39:09 | 介護 地域 嫁業

12/20 義母7回忌でした。
こんな時期なので規模を縮小して。大勢いる親戚は呼ばす、義姉たちとその家族まで。会食も控え、お茶と菓子だけで。おつとめが終った後に、皆で歩いて墓参り。無事終わりました😊ささやかだったけど、これくらいが気も張らず良かったかも。準備するものもだいぶ違うし。

何より法事のやり方は家によってもだいぶ違う(笑)。実家の両親は長男と長女(一人娘)なので、葬儀や法事は主になる側。私も子どもの頃から側で手伝いなどして、ある程度知っているつもりでした。

それでも結婚して初めての法事では戸惑うことも。持ち帰ってもらう粗供養の、中身…品や数なども若干違う。出すお膳に、ばら寿司をつけるとか。最初は、まだまだ自分は知らないことが多い💦と焦っていたけど、結局は地域や家によって続けてきたやり方は違うのかも。何が当たり前かは、場所によって変わることもある。

それは、三女から、近所の友達宅の話を聞くにつけ思うこと。ご両親は中国の人。話だけでは想像もつかない中国の洗濯機の仕組み。各部屋に冷蔵庫?料理は主に各自で?共働きとはいえ…一般的な日本の家庭では想像つかない話。
三女の話が本当なら(笑)。こんなに近くの家なのに!こんな別世界なのね。外からは分からないのに。世界は広い…。

当たり前が分からなくなります。常識や前例じゃなく、いまここで、出来る範囲で、どうするのが心地よくスムーズに進むのか。そっちに切り替えてもいいんじゃないかと思えます。とはいえ自分勝手に変えられないのも現実。少しずつ、ものを見て、言葉を探すところからです☺️

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12/6 「星の王子さま 朗読とパフォーマンス」 生涯学習センターにて

2020-12-08 23:25:58 | 感想★アート演劇 映画ドラマ アニメ等


12/6 丸亀市生涯学習センター
屋上天体観測室にて
「星の王子さま
朗読とパフォーマンス」

天体観測室、
あるのは知っていたけど
入ったのは初めて。
そこでの朗読とパフォーマンス…
どういうものになるのかな?
ちょっと想像がつかなかった(笑)。
今回は都合がついたので
三女と一緒に
行ってみることにした。

何しろ、ここ何年かのうちに
この生涯学習センターは閉館し、
前に取り壊された市民会館が
センター跡地に新しく
建てられるのだ。
なので、この機会にと思っていた。

定員8名、予約時は残り2席!
ぎりぎりセーフ。良かった〜。
……………

5階から上へ続く階段を
上ったところに
❲ 天体観測室 ❳のプレート。
更に階段を上ると、目の前に
ドームの天井と、
その真ん中には天体望遠鏡。
大きいけれど、
ちょっと年代を感じる。
確かに下のスペースは
ちょっと手狭。
望遠鏡をくるりと囲むように
椅子が置かれそこに観客が座る。

見上げるとドームの開口部には
金属のハンドルがあり、
それを動かす鎖が
長く垂れ下がっていた。

その高さまで行くために、
木のはしごのようなものが
立て掛けられている。
どれも年月を経た雰囲気を
醸し出していた。
ちょっと違う世界に
迷いこんだような感覚。

フルートを吹いてくれる人、
横にはキーボード。
そして朗読する人が2人。
素朴な感じの照明が何となく
個人的にはキャンプな雰囲気(笑)。

フルートの音色、
The Roseの曲なんて…
始まりから、うるっとなりそう。

そして「星の王子さま」。
以前、リトルウィング版を
観たことがあり。
今回は朗読。
自分で想像をめぐらせなら
聴いていた。
間にはパフォーマンスも入った。
距離が近い…ということもあり
細やかな手の動きや気配を
より感じられた。

そして
途中でドームの窓が開かれた。
ガラガラという音と共に少しずつ。
星は見えなかったけれど
空と繋がったように感じた。
外の空気が入り込み、
貼られた紙がわずかに
揺れているのが見えた。

目の前の望遠鏡に貼られた
いくつかの紙。
ヒツジの絵が描かれた紙。
それが薄暗い中ふっと揺れて
ドキッとした。

……………

今回、心に刺さったのは
大事なことで忙しい、
自分は有能な人間だと言う人。

大事なことって何だろう。
それは、王子さまの
大事なこととは違っている。

バラにあるトゲの話など
多くの大人や社会一般から見れば
特に大事じゃないことかもしれない。
けれど、王子さまにとって
かけがえのない、“そのバラ”の、
そのトゲは
大事な意味を持っている。
それは何となく分かる。

でも個人の大事は
多数のそれと比べた時に
簡単に弾かれてしまう、
そんな怖さを感じた。

このコロナ禍、
いわゆる“ 大事なこと ”の為に
多くのものが切り捨てられている。
確かに仕方がない部分はある。
けれど自粛警察のように、
偏った見方に疑いを持たない
傾向は怖い。

多様性を大事に…と言われつつも
有事にあっては
優先順位から外される。
そんな危うさは
すぐ隣にあったのだと
今回のことで思い知らされた。

そんな中、
大事なことのくだりを聞くと
すごく心に刺さるものがあった。

有能無能でふるいにかけられ
下に落とされ見向きもされない。
それは明日の自分かもしれない。
そんな怖さ。

だけどこんな時だからこそ
その異常さを感じる人は
多いかもしれない。

両方の気持ちが交差して
心が揺さぶられた。


たぶん、その時その時によって
感じることは変わるのだろう。


今この時にまた、この物語に
触れることができて良かった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Twitter