詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

生きている優越

2019-11-26 12:34:22 | 千駄記



今日は一転寒い一日です。

このところ必要に迫られて
ここ数か月の間に頂戴した歌集や
大正、昭和、平成に編まれた
アンソロジーなどとにらめっこしている。
作品を味わうでもなく、それでいて
わたしにとっていいうたに出遭うと
立ち止まってしまう。

それにしても「生」の歌よりも
「死」の歌があまりにも多いことに
辟易としたりする。

挽歌は私の胸を打ちますが
そうではない死の歌。
比較的最近編まれたアンソロジーで
私の手元にあるものは一人20首のものと
1970年以降に生まれた歌人のものを
一人50首程度集められたものとがあって
それらを眺めているとやはり死の歌が多い。

私はこれらを見ながら筆を進めなければ
ならないのだが、どうして「死」がこうも表現
されているのだろうと考えてみたりする。

切実に死と向き合っているとなかなかに
表現できるものではないし。

つまり生きている優越なのだな。