「うっ‥うううっ‥!」
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なんとか自宅へと帰り着いた横山翔は、未だに痛む目を押さえて悶絶していた。
アイスノンで冷やしてはいるが、瞳は真っ赤に充血し、瞼は倍以上に腫れ上がっている。

横山はPCの前で目を押さえながら、赤山雪のことを思い出し苛立っていた。
赤山になら、ハエ共が居ないところで話をつけれると思ってたけど‥。クソッ‥まだ痛ぇ‥。

横山は霞む目をこじ開け、以前自分の写真がアップされていた掲示板を開いた。
しかしそこには、何も載ってはいない。
「あれ?」
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そこには写真どころか、スレそのものが無くなっていた。
”このスレは削除されました”と、そっけないメッセージが画面に現れるだけだ。
「スレが無くなってる‥?なんだぁ?全部消したってのか‥?」

予想外の事態の展開に、横山は拍子抜けした。
しかし時間が経つにつれ、腹から笑いが込み上げてくる。
「はっ‥ははっ!やっぱそーだよな!!やっぱり顔写真まではビビって上げらんなかったか。
ざまーみろ‥」

横山はニヤリと笑いながら、一筋の光をそこに見出した。
まだ自分が返り咲くチャンスはある‥。

横山は一人、これからの計画を口にする。
「そうだ‥まだ遅くない。青田の奴が浮気してる証拠をもっと集めよう。
それだけでも明るみに出れば、学科の皆もまた俺の元に戻って来る‥」

イタチは狐の弱点を足がかりにして、再び自分の地位を築き上げる方法を考えていた。
口だけだった去年とは違うぜ。今度こそちゃんと証拠を突き付けてやる。
負け犬共は俺のことを浮気者だ何だと言うだろうが、他の奴らはどうだ?
俺のこと、かえって二人の女を虜にさせたデキる男だと思うっつーの。
学科生全員っつったってせいぜい200ちょっとだ。そいつら全員に分かってもらわなくたって全然オッケー。
適当にあしらって大学生活送りゃいい‥。

覚悟は決まった。横山は頭の中で、それを実現する計画に思いを馳せる。
まずは青田の行ってる会社に、証拠集めに行って‥。
ポスターでも作って、それを壁一面に貼り付けるか?それか、アイツの会社前で公開処刑するか?

そしてそれが成功すれば‥
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横山の脳裏に、項垂れる淳と悲しげに泣く雪の姿が浮かぶ。
やがて二人は別れ、赤山は自分のところへと泣きついて来るだろう。
「横山、私が悪かったわ‥!」
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しかし横山は、無慈悲にも縋り付かれた腕を振り払う。
「テメーみてーな女、もう要らねーんだよ」
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そんなクールな自分の姿を見て、仲間達は口々にその行動を賞賛するだろう。
翔の言った通りだぜ。 青田ってば公共の敵だな。 赤山かわいそーにw
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目に浮かぶようなその喜劇に、横山の口角は歪んだ。腫れぼったい瞼の下で、その瞳は爛々と光っている。
その一筋の光の先に、輝く栄光の座があることを確信して‥。

俺に出来ないことは無いと、横山は自分に向かって自信たっぷりに口にした。
すぐに今の状況から脱し、見事に逆転を果たしてやると。
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翌日、横山は自信たっぷりの表情で大学に登校した。
皆の好奇の混じった視線も、今や気持ち良く感じられる程だ。
♪堂々と~歩いて行こう~♪
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今流行りのアイドルの歌まで口ずさみながら、横山は堂々と前を向いて歩いて行く。
そんな横山に、直美や雪は冷ややかな視線を向けた。
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しかし横山はそんなものは痛くも痒くも無いという具合に、堂々と皮肉な笑みを彼女らに返す。
腰に手を当ててふんぞり返る横山に向かって、堪らず彼女らは声を上げた。
「あのクソ男!マジムカツク!」 「失せろ!!」 「うっわ‥なにアレ?」 「バッカじゃないの!!」

しかし、女子達から総スカンを食らわされている現状には目もくれず、横山は近くに居た男子達に声を掛けた。
「おーいみんな!ちょっと話あっからさ、メシ食いに行こーぜ!」
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男子達は突然近付いて来た横山に初めこそ懐疑的な視線を向けていたが、
横山が「出来るだけ人数集めてよ。俺が奢るからさ」と言うと喜んで了承した。
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一同は普段食べに行けない高級ステーキ店をランチの場所に選ぶと、辺りに居た男子全員に声を掛けていく。
「行こうぜ行こうぜ!」 「おーいメシ行くぜ!こっち来いよ~」
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後輩や同期に声を掛ける男子達の群れの中に、「タダ飯~」と言って柳瀬健太も紛れ込んだ。
横山翔御一行は彼を中心に、賑やかに店へと移動して行く。
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雪達三人は、その様子を見ながら顔を顰めていた。
昨日横山の写真が上がったスレを消した途端、彼は上機嫌であの有り様だ。
「なんだか予想どおりですネ。女子は切り捨てて男子を集める‥」
「虚勢よ虚勢!強がってるだけ!」 「無視無視」

調子良く笑い声を上げる横山の横顔を睨みながら、雪と太一は会話を重ねる。
「無駄なことを重ねたって、無意味だっつの」
「あんなことしたって自分の首を絞めるだけなのに‥本人だけ気付いてない」

太一の眼差しは、ニヤニヤと笑う横山を射続けている。
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太一の胸の中に、不満と怒りが渦巻いていた。
横山に対する嫌悪感と積もった悪感情が、何事も無かったかのように笑う彼を許せない‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<一筋の光>でした。
以前青さんのブログでご紹介されてましたが、横山が歌っている歌はKARAの歌だそうです^^
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[KARA] Pretty Girl [HD 1080p]
「お前が歌うな!」という青さんの怒り、ごもっとも‥!
さて‥イタチは一筋の光の先を見ることは出来るのか‥?!
次回<消える光>です。
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引き続きキャラ人気投票も行っています~!
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なんとか自宅へと帰り着いた横山翔は、未だに痛む目を押さえて悶絶していた。
アイスノンで冷やしてはいるが、瞳は真っ赤に充血し、瞼は倍以上に腫れ上がっている。
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横山はPCの前で目を押さえながら、赤山雪のことを思い出し苛立っていた。
赤山になら、ハエ共が居ないところで話をつけれると思ってたけど‥。クソッ‥まだ痛ぇ‥。
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横山は霞む目をこじ開け、以前自分の写真がアップされていた掲示板を開いた。
しかしそこには、何も載ってはいない。
「あれ?」
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そこには写真どころか、スレそのものが無くなっていた。
”このスレは削除されました”と、そっけないメッセージが画面に現れるだけだ。
「スレが無くなってる‥?なんだぁ?全部消したってのか‥?」
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予想外の事態の展開に、横山は拍子抜けした。
しかし時間が経つにつれ、腹から笑いが込み上げてくる。
「はっ‥ははっ!やっぱそーだよな!!やっぱり顔写真まではビビって上げらんなかったか。
ざまーみろ‥」
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横山はニヤリと笑いながら、一筋の光をそこに見出した。
まだ自分が返り咲くチャンスはある‥。
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横山は一人、これからの計画を口にする。
「そうだ‥まだ遅くない。青田の奴が浮気してる証拠をもっと集めよう。
それだけでも明るみに出れば、学科の皆もまた俺の元に戻って来る‥」
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イタチは狐の弱点を足がかりにして、再び自分の地位を築き上げる方法を考えていた。
口だけだった去年とは違うぜ。今度こそちゃんと証拠を突き付けてやる。
負け犬共は俺のことを浮気者だ何だと言うだろうが、他の奴らはどうだ?
俺のこと、かえって二人の女を虜にさせたデキる男だと思うっつーの。
学科生全員っつったってせいぜい200ちょっとだ。そいつら全員に分かってもらわなくたって全然オッケー。
適当にあしらって大学生活送りゃいい‥。
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覚悟は決まった。横山は頭の中で、それを実現する計画に思いを馳せる。
まずは青田の行ってる会社に、証拠集めに行って‥。
ポスターでも作って、それを壁一面に貼り付けるか?それか、アイツの会社前で公開処刑するか?
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そしてそれが成功すれば‥
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横山の脳裏に、項垂れる淳と悲しげに泣く雪の姿が浮かぶ。
やがて二人は別れ、赤山は自分のところへと泣きついて来るだろう。
「横山、私が悪かったわ‥!」
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しかし横山は、無慈悲にも縋り付かれた腕を振り払う。
「テメーみてーな女、もう要らねーんだよ」
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翔の言った通りだぜ。 青田ってば公共の敵だな。 赤山かわいそーにw
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目に浮かぶようなその喜劇に、横山の口角は歪んだ。腫れぼったい瞼の下で、その瞳は爛々と光っている。
その一筋の光の先に、輝く栄光の座があることを確信して‥。
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俺に出来ないことは無いと、横山は自分に向かって自信たっぷりに口にした。
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翌日、横山は自信たっぷりの表情で大学に登校した。
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♪堂々と~歩いて行こう~♪
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今流行りのアイドルの歌まで口ずさみながら、横山は堂々と前を向いて歩いて行く。
そんな横山に、直美や雪は冷ややかな視線を向けた。
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しかし横山はそんなものは痛くも痒くも無いという具合に、堂々と皮肉な笑みを彼女らに返す。
腰に手を当ててふんぞり返る横山に向かって、堪らず彼女らは声を上げた。
「あのクソ男!マジムカツク!」 「失せろ!!」 「うっわ‥なにアレ?」 「バッカじゃないの!!」
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しかし、女子達から総スカンを食らわされている現状には目もくれず、横山は近くに居た男子達に声を掛けた。
「おーいみんな!ちょっと話あっからさ、メシ食いに行こーぜ!」
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男子達は突然近付いて来た横山に初めこそ懐疑的な視線を向けていたが、
横山が「出来るだけ人数集めてよ。俺が奢るからさ」と言うと喜んで了承した。
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一同は普段食べに行けない高級ステーキ店をランチの場所に選ぶと、辺りに居た男子全員に声を掛けていく。
「行こうぜ行こうぜ!」 「おーいメシ行くぜ!こっち来いよ~」
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後輩や同期に声を掛ける男子達の群れの中に、「タダ飯~」と言って柳瀬健太も紛れ込んだ。
横山翔御一行は彼を中心に、賑やかに店へと移動して行く。
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雪達三人は、その様子を見ながら顔を顰めていた。
昨日横山の写真が上がったスレを消した途端、彼は上機嫌であの有り様だ。
「なんだか予想どおりですネ。女子は切り捨てて男子を集める‥」
「虚勢よ虚勢!強がってるだけ!」 「無視無視」
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調子良く笑い声を上げる横山の横顔を睨みながら、雪と太一は会話を重ねる。
「無駄なことを重ねたって、無意味だっつの」
「あんなことしたって自分の首を絞めるだけなのに‥本人だけ気付いてない」
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太一の眼差しは、ニヤニヤと笑う横山を射続けている。
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太一の胸の中に、不満と怒りが渦巻いていた。
横山に対する嫌悪感と積もった悪感情が、何事も無かったかのように笑う彼を許せない‥。
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<一筋の光>でした。
以前青さんのブログでご紹介されてましたが、横山が歌っている歌はKARAの歌だそうです^^
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[KARA] Pretty Girl [HD 1080p]
「お前が歌うな!」という青さんの怒り、ごもっとも‥!
さて‥イタチは一筋の光の先を見ることは出来るのか‥?!
次回<消える光>です。
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本家のあの最後の台詞を含む記事がここに上がるのは、実はわずか11日後なのです‥!
その前に本家の更新がありますので、それを読んだ上で解釈して載せるつもりです‥!
いつも応援して下さってありがとうございます。これからもどうぞご贔屓に‥!^^
同調してくださったとにきちさんやささみさんのコメから察するに、あのセリフはそれまでの会話とはつながらないのですね…気になりつつ訳もできなかったので、それがわかっただけでもとてもありがたいです。
もはや師匠の解読なしには読んだ気にならないですが、読み返すたびに感銘を受けますね。皆様のコメントも含めて…改めてこのブログの存在に感謝する毎日です。
スレが消えて、雪に感謝して心を入れ替えるどころかそこからまた返り咲きを狙うあたりに横山の救いの無さが見て取れますよね‥^^;
そして健太‥あれだけ横山に見下されてたのにまだホイホイついていくとは‥。鈍いやら何なのやら‥ですよね、ホント‥。
めぐさん
ふふ^^もういい加減読者は横山にげんなりなので、即答で彼の未来を暗示させて頂きました(笑)
青さん
これはそんな前の曲なのですか!KARA復活のタイミングで‥と仰っていたので、最近の曲だと思っていました‥!しかし前向きなキュートな曲!可愛い女の子のみが歌って許される曲ですね‥。
りんごさん
同意‥!
CitTさん
あ~なるほど!横山は自分と同じ台詞で雪に勝ちたいわけですね。ちょっと青田イズム入ってますかね‥?^^ついでに平井和美イズムも‥。
雪の台詞を横山と同じにしておきます~!ありがとうございました!
小春さん
横山の外見をキモオタ風に書かなかった分、作者さんには良心があったと思われますよね‥。中身はホントもう‥やばいですが‥^^;
これから転落劇が始まりますよ~
とにきちさん
はじめまして!コメありがとうございます。
本家を早くも訳されているとは、猛者‥!
最後の台詞は何通りかの意味で受け取れ、私もそこが分かりかねているので、とりあえず来週を待とうと思います^^;
どんぐりさん
横山、女子から総スカンですな‥。
直美にしたらムカッとくるでしょうね~。
それでも横山の転落劇まであと少し!カウントダウンです!
ささみさん
はじめまして!コメありがとうございます。
ツイッター検索までなさるとは、猛者‥!
確かに本家のコメでは祭り状態で、誰もその不穏な陰の存在を匂わせていませんね‥。
とりあえず来週を待ちましょう!
毎日楽しみにブログを拝見しています。
私もとらまるさんやとにきちさんと同じく、本家最後の台詞の意味がよくわからず
気になって気になって仕方なかったので、ツイッターで検索までしてしまいましたw
本国の方の反応を見ると、そんなにネガティブな意味でもないのかな~?と、
ザワザワしていた気持ちがちょっと落ち着いてきました…
師匠さんの解釈がどうなのか、とても気になりつつ更新まで楽しみにさせていただきます…!
突然のコメント、失礼いたしました。
>「うっわ‥なにアレ?」 「バッカじゃないの!!」
こう言いたくなる女子達の気持ちに同感ですよ。ゲゲッてな感じですね、これは。分かりますよ。
それに何ですかね、お粗末な返り咲き計画。逆におめでたい・・・。いや、ここまで来るとホント、哀れですねぇ。だいいちハエとはアンタのことですよ。あー、鬱陶しい・・・。
あと数時間で<消える光>! それを読んでスカッとしたいです!
毎日更新を楽しみにしています。
とらまるさんのコメを見て初コメさせていただきます。
私もとらまるさんと同じく、昨日の本家版を最後まで翻訳してから胃が痛いです。
最後の台詞が分かるまではウハウハだったのに…
今日もずっと考えて、頭の中ぐちゃぐちゃです。
同じ思いの方がいた事に嬉しく思い、コメさせて頂きました。
初コメがこんな内容で申し訳ありません。
私の想像と、師匠の解釈が同じか、ドキドキしながら更新を待ちたいと思います。
これ次回でどんでん返しがあるんですよね??
韓国語は性別による一人称の分けがありませんから。
「僕」も「私」も「俺」も全部「ナ」でしょ。
つまり、やり返したいんですよ、こいつは。なんと迷惑な思考回路。
てかこいつの頭の中じゃ青田先輩の浮気はもう決まってる事ですし。
ちなみにPretty Girlは2008年の曲なので、現役ガールズグループの歌ではありますが、ちょっと古めのチョイスです。いずれにせよ、キモ男が歌っていいものではありません。笑
>次回<消える光>です。
即答感がツボって朝からフフッとさせて頂きました♪
だから正攻法無意味なのに
まあデジタルなので直ぐにまた再度アップ可能とか考えもしないよこやまの哀れなこと
そして健太先輩
ほんと情けない
おごられるならホイホイ着いてくのな
まあモブたちは総じて極端に流れ勝ちですが