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原発事故関連死(49)ストレス 仮住まい 慣れない環境 入居後も体調戻らず 東の空に「古里」を思う

2013-12-17 09:57:38 | 日記
福島民報より転載
原発事故関連死(49)ストレス 仮住まい 慣れない環境 入居後も体調戻らず 東の空に「古里」を思う


進さんの遺影の周りには、スナップ写真がにぎやかに並ぶ
 富岡町から郡山市南一丁目の仮設住宅に避難している無職関根富子さん(66)は夫の進さん=当時(72)=の遺影を見て、ある言葉を思い出した。「おい、とみ(富子さん)。俺が死んだときの写真を撮ってくれないか」。急性脳梗塞で倒れる平成23年12月の1カ月ほど前、突然切り出してきた。自らの死期を悟ったかのような口ぶりだった。
 居間の壁を背に、撮影した1枚を見た進さんは「何だか、さえねぇ顔だな」とつぶやいた。普段と違う自分が映っていた。くすんだ顔色に違和感があった。遺影には長女の結婚式で撮った10年前の写真が使われた。

 「避難所の生活は張り合いがなかった。体調が優れないんだ」。仮設住宅に移って5カ月ほど経過した23年11月、進さんは体力を回復させようとサイクリングを続けていた。
 東京電力福島第一原発事故の発生以降、進さんが一時帰宅したのは1度きりだった。自宅はJR夜ノ森駅のすぐ西側にある。広々とした居間で、のんびり過ごすのが好きだった。「山を何個越えたら、家に着くかな」。時折、自宅がある方角の東の空を眺め、寂しそうにつぶやいていた。
 望郷の念は日に日に増した。「古里と仮設住宅暮らしは違いが大きすぎる。ストレスがたまり、体が弱ってしまったのではないか」。富子さんは当時の夫の気持ちを推し量る。
 12月6日は冷たい風が強く吹いていた。昼ごろ、進さんはいわき市のおいに手紙を出すため外出し、帰り道で仮設住宅脇のスロープの手すりに倒れかかった。顔をぶつけた衝撃で右目の辺りが青黒く腫れ、歯は抜け落ちた。郡山市の病院に救急搬送された。入院当日、問い掛けにかすかに応じ、手を握り返す力もあった。しかし、次の日から意識がなくなった。 それから約5カ月が経過した24年5月。いつものように看病を終え、富子さんは仮設住宅に向かっていた。携帯電話に病院から連絡が入った。「すぐに来てください」。病院へと急いで戻ったが、既に息を引き取っていた。「あれほど古里に帰りたがっていたのに...」。長年連れ添った夫の思いを考えると悔しくて仕方がなかった。

 進さんの仏壇の周りには、写真がにぎやかに並ぶ。富子さんと両足が不自由な長男の進一郎さん(43)が、この1年半ほどの楽しかった思い出を収めたスナップばかりだ。仮設住宅の暮らしは自宅に比べれば、手狭で不便だ。
 しかし、2人にとって仮設住宅の仲間らとの触れ合いが支えになっている。つらい避難生活の中でも前を向かせてくれる。
 事故が起きた福島第一原発は、汚染水漏れなど問題が次々に発生し、心の中には不安が渦巻く。「元の暮らしを取り戻すことはできるのだろうか」
 同じ仮設住宅では望郷の念を抱きながら、年老いていく人がいる。最近、敷地内で救急車のサイレンが毎日のように聞こえる-。「こんな避難生活が長引けば、体調を崩す人は増えるばかりだ」。富子さんは感じている。

(2013/12/16 11:14カテゴリー:原発事故関連死)


東電が水中ポンプ増設検討 核燃料プール内砂塵排出

2013-12-17 09:31:47 | 日記
福島民報より転載
東電が水中ポンプ増設検討 核燃料プール内砂塵排出
 東京電力は福島第一原発4号機の使用済み核燃料プール内にたまった砂塵(さじん)をプール外に吸い出す水中ポンプの増設を検討している。16日、福島第一原発で実施された県廃炉安全監視協議会の現地調査で東電が明らかにした。
 水素爆発の影響でプール内にたまった砂塵は、燃料取り出しの際に水中で舞い上がるなどし視界不良の原因となる可能性がある。東電によると、最初の燃料取り出しで、燃料を燃料輸送容器(キャスク)に移動する際にプール内の水が濁ったが、水中ポンプで砂塵を吸い出すことで対応できた。燃料取り出しは水中カメラで確認しながら作業をしているため、今後も水中の視界が悪化した場合に備えてポンプを追加する方針という。
 同日、県廃炉安全監視協議会は4号機の使用済み燃料プールや燃料を保管する共用プールなどを視察。作業の現状などについて東電から説明を受けた。渡辺仁県原子力安全対策課長は「手順通り慎重に作業が進められていることが確認できた。引き続きリスクの再検証をしながら緊張感を持って取り組んでほしい」と呼び掛けた。
   ◇  ◇
 東電は16日現在、燃料110体の取り出しを完了。年内に132体を取り出す予定としている。


( 2013/12/17 08:47 カテゴリー:主要 )


使用済み燃料の取り出しをしている4号機の核燃料プール(代表撮影)


貯蔵タンクエリアの雨水対策を視察する専門委員ら(代表撮影)

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