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青森・おいらせ、津波避難タワー計画 「高コスト」復興庁変更迫る 町、交付金期限に焦り

2014-05-30 06:27:07 | 震災

          湖北新報より転載

青森・おいらせ、津波避難タワー計画 「高コスト」復興庁変更迫る 町、交付金期限に焦り

避難スペースまで8メートルの高さがある千葉県旭市の津波避難タワー

 東日本大震災の復興交付金を活用し、青森県おいらせ町が建設を計画している津波避難タワーが、復興庁から大幅な見直しを迫られていることが29日、分かった。高コストの鉄筋コンクリート製から、鉄骨造りに変更するよう「待った」をかけた形。復興交付金の期限が迫り、町は「時間切れになりかねない」と危機感を募らせる。

 町によると、タワーは百石漁港と隣り合う川口地区周辺の平野部に1基整備する。高さ20メートル以上で、上部に約100人が宿泊できる居室とエレベーターを備える。総事業費は約6億6000万円で本年度着工。2015年度完成の予定。
 ことし3月、復興庁青森事務所が「岩手や宮城のタワーは鉄骨で費用を抑えている。岩手県久慈市は高さ10メートルで約1億円。収容人数が大きいとはいえ6億円は高額。鉄骨でお願いしたい」と再考を求めてきた。
 建設地では最大20メートル超の津波が予想され、久慈市の倍近い高さが必要で、鉄骨でも約4億円は掛かる。町は地震時に使えないエレベーターを削り、機能を避難用に限定。鉄筋製で、鉄骨と同じ4億円程度まで圧縮させた。
 しかし、さらなる経費削減を求める復興庁との溝は埋まっていない。町幹部は「これ以上どうしたらいいのか右往左往している状態」とこぼす。
 復興交付金の事業は、集中復興期間の15年度末までに完了させるのが原則。政府は被災自治体の復興事業の遅れから交付期限の延長を検討中だが、現段階では未定。10月までに設計を申請できなければ、事業そのものが頓挫しかねないという。
 復興庁青森事務所は「高額でも理由があれば待ったをかけるものではない。建設場所を含め避難計画を見直すなど、費用を削減できる方法を検討してほしい」と話す。
 町まちづくり防災課は「建設地変更は用地取得に掛かる時間を考えると難しい。遅くとも6月中に方針が決まらないと、時間的に間に合わない」と焦りを隠さない。


[津波避難タワー]津波の浸水想定区域で、逃げ遅れた人が避難できるよう、鉄骨などの構造物の上部に階段で上れる避難スペースを設ける。復興庁によると、東北ではおいらせ町のほかに青森県八戸市で1基、久慈市で1基、宮城県石巻市で4基が計画されている。事業費は設置場所や想定される津波の高さによって異なり、八戸市や石巻市は1基当たり約2億円を見込む。

 

2014年05月30日金曜日


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