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パーキンソン病の早期発見にパソコンのキーボードが活躍!? 実用化に期待!
2015/04/03 20:00
パーキンソン病の早期発見のためのパソコンのキーボードを活用するというマサチューセッツ工科大学の研究
脳内にある神経伝達物質ドーパミンの分泌量が減少で引き起こされるパーキンソン病は、40、50代以降に発症する人が多く、症状が進行すれば日常生活を自立して送ることが難しくなってしまう病気のひとつです。
手足の震えなどを症状とするパーキンソン病は進行が遅く、発症初期では本人も気がつかないケースもあることから発病してから診断が下るまで平均5年から10年もかかることもしばしばあるとされています。
「表情に乏しい」「手足がスムーズに動かせない」「手足が震える」などの初期症状が出ても、脳梗塞など他の疾患から引き起こされるものなのかどうかの判断がつきにくいとされていることが、早期発見が遅くなってしまう理由のひとつ。
そんななか、マサチューセッツ工科大学の研究者らによって、普段私たちがよく使う、パソコンのキーボードの打ち方でパーキンソン病の兆候を発見できるソフトを開発したという論文が科学誌「Scientific Reports」に発表されました。
同ソフトでは、パソコンに言葉を打ち込む際に、キーボードを押す時間のばらつきを計測。通常であれば各キーを押す時間は一定であるそうなのですが、パーキンソン病などによる運動機能障害の兆候がある方では、押す時間にばらつきが出てきます。このことを利用し、パーキンソン病の兆候を早期発見することにつなげられるというのです。
今後は、同ソフトの仕組みを応用してスマートフォンでもパーキンソン病の早期発見検査ができるアプリの開発を進めていく予定になっているそうですから、日本でも使えるようになるまでにそれほど時間はかからないかもしれません。日常的に使っているという方の多いパソコンが利用できれば、気軽にパーキンソン病の予備診断が自分でできるようになることは言うまでもありません。
パーキンソン病の治療にあたって、早期発見や早期治療はとても大切。初期症状では日常生活にそれほど支障がないことを理由に病院に行かない人もいらっしゃるかもしれませんが、多くが3年目くらいから歩きにくさなどの不自由を感じ、10年目くらいから介助が必要になるケースが多いそうです。
早期に治療や生活スタイルの改善などを行うことで、パーキンソン病の進行スピードを遅らせることもできますから、初期の段階できちんと治療ができるよう、ソフトのリリースを待たずとも、「もしかして… 」と思った方は、医師に早めに相談しましょう。