信濃毎日より転載
統一地方選 政権審判の意味もある
04月03日(金)
県内で統一地方選挙がきょうの県議選告示を皮切りに始まる。
後半戦では9市町村長選と34市町村議選が行われ、舌戦が繰り広げられる。
統一地方選は、地域が抱える課題や将来像を論議する機会だ。同時に、国政とも密接に関わることを忘れずにいたい。
安倍晋三政権は今回の選挙結果を、自衛隊の海外活動を質量ともに拡大する安全保障法制整備の推進力にするとみられる。
第2次政権が発足して2年余りの間、首相は「経済最優先」と訴え続けてきた。その一方で国民の「知る権利」を狭める特定秘密保護法の整備や集団的自衛権の行使容認など、安保政策の大転換を強力に進めてきた。
首相は統一選で「地方創生」や「経済再生」などの看板政策を掲げる。そればかりに目を奪われず、平和憲法に裏打ちされた戦後の歩みを変えようとしている安倍政権の姿勢や取り組みを評価するか、しないかをも審判するつもりで投票に臨みたい。
国政選挙で連勝してきた安倍政権は今回の統一選を「政権奪還の総仕上げ」と位置付けた。選挙後の5月中旬に、集団的自衛権の行使容認などに法的根拠を与える安保関連法案を国会に提出することと関わっているようだ。
自民党と公明党は安保法制の骨格について合意したものの、突っ込んだ協議は統一選の前半戦が終わった後に先送りした。法制の中身に対する反発を避ける狙いなのだろう。統一選に勝てば、首相は信任されたとアピールできると踏んでいるのではないか。
昨年12月の総選挙もそうだった。主要な争点にしなかったにもかかわらず、勝利した後に集団的自衛権の行使容認が信任を得たとの認識を示している。
一方の野党はどうか。存在感は相変わらず薄い。安保政策をはじめ、国政の重要テーマで与党との違いが分かるように、明確な対抗軸を示すべきだ。
来年夏の参院選は、首相が悲願とする憲法改定が近づくか、遠のくかを占うものになる。各党は統一選で参院選に向けた足場固めができるかどうかも試されるだけに重い意味を持ちそうだ。
安保問題だけでなく、原発再稼働や首相の経済政策「アベノミクス」の評価、広がる格差、政治とカネ問題など、有権者が地方から問うべきテーマは多い。選挙離れの傾向が強まっているけれど、日ごろ感じている政治への問題意識も1票に込めよう。
統一地方選 政権審判の意味もある
04月03日(金)
県内で統一地方選挙がきょうの県議選告示を皮切りに始まる。
後半戦では9市町村長選と34市町村議選が行われ、舌戦が繰り広げられる。
統一地方選は、地域が抱える課題や将来像を論議する機会だ。同時に、国政とも密接に関わることを忘れずにいたい。
安倍晋三政権は今回の選挙結果を、自衛隊の海外活動を質量ともに拡大する安全保障法制整備の推進力にするとみられる。
第2次政権が発足して2年余りの間、首相は「経済最優先」と訴え続けてきた。その一方で国民の「知る権利」を狭める特定秘密保護法の整備や集団的自衛権の行使容認など、安保政策の大転換を強力に進めてきた。
首相は統一選で「地方創生」や「経済再生」などの看板政策を掲げる。そればかりに目を奪われず、平和憲法に裏打ちされた戦後の歩みを変えようとしている安倍政権の姿勢や取り組みを評価するか、しないかをも審判するつもりで投票に臨みたい。
国政選挙で連勝してきた安倍政権は今回の統一選を「政権奪還の総仕上げ」と位置付けた。選挙後の5月中旬に、集団的自衛権の行使容認などに法的根拠を与える安保関連法案を国会に提出することと関わっているようだ。
自民党と公明党は安保法制の骨格について合意したものの、突っ込んだ協議は統一選の前半戦が終わった後に先送りした。法制の中身に対する反発を避ける狙いなのだろう。統一選に勝てば、首相は信任されたとアピールできると踏んでいるのではないか。
昨年12月の総選挙もそうだった。主要な争点にしなかったにもかかわらず、勝利した後に集団的自衛権の行使容認が信任を得たとの認識を示している。
一方の野党はどうか。存在感は相変わらず薄い。安保政策をはじめ、国政の重要テーマで与党との違いが分かるように、明確な対抗軸を示すべきだ。
来年夏の参院選は、首相が悲願とする憲法改定が近づくか、遠のくかを占うものになる。各党は統一選で参院選に向けた足場固めができるかどうかも試されるだけに重い意味を持ちそうだ。
安保問題だけでなく、原発再稼働や首相の経済政策「アベノミクス」の評価、広がる格差、政治とカネ問題など、有権者が地方から問うべきテーマは多い。選挙離れの傾向が強まっているけれど、日ごろ感じている政治への問題意識も1票に込めよう。