東京新聞より転載
首相のプレゼン発言「国が違うみたい」 福島からの避難者 開催決定も複雑
2013年9月10日
「国が違うみたい」。安倍晋三首相の国際オリンピック委員会(IOC)総会でのプレゼン発言をめぐり、福島県から県内で避難生活を続ける被災者からは、こんな憤りの声が相次いだ。
首相はプレゼンで、福島第一原発の汚染水問題について「状況はコントロールされている」と明言した。
しかし、首相発言に対し、南相馬市から柏市に避難する女性(63)は「コントロールできているなんて信じられない」とあきれる。「原発事故から二年半たっても福島は止まったまま。七年後に東京は整備されても、何か進むのか。同じ日本でも国が違うみたい」と話す。
浪江町から柏市に避難する猪狩弥市さん(66)も「(首相は)福島のことを知らない。浪江町に行けば分かる」と、首相発言に強い違和感を抱いた一人だ。浪江町では一部で除染作業が始まったが本格除染はまだといい、「戻って生活できるようになるのか。全国に散らばった人たちが住めるようにしてほしい」と訴える。
富岡町から習志野市に避難する男性(80)は、五輪開催自体は「国の繁栄には必要なことで賛成」としながらも、「七年後にはきちんと開催できるよう、(福島の)状況の改善を期待する」。避難生活が続く人たちは、口々に「いつ帰れるかも分からないのに」と五輪決定にも複雑な表情を見せた。
県によると二日現在、県内に少なくとも四千三十一人の避難者が暮らし、うち福島県からは三千三百九十六人と84%を占めている。 (三輪喜人)
首相のプレゼン発言「国が違うみたい」 福島からの避難者 開催決定も複雑
2013年9月10日
「国が違うみたい」。安倍晋三首相の国際オリンピック委員会(IOC)総会でのプレゼン発言をめぐり、福島県から県内で避難生活を続ける被災者からは、こんな憤りの声が相次いだ。
首相はプレゼンで、福島第一原発の汚染水問題について「状況はコントロールされている」と明言した。
しかし、首相発言に対し、南相馬市から柏市に避難する女性(63)は「コントロールできているなんて信じられない」とあきれる。「原発事故から二年半たっても福島は止まったまま。七年後に東京は整備されても、何か進むのか。同じ日本でも国が違うみたい」と話す。
浪江町から柏市に避難する猪狩弥市さん(66)も「(首相は)福島のことを知らない。浪江町に行けば分かる」と、首相発言に強い違和感を抱いた一人だ。浪江町では一部で除染作業が始まったが本格除染はまだといい、「戻って生活できるようになるのか。全国に散らばった人たちが住めるようにしてほしい」と訴える。
富岡町から習志野市に避難する男性(80)は、五輪開催自体は「国の繁栄には必要なことで賛成」としながらも、「七年後にはきちんと開催できるよう、(福島の)状況の改善を期待する」。避難生活が続く人たちは、口々に「いつ帰れるかも分からないのに」と五輪決定にも複雑な表情を見せた。
県によると二日現在、県内に少なくとも四千三十一人の避難者が暮らし、うち福島県からは三千三百九十六人と84%を占めている。 (三輪喜人)