u t a u k u j i r a
詠う鯨 - Whale that sings -
稲田神社伝 5
2020-03-26 / 徒然
前回からの続き。
「おウチ作ってほしいのね。」
「は? おウチ・・・ 社(やしろ)でございますか?」
「そう。私,ゆるキャン△派だし,このへん暑くもなく寒くもなくイイ感じだから,おウチなくっても全然いいんだけど。スサノオ君もアウトドア派だし。」
ちなみにアマテラス叔母さんは太陽神なのに超インドア派です。
「でもねー パパとママがたまに遊びに来るんだけど,野宿はやっぱりキツいって。それに若い娘が夜,外でウロウロしているのはアブナイって言うしね。 そんなわけで,オネガイきいてくれる?」
新治国造さんは考えます。
(神社を作るとなると,それなりにおカネがかかるなぁ 今年の予算大丈夫だっけ? でもなぁ 『じゃあ別の人当たる』といわれて他の地域に行かれてしまうと大変なことになりそうな・・・)
それは大変なことになります。魑魅魍魎,悪鬼羅刹が跋扈すれば治安が悪化,天候不順となれば作物の収穫量が激減して税収が大幅ダウン,疫病が蔓延すれば医療費が増大してしまいます。
その結果,この地域は財政再建団体に指定され朝廷直轄地化,新治国造さんはリコールされてしまうでしょう。
「わかりました! 作ります! やらせていただきます!」
「あとね,私小麦よりお米派だから,ここの美味しい沢水使ってお米を作って,『お供え』してくれるとウレシイな」
「はい! おまかせください!」
「じゃ,ヨロシクねー」
クシナダは光の中に消えていきました。
それから,新治国造さんは張り切って神社を創建しました。
「さて,出来上がったからには看板をかけないと。えーっと,あの方はイナダさま? だったよな? 田んぼで稲作れとも言っていたし」
こうして神社の名前は「稲田神社」となりました。
稲田神社創建の経緯は以上だ(一部独自解釈あり,大事なことだから2回言っておく)
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