稲田神社伝 4

前回からの続き

<ケース3 安倍晴明の場合>


安倍晴明は筑西市明野地区で生まれました。生まれについては諸説あるようですが,地元には『安倍晴明生誕の地』のがあるので間違いありません。(晴明橋公園 参照)
晴明はここで陰陽道の修行に励んでいました。歴史の表舞台に出て来るのは40歳近くなってからですが,それまでは関東は筑波山の麓の片田舎で暮らしていたので当然です。
ちなみに母親が白狐の葛葉ということもあり,二十歳を過ぎた頃には不老不死を獲得しています。

「修行を始めてン十年,かなり能力(ちから)もついたと思うし,式神も自在に操れるようになったかな。でも次のステージに上がるのにはもう少し経験値を獲得しないとなぁ・・・ ドラゴンを狩れれば一気にHPもMPも上がるけど,この辺にはたまにスライムクラスが出るだけだし。」

日本史上最強・最凶のドラゴン,ヤマタノオロチはスサノオがバラバラにしてしまいました。それ以来,ドラゴン業界には『日本にはやっべードラゴンスレイヤーがいる』が広まり,活動の場はヨーロッパになってしまったのです。

「さて,どうしようか・・・ ん?」
晴明,北方向に膨大かつ神々しいパワーを感じました。
「今まで修行に夢中で気づかなかったけど,なんだ,このパワー? 調べてみるか,行け! 式神」
晴明は式神を偵察に飛ばしました。そして式神を通して見たものは

「うわ! クシナダ姫かー! そうか,そりゃあ悪霊とかいない訳だ。つーか,この辺完全に安泰じゃね? 私の活躍の場ないわ」
平和が一番,ラブ&ピースですが,それでは晴明の力は埋もれてしまいます。

「どうしようか・・・ そうだ京都に行こう 平安京は魑魅魍魎で凄いことになってるみたいだから,私の力は存分に振るえるハズ。道中母上に会えるかもしれないし。」

こうして晴明は平安京で陰陽師として大活躍し,その後,85歳くらいのときに(見た目は二十歳くらいのニーチャンで)異世界に召喚され,イエス・キリストと対峙することになるのですが,それはまた別のお話。


さて,新治国造さんがクシナダに面会している場面に話を戻します(長かったな)。
「私,これからもこの辺の守護神としてがんばっていこうと思っているんだけどね」
「は,はい,よろしくお願いします」
「そのかわりにね,オネガイがあるんだけどなー」
(続く)

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