Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

月夜の晩に火事がいて

2005-09-26 09:40:50 | 読書
ネタばれご注意.

近頃新幹線でミステリを読む機会が多い.「ミミズク...」で味をしめて,同じ作家(芦原すなお)の長編を賞味した.創元推理文庫.2005年1月刊のこのタイトルを今年初め書店で見かけたときは「火事がいて」というへんな日本語に抵抗があって手に取らなかったのだが,読了して,今ではこのへんな日本語(方言)に愛着している.
おもな登場人物は旧家の家系図にくくられ,童謡(というより,餓鬼のはやしことばといった方が正確)に従って事件が起こる...というと,クリスティか横溝かという感じだが,探偵は妻に死なれ,しょっちゅう気絶ばかりしているだめ男.そのぶん女性がパワフルで,イミコさんの文法もおもしろい.

いまや都会でシティボーイ化した探偵が,故郷のおどろおどろしい部分にたじろいでいたのが,しだいに自分探しに転じるあたり文学的.個人的には全共闘くずれの犯人に共感するが,一般の読者には必然性が感じられるだろうか.作者は全共闘世代よりはお若いようだが,身近にモデルになりそうな人物がいたのだろうか.
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和田誠の絵本の仕事

2005-09-19 08:47:38 | お絵かき
ふくやま美術館.
ぼくの場合展覧会は壁の長さを合計した距離を時速2km程度で歩く程度の時間で見終わってしまうのがふつうだが,このたびはその何倍かの時間がかかってしまった.

いろいろな技法のオンパレード.何冊かの絵本の原画では,モノクロの輪郭にトレーシングペーパーをかけ,そこに配色が指定してあった.しろうとだったら,色つきの絵を見なければ満足できないところだけれど.銅版画による「ねこのシジミ」には平野レミさんも登場.

このゴジラの絵は,和田さんのをお手本に描いたアクリルによるガラス絵.ただし展覧会とは関係ありません.
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ミミズクとオリーブ

2005-09-18 20:11:47 | 読書
田舎家の庭に和服に割烹着のおかあさんらしき人,縁側には所在なげなおとうさんらしき人というなんだかなつかしいカバーの絵につられて購入.芦原すなお著,創元推理文庫(2000).著者は「青春デンデケデケデケ」の直木賞作家.ちなみにデンデケデケデケは,ベンチャーズなんかのエレキサウンド.「青春...」の地方色がこの「ミミズク」にもすこし感じられるところがにくい.

探偵が話を聴くだけで事件を解決するという「安楽いす探偵もの」の定石にしたがった短編集.カバーのおとうさんらしかった人は作家さんで,この人の一人称で記述され,割烹着のおくさんが探偵役.二人の間に子供はない.ミステリとしては少々頼りないが,それをカバーそのままの,ほんわかとした雰囲気が補ってあまりあるようだ.もっとも扱われる事件には殺人もあるのだが,それでもほんわかムードがただよってしまうところが筆力というものだろうか.

ぼく的ベストワンは,こんなのありか! と思わせる「おとといのおとうふ」です.
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六番目の小夜子

2005-09-10 13:47:30 | 読書
駅弁ミステリというのは,列車の中で読むミステリのこと.赤川次郎・西村京太郎などがその代表的作者だ.このたびは恩田陸による標記1998初版の新潮文庫.カバー絵につられて購入.数年前,学生に読めといわれてそれきりになっていたのを思い出したが,先日新大阪広島間でほぼ読了.

出だしは「風の又三郎」みたいでかなり期待を持たせたが,残念ながら次第に荒唐無稽となる.にもかかわらず好印象.初めての作品とのことで,著者自身のあとがきによれば「こんなの二度と書けない,それでいて私らしいところは全部入っているなあ」とのこと.1992年に最初に発表されたものに大幅な加筆がされているとのことだが,最初のも読んでみたいなぁ.

先月は,こちらもおくればせながら,昨年度ベストワンの法月綸太郎「生首に聞いてみろ」(角川書店)も読みました.
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スティール・パン

2005-09-03 16:13:27 | 新音律
東京・西新橋Somedayで八尋洋一(b)セッションの801,メンバーは,平松加奈 violin、原田芳宏 steel-pan、仙道さおり perc.ほとんどが初めての曲で,曲順もソロ順もリーダーに従うというものだったらしい.プロはすごい.とはいえ,少々余裕のない演奏のようにも聞こえてしまいました.

ぼくのお目当てはスティールパン.ドラム缶のふたをたたきのばしてつくるらしい.写真に区画がみえますが,たたく区画によって音程がことなる.ドラム缶をたたく音を想像すると見事にうらぎられる.他に類のない音色で,時間的な減衰時間が長くシンセサイザーみたいだが,じつは「最後のアコースティック楽器」と言われているとのこと.りっばなメロディ楽器だが,パップに向いているかどうかは疑問.この夜はマイルスのAll Bluesも演奏してくれましたが,この編成であの編曲では,そういわれないとわからなかった.

なぜ,ドラム缶のふたでメロディが奏でられるか,もっか考察中.

写真はスティールパンの教室のホームページ
http://www.asuta-steelpan.com/lesson/
から無断で転載させていただきました.小さい写真のように,ホントにドラム缶から作るんですね.この教室のご近所の方はいちどのぞかれてはいかがでしょうか.
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reading

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