Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

大野俊三カルテット

2006-04-30 10:23:00 | ジャズ
大野俊三(tp)大西順子(pf)小山太郎(ds)佐藤慎一(b).広島流川SOHO 第一セット.
記憶が正しければ,Sea Breeze,さくらさくら,ほたる,First Step,かあさんのうた,村の鍛冶屋, Alone Together.
写真のポスターと異なり,この日の大西さんはJ子によればDKNYをご着用だったそうです.

オフィシャルサイト
http://www.shunzoohno.com/jp/
にも控えめに描いてあるが,大野さんは交通事故に遭ったり,ガンになったり大変だったらしい.演奏ではそんな気配はみじんも感じさせないところ,さすがプロ.

どの曲もアレンジが行き届いていて,p,bはA4を3-4枚横につないだスコアと首っ引き.なにやら複雑なリズムのドラムスとのfour barsの掛け合いでテーマが呈示される「村の鍛冶屋」が面白かった.「母さんが夜なべをして~~」はあっさり終わってしまった.渡米生活が長いと,こうしとた日本の曲を再発見するのだろうか.

1830開演の第1セットだったので あまり盛り上がらないのでは...と心配したのは杞憂だった.ベースが急に参加できなくなったダニー・ザンカーの代役だったので,昼からリハーサルをしていたせいもあるのかも.ダニー・ザンカーを知らないのだが,この日(限り?)の佐藤慎一さんの演奏には満足した.つぎの機会には大西さんをご自分のグループの演奏でも聴きたいデス.
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タフマインド度と音楽

2006-04-25 20:56:32 | 新音律
心理学者アイゼンク(Eysenck,Hans Jurgen 1916-97)は,人格を三次元でとらえたそうだ.それまで(1970年代まで)は内・外向性と神経症傾向の二次元とされていたところに、第3の基本次元として衝動のコントロール性(タフマインド度・精神病質傾向)を加えた.この第3次元は、冷淡さ、攻撃的衝動、反社会性、などに関する項目を含み、精神分裂傾向や非行、犯罪傾向などを予測するとされる.

彼のタフマインド度はわれわれがことばから連想するのとは違う意味のようだが,とにかくこのタフマインド度が高いのは若い男性に多いそうだ.さらに人格と音楽の好みの相関を分析すると(Rawlings 1995),タフマインド度が高い人は不協和音を好み,ロックやジャズが好きだそうである.

ちょっと皮相な見方のように思える.
「新音律」と称するある種の前衛音楽に参加してくれる面々は,不協和音志向,ロック・ジャズ志向だが,冷淡さ・攻撃的衝動・反社会性・精神分裂傾向・非行・犯罪傾向はうかがえない.好奇心が強く,「混濁併せ飲む」的太っ腹さという共通点はある.ついでだが音楽的には,演奏の技量とか,絶対音感の有無とは無関係に思える.
上記の分析はもっぱら音楽を聴く側が対象だが,ぼくたちは音楽を作る側に立っているという違いはあるかもしれないが...

全共闘時代には,バリケードのなかのジャズ等というのもあった.当時のジャズファンはタフマインドを持っていたのかもしれないが,いまジャズにかってのエネルギーはない.ロックもウッドストックあたりがピークだったのでは.と言うことは,この理論はすでに時代遅れと言うことだろうか.

参考書 谷口高士「音は心の中で音楽になる-音楽心理学への招待」北大路書房(2000).
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熊谷守一展

2006-04-23 10:59:46 | お絵かき
姫路市立美術館.「愛知県美術館所蔵・木村定三コレクションから」とのことだが,J子によれば同じ展覧会が最近愛知県美術館であったそうだ.前期後期で一部の作品の入れ替えがある.どうせなら常設展を休んで一挙に展示してくれればいいのに.

昭和天皇は熊谷守一の絵を子供が描いたものと思ったということだが,同じ構図で2枚書いたものなどを見ると,必然的にこういう絵になるのだと納得する.具象でも抽象でもなく,商業と無縁のデザインというのがぴったりかな.これは雨粒が水面に落ちているの図だが,ほかにも雨樋から雨水が出てくるの図など,何でもないことを絵にしてしまう.猫の絵など,骨格とか筋肉とかが手に取れるような感じ.でも油絵に比べると,日本画の方はどれも一気に書いたようで,躍動感が感じられる.見たとたんに笑えちゃうようなのも多数.

油絵は最初はキャンバスに描いていたのが,後に板に描くようになったようだ.ガラス絵も一点.どれも小さい絵で,公募展の100号以上主義をばからしく感じさせる.
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大阪府吹田市江坂 : ビルの谷間の田圃?

2006-04-13 11:37:56 | エトセト等
このところ月に一回の割で数日を江坂に泊まっている.研究室の学生さんは「あそこはがらが悪い」とのたまうが,寝に帰るばかりでいまのところ残念ながら,がらの悪さを享受していない.

写真右は一見選挙事務所のようだが,「宮本むなし」は定食屋でわが朝食どころ.朝がゆ260円.たまご・鮭とじゃこの二種類で,前者のほうがお値打ち感があるが,後者が美味しい.でも口のなかがにちゃにちゃするので,ついついスターバックスへ.本日のコーヒー・ショートのやはり260円は,朝がゆの後では高級感.ここは決まった時刻に行くと,決まってミルト・ジャクソンとウェス・モンゴメリのだらしなくもかっこいい演奏,吹き人不明のルビー・マィ・ディア,ビル・エバンスのピース・ピースがこの順でかかる.本社がCDを支給してくるのだそうだ.CD制作担当者は楽しんでいるなぁ.

さて左の写真はなんだか分からないでしょうが,金網越しに見るビルの谷間にあるのはびちょびちょの泥沼です.去年まではここが田圃でした.ことしも田植えをするかどうかが一大関心事です.
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紙魚家崩壊

2006-04-07 10:52:39 | 読書
北村薫著,2006年3月 講談社刊.
腰巻きに「待望のミステリ短編集! 優美なたくらみにみちた9つの謎」.このひとはまだミステリを書いているのかと危ぶんだが,噺家探偵ものの味が忘れられず,装丁にも惹かれて,ハードカバーを購入.

最近はミステリ評論的な著書が多いが,この本でいちばん長い「新釈おとぎばなし」は評論的小説.しかしこれがいちばんミステリらしかった.テーマはかちかち山だが,その前のアリとキリギリスに関するご高説は冗長.

「空飛ぶ馬」などの一連の作品を発表されたころは北村氏は名前だけの覆面作家で,ぼくらはその性別を話題にした.本書冒頭の「溶けていく」はホラーよりでぼくの好みではないが,女流の作品みたい.「白い朝」「蝶」などの甘い作品も.

「両手が恋をしている女と探偵との事件」シリーズの「紙魚家崩壊」「死と密室」の二作は,なんだかねー.
「サイコロ、コロコロ」「おにぎり、ぎりぎり」という韻を踏むタイトルがならんでいる.さいころをそんなふうに使う教師がいるわけないのだが,そこを小説にしてしまうのはさすが.おにぎりのほうは抵抗なく読めた.しかし読了後にある種の空腹感が残る本でした.
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reading

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