Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

CDケース絵展

2007-04-29 09:12:33 | お絵かき
CDの空きケースに裏から絵を描いている.
「ガラス絵」のガラスがアクリル樹脂にかわったもの.これは先日の若いお客さんの手みやげ.しばらくこうしたものを食べたことがなかったので,感激して J 子が写真に撮った.ケーキはお腹へと消えたが写真は残っていたので絵になった.

こうしたCDケース絵がたまったので,J子の油絵と半分ずつで,H島市のK谷町 (繁華街です!) で展覧会をすることにした.ビルの階段わきの廊下を利用した展示で,スペース借料なし.8月上旬の予定.ご来場下さい.絵はともかく,担当のお姉さん(Yさん)が美女です.

油絵のセットを結婚祝いにくれた変わった友人がいた.でたらめな絵を描いて,当時始まった日曜遊歩道で展示したことがある.ぼくの展覧会?はあれ以来.ただしJ子は2年前?に個展をやった.
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信時潔

2007-04-27 11:46:21 | 読書
新保祐司著「信時潔」構想社 (2005年初版)

発行時に話題になったのを覚えていたので,図書館で見かけたので借りた.写真が信時潔で,「海ゆかば」という曲の作曲者.この曲は戦前第二の国歌のような扱いだったが,「戦後的価値観」により封印されていたと著者は言う.これがラジオでは玉砕のテーマとして使われたと,どこかで聞いた気がするが,この本にはそういう記述はない.

著者はこの曲はバッハのコラールに比すべき深い曲だという.百読は一聞にしかず.ウェブを探して聞くことができた.歌手は藤山一郎のように思えた.歌詞が 7 行のためなんとなく収まりが悪い感は否めない.
「海行かば 水漬(みづ)く屍(かばね),山行かば 草生(くさむ)す屍,大君(おおきみ)の 辺(へ)にこそ死なめ,かへりみはせじ」
という歌詞に,短調でなく長調の曲というところが日本離れしている.しかも曲とがまったく一体化しているところは確かに名曲だ.
しかし,博物館に陳列されるのはいいが,日常生活に入り込まれてはかなわない歌詞である.

著者は軽薄派山田耕筰・対・重厚派信時潔という構図を作っているが,現代から見れば山田耕筰さえ十分重厚だ.また著者は現代音楽が嫌いらしい.
この本を読めば信時潔がいかに高潔な人格の持ち主であったかは理解できる.
しかし信時はこの曲が第二の国歌と扱われていた当時,また終戦後,この曲についてどう考えていたのだろうか.心中に葛藤があって当然と思うのだが,この本では触れられない.まあ信時のような明治の男は思ったことを素直に口にはしないだろうが.

信時に関する客観的資料は,信時潔のお孫さんによるホームページ
http://home.netyou.jp/ff/nobu/
にまとめられている.

信時と熊谷守一は互いの子供どうしが結婚したそうで,熊谷の文章にはときどき信時が登場する.信時が熊谷を紹介した文章も読んだが (別冊太陽「気ままに絵のみち熊谷守一」平凡社2005年7月),かるく熊谷をからかった感じもあって,なかなか良かった.
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レオナルド・ダ・ヴィンチ展

2007-04-25 09:17:46 | エトセト等
東京で午前中ひまをつくり国立博物館へ.
受胎告知が目玉と聞いて,なんで美術館でなく博物館なの?と思ったが,わかった.絵はこれ一点だったのだ.受胎告知はたたみ一畳くらいの大きさで,ひとでいっぱいのジグザグのスロープをのろのろ進みながら見る仕組み.第一会場はこれだけ.

第二会場では受胎告知のディテイルとか,視点を固定したときのバランスとかが示される.実物大の複製もあってゆっくり見ることができる.全体に万博の展示会場のようなみせかたで,主体はたとえばこのカット写真の,人体が大の字になったときと立っているときの中心の違いをアニメ化するなどの展示法.模型も豊富で製作者の苦労がしのばれる.領域も物理・医学・工学など広範で,まさに博物学.理科好きの高校生なら喜ぶだろうが,そしてかくいう私も喜んで見たが,しかし受胎告知めあてで来場した多くの方には不評だったのではないか.



この博物館では,「特集陳列・黒田記念館黒田清輝の作品」というのもやっていて,有名なこの「湖畔」という絵を見た.おなじ入場券ではいれるのに,こちらはダヴィンチ展と比べてがらがらだった.

東京ではスイカで地下鉄も私鉄もすいすいと改札口を通れるようになっていて,これもお上りさんには面白かった.1000円くらいチャージしておけばよかろうと思ったら,すぐ無くなってしまう.交通費って高かったんだなぁと実感した. 

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CD落語の案内書

2007-04-22 11:16:24 | 読書
矢野 誠一, 草柳 俊一「落語CD&DVD名盤案内 」大和文庫(2006年3月)

裏カバーによれば
---代表的な古典落語200題の「あらすじと落ち」を解説。さらに、入手可能な「名盤CD&DVD」を660チョイス。まったくの初心者から掘り出し名盤を探すマニアまで、落語ファンのすべてに贈る実用的落語事典---

地方に住んでいると寄席がないのがつまらない.
落語から遠ざかっているので,こういう本は眺めるだけで楽しい.この内容をこの厚さに押し込んだにしては良くできている.

自分はどうかというと,CDは100円のしか買ったことがない.そういうあやしいCDは残念ながら本書の対象外.ちなみに
http://www1.tcnet.ne.jp/y-take/kannkonn-1.htm
にはダイソーCDがおもしろおかしくレビューされている.

古典落語というのはクラシック音楽みたいなもの.クラシックのほうでは,ベートーベンの何番は誰のがどうだと言う本が山ほど出ているので,それにならったものだろう.あちらのほうでは相変わらずフルトヴェングラーだトスカニーニだと前世紀の巨人たちが幅をきかせているが,こちらもあいかわらず文楽・志ん生・円生だな.
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見ると,ジャクソンだった (うさぎおいしーフランス人)

2007-04-20 14:35:04 | 読書
kosuzumeさんが
村上春樹・安西水丸「村上かるた うさぎおいしーフランス人」文藝春秋 (2007年3月)
を送って下さった.kosuzumeさんのご評価は「思いつきの一人遊び.品のなさが最悪.暇つぶしの落書きは,お一人でお楽しみください」というもの.郵送料まで散財していただいて申し訳ないことだが,くだらぬ本は身辺にあるだけでもいやなのかと拝察している.

確かにくだらないが,ほかのまじめそうな著書と違うかといわれるとそうでもない.スペクトルの端のほうというだけのこと.何を書いても売れるようだが,HM氏に言わせれば,何を書いても売れるようになるまでの投資を考えてくれというところだろう.

かるたの「み」の項が「見ると,ジャクソンだった」だった.安西水丸のイラストが,写真の頃のジャクソンで,なかなかよい.
ところでこの寒い芋ジョーク,学生時代に聞いたことがある.他にもこの手の盗作 (と言って悪ければ,引用) があるんだろうか.でもたいていの人はMJQもミルト・ジャクソンも知らないだろう.見ると,ジャクソンなんて,おもしろくもおかしくも無いにきまっている.
ちなみに,他にマイルス,コルトレーン,モンク,サッチモなども登場.

トイレで座ってぱらぱら見るにはよい本だ.
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直島 (書き足し版)

2007-04-17 19:54:28 | エトセト等
ベネッセハウス
http://www.naoshima-is.co.jp/
に滞在。高いだけあって快適。外人が多い。外人の観光スポットらしい。美術館がふたつある.ひとつはホテルから500mくらい離れているか,朝から夜まで宿泊客は出入り自由で,美術館のレストランで朝夕食がとれるなど,ホテルと一体化している。学芸員のガイドも夕方5時からで,明らかに宿泊客向き.毎日交代でやっているせいか,とても話がうまい.レストランは質より量だが,外人向けなんだろうか。

客室に飾ってある絵も,どなたの作かは知らないが,鑑賞に堪えるものだ.BozeのCDラジカセはあるが,テレビがなくこれからどうして時間をつぶせばいいか思案中...と思ったら,引き出しの中にジャズをコンパイレーションしたCDが.冒頭はSing Sing Singだった.

もうひとつは地中美術館。靴を脱いで見るモネの睡蓮の絵が,この島で唯一の非現代アート.ただしこの睡蓮の絵も晩年の作品で抽象画みたい.はなれた村落には民家を使った家プロジェクト.地中美術館ともども,デイズニーランドを省エネ化し,芸術的かつ安上がりにしたような感じ。島にはつつじが満開だったが,写真でおわかりいただけるでしょうか.山の中腹の赤いぶちぶちです.

帰りのフェリーの時間がはんぱだったので港のcoopでうどんをたべた.昼前なのに満席.さすが四国だけあって,安くて美味い.ベネッセで泊まり合わせたおばちゃん組にも会った.



途中玉野市の日比というところに寄った。ちなみに日比はJ子の旧姓。日比小学校の校門で写真を撮った。これは日比中学校2年A組の標語.みなさんあいさつでこころを晴れにしましょう.
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尊厳死

2007-04-15 11:49:53 | エトセト等
尊厳死とは「不治かつ末期」という状態になったとき,延命治療をやめてもらい,安らかに,人間らしい死をとげることだそうだ.日本尊厳死協会
http://www.songenshi-kyokai.com/index.htm
というのがあって,リビング・ウイル (尊厳死させてくれと言う意志表明) を発行・登録・保管してくれるというので,年会費2000円を払って会員になることにした.

リビングウィルが書類化されていても,いざというときに惚けてしまうなどして,自分でそれを呈示できないことが心配.これを予防するには,ブログで公開するに限る.みなさん,そのときはよろしく私の息の根を止ることにご協力下さい.

写真に大きく写っているのは,延命措置を拒否して,さっさと死んだらしい植木等氏.
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ドレミを選んだ日本人

2007-04-13 20:42:18 | 新音律
千葉優子「ドレミを選んだ日本人」音楽之友社 (2007年3月).図書館で借りました.

いま巷に流れる音楽のほとんどが西洋音楽すなわちドレミのイディオムによる音楽である.それらは明治以前千年以上もかけて培ってきた日本の伝統音楽とは全く異なるものだ.私たちの耳はいつから日本の伝統音楽を異質なものと感じ,西洋音楽を快いものとして聴くようになったのだろう...というのがこの本の「まえがき」だ.

文明開化にともなって音楽も「洋高邦低」とされるあたりの記述は,膨大な資料に裏打ちされていて,音楽も社会の流れに流されたことがよく理解できる.CD・電波など音楽を実際に耳にすることができない状況で,上意下達で音楽が西洋化してしまうというのは凄いことだが,社会的にもこれを受け入れる状況があったのだ.

1985年に留学した伊沢修二の名前は本書で初めて知った.この,当時の愛知師範学校長が留学先のボストンで,音楽だけはどうにもならず,先生に見放されて「三日泣いて悲しんだ」すえ,一念発起して個人レッスンにより西洋音楽をマスターし,帰国後音楽教育に大きな役割を果たす.小学唱歌は彼が東西二洋,すなわち邦楽と洋楽を折衷させた結果であったという.

著者は宮城道雄記念館資料室室長とのことで,宮城道雄に関する記述が多い. 彼はドビュッシーやラヴェルが好きだったとか.もちろん邦楽の歴史も詳しく記述している.日本の音階について多少系統的な知識があったほうが読みやすいかも.
不可知論だが,今再現される邦楽と,明治以前の邦楽とは果たしてどの程度同じなのだろうか.現代の邦楽は西洋音楽に影響されているのではないかというのが,ぼくの個人的な疑問.
しかし,興味を持てたのはやはり小学唱歌以後,いまも唄われている歌の登場に関する記述だった.キーワードを列挙すると,蛍の光,バイエル,滝廉太郎,カチューシャの歌,赤い鳥,かなりや等々となる.

日本人が好むのは長音階の第4音と第7音を使わない「ヨナ抜き音階」だが,これにからめた本居長世,中山晋平,山田耕筰などが用いた音階に関する考察もおもしろい.
論文をそのまま単行本にしたような内容だが, 文章がカジュアルですらすら読める.もっともぼくは門外漢の特権で,データの羅列みたいなところは適当に飛ばしてしまった.索引がないのが不満.

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ヴァイブのマレット 2本と4本

2007-04-11 11:02:03 | ジャズ
ビブラフォンには2本奏法と4本奏法がある.代表的なところではミルト・ジャクソンは2本,ゲイリー・バートンは4本.

もう20年くらい前になるが,MJQの公演のお世話をしたことがあって,そのときミルト・ジャクソン氏に4本奏法について聞いてみた.この質問にムッとしたごようすだったが,こちらがスポンサー側だったせいか,「腕は2本なので2本持つのが自然である」とお答え下さった.「もっとたくさん音が欲しければ10本の指でピアノを弾けばよい」とも.ぼくはこのお説を守って4本奏法からは遠ざかっている.

ちょっとやってみると2本と4本では別の楽器のような印象だが,漫然と聞いていると分からない.ミルト・ジャクソンのプレイは音数が多く,ゲイリー・バートンのほうがあっさりしている.初めて聴いたのがミルト・ジャクソンで,いわば「刷り込まれ」が強烈だったためか,ぼくにはゲイリー・バートンは物足りない.ただし視覚的にはこれも何十年の昔,金髪長髪のゲイリー・バートンが,パイプにサイケな彩色をしたヴァイブを4本で叩くのを目にしたときは幻惑された.

この前野外でヴァイブを叩く機会があり,ギター・キーボードなどのエレキに頼るコード楽器が無かったので,3本ないし4本でコードを叩いてみた.どちらでどこを叩くというのをいちいち考える必要がある.たとえばC7(CEGBbの4音)は左手でCE,右手でGBbを叩けばいいのだが,Cm7(CEbGBb)だと,左手はCG右手はEbBbとしないとうまくいかない.ヴァイブではむこうにピアノの黒鍵に当たる音板,手前にピアノの白鍵に当たる音板が並んでいるため.

マレットの堅さによって音色が変わる.同じ堅さのマレットが4本そろっていないので,派手な音の2本を右手にしてみたり,その逆にしてみたり.ピアノのバックではベースと重ならないように,C7あるいはCm7のときはCは弾かないでその代わりメロディに使われているテンションを入れるべしというルールがあったなぁとも考える.コードはやめておかずをいれてみたり.ソロのときはじゃまな2本を放り出して2本でやる...
いつもはソロだけやってあとはあちこち歩き回ったりしているのだが,バックもやると忙しい.幸い雨が降ってきたので,もう止めようよと発言してしまった.

写真はわが家で.この方は初めてヴァイブに触れるくせに4本に挑戦.なかなかサマになっていたのに,すぐに飽きてピアノのほうに行ってしまった.
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絵具屋の女房

2007-04-09 15:29:22 | 読書
丸谷才一「絵具屋の女房」文春文庫 2007年3月

丸谷訳の「ユリシーズ」と「ボートの三人男」は,上質なユーモアのお手本のように言われているが,どこがおもしろいのかぼくには分からない.
でもエッセイは,伊丹十三のものくらい!?おもしろい.著者が歳をとって,サービス精神が出てきたのか (オール読物連載の単行本化の文庫化),それともこちらが歳をとって,なにがおもしろいか多少分かるようになったせいだろうか.ぼくは影響されやすいたちなので,旧仮名遣いで書いてみやうかなどといふ気になってしまふ (この書き方で良いのだらうか).

むかし「話の泉」というラジオ番組があったが,あんな感じでウンチクをウンチクにとどめ,深入りしないところがスマートだ.明治天皇も大正天皇も養子だったとは言うが,では次の次も養子にすればいいじゃないかとは言わない.そこがスマート.アメリカ国民の半数近くは天地創造説を信じている (1999年の調査の結果だそうです) とは言うが,それは戦前の日本国民が天孫降臨を信じていたのと同程度だとは言わない.そこがスマート.

和田誠のイラストもよい.タイトルの由来は分からない.
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