Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

アルフレッド・ジャリの不条理ブンガク

2012-04-30 08:41:57 | 読書
おとといのミロの版画「ユビュの幼年時代」に関連して,

Wikipedia によれば,ジャリの戯曲「ユビュ王」は,19 世紀末に一種の社会現象を引き起こしたのだそうだ.
ミロのほかに,エルンストもユビュの名のついた絵画を描いているそうだ.
ボナールは飼い犬に「ユビュ」,ステファヌ・マラルメは飼い猫に「ムッシュー・ルビュ」「マダム・ルビュ」と名付けたそうだ.

「ユビュ王」を読んだような気がするのだが,内容は全然覚えていない..

同じ作家の小説「超男性」の方は,自転車で機関車と競争したりするくだりなど,面白かった,と思う.邦題を英訳すればスーパーマン,と思うとおかしい.澁澤龍彦訳を持っていたはずが,いつの間にか焼失.

Wiki によればジャリさんは,悪趣味と退廃に満ちた生活を送り,アルコールや薬物のために結核が悪化して 1907 年,パリで34歳の若さで亡くなったのだそうだ.
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ミロ展 @ 呉市立美術館

2012-04-28 08:59:13 | お絵かき
入場料 ペアで 1300 円は格安と思ったが,展示は版画のみで油彩なし.それだけに統一感があり,しかも150 点もあるので満腹感大.
ミロさんは十代で会計士見習いになったが,仕事がいやで ? 神経症と腸チブスにかかってしまったのだそうだ.

写真は,別室の「ミロに挑戦!子ども絵画作品展」- 呉市内の保育所(園)に通う子どもたちが描いた作品の展示より.日本人のこどもらしく,ミロとちがって渋ーい色調.
連休中はギャラリートーク,コンサート等,美術館イベント多数.


すぐ上の写真はミロ本人の作品.買って来たカタログから.右の「ユビュの幼年時代」というのが気に入っている.ジャリのユビュ王 ?
ガラスの文鎮は宮島で買ったもの.
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タイのパイ

2012-04-26 09:07:26 | エトセト等


和風の展示だが,広島は紙屋町の洋菓子店サバランの店頭.ウロコはスライスしたリンゴ.実態はアップルパイらしい.
端午の節句も近いし,鯉のパイも良いと思うけど.鯉なら当地では年中売れるかも.



こちらは,アクリル絵具で CD ケースに内側から描いたシュークリーム.
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井上ひさしの裏代表作「江戸紫絵巻源氏」

2012-04-24 09:09:30 | 読書
出版社/著者からの内容紹介
さる殿様が遊女桐壺に生ませた落し胤の源次.質屋の養子がひょんなことから六十万石の藩主となり将軍の替え玉,はては帝の替え玉となる波乱万丈,奇想天外の物語.

今は昔,「話の特集」という月刊誌があって,そこに連載されたのがこの源氏物語のパロディ.我が蔵書は話の特集創刊 25 周年を記念して,連載時のスタイルそのままで単行本化されたもの.厚さ約 5cm だが,じつはわざと ? 厚くて悪い紙を使っているためで,ページ数はそんなにない.ネットで見たらけっこう中古が出品されていた.
一時.中公文庫からも上下二巻で出ていたが,本屋で立ち読みしたら挿絵がなかったと思う.この本は山下勇三画伯のオリジナル挿絵が無ければ,魅力半減,いや 8 割引かも.どんな絵かはこの不鮮明なカットから想像して下さい.
でも挿絵付きでは (いや 挿絵が無くても),未成年には刺激が強すぎるだろう.

あの場面を,井上式羅列歌でつなぐという形式.ストーリーは最初のうちこそ源氏物語をなぞっているが,明石入道 (ここでは蛸入道) が登場するあたりから,著者も尻をまくったらしく,オリジナルからどんどん離れ,それに連れて面白くなる.著者自身の直木賞受賞とか,執筆に行き詰まって失踪した事件,オーストラリア旅行とかも取り込まれている.宇治十帖 (蛆十帖) を繰り返したあげく,ラストでは主人公は海外に雄飛する.

吉里吉里人や手鎖心中がタテマエなら,こちらはホンネ.だから,途中で書くのがいやになったり,明らかに手を抜いたり,また頑張ったり,というのがうかがえる.

「井上式羅列歌」は,著者は原稿用紙を埋めるためと称しているが,著者の日本語への蘊蓄をすべてぶちこんだようなもので,地の文,すなわち,ふつうの小説を書くよりエネルギーがいるかもしれない...もっともこの羅列歌が出て来ると私の場合はめんどくさくなって,3/4 くらいは読み飛ばしてしまうのだった.番外に替え歌特集があり,宴会などで役立つかも...たぶん役立たないでしょう.
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電子ジャーナルと電子書籍

2012-04-22 09:35:27 | 読書
昔は図書館に学術雑誌が到着すると,関係する論文をゼロックスしたものだ.いつからか,大学や研究所の教職員は図書館のホームページに入り,学術雑誌 (電子ジャーナル) を目次を見て,論文は自分のパソコンにダウンロードするようになった.たいていの論文では,式の番号や図の番号には論文内部でリンクされており,最後の文献リストからはその文献があるサイトにハイパーリンクが張ってある.これは計算機化の賜物である.

もちろんこれが可能なのは,図書館が雑誌を定期購読しているから.図書館で購入していない雑誌の論文をダウンロードしたければ,それなりに自腹で支払わなければならない.例えば Physica Review Letters は 1 編 25 ドルである.

いったんダウンロードした論文は自由にプリントできるし,メールに添付して送ることもできる.



今回,拙著「レーザーとプラズマと電子ビーム」を電子書籍として刊行した.出版社に聞いた段階では,かってに,電子ジャーナルの論文と同じようなものが出来ると思っていたのだが,かなり違うらしい.どこが違うかを本当に認識するには,金を払って自分の本をダウンロードしならないのだが,ちょっと馬鹿らしい...というわけで,以下の記述にはすこしく推測も入っている.


shinanobook.com という販売サイトで売っているのだが,専用のビュワーをダウンロードしてそれで読まなければならない.ビュワーは PC, iPad-iPhone 系,Android どれでも OK,しかし PC の場合はストリーミングらしい...だとすれば,ネットに繋がっていないと見えないことになる? これが問題その1.

問題その2はプリントも駄目,コピーも駄目なこと.出版社の感覚では,コピーを許したら,本が売れなくなるのだから.普通の本をプリントすなわちハードコピーするのも違法なわけだ.

しかし,個人的には,学術書に関してはもっと鷹揚でも良いと思う.電子ジャーナルの論文の例に習えば良いのでは,物理の知識などは数少ない研究者の間の共有財産と思ってしかるべきだ.

これは音楽の配信ソフトなどと共通した問題だ.もちろんこれは書籍の内容にもよるし,著者にもよる.印税生活者がプリント・コピーに目くじらを立てるのに文句をいうつもりはない.


まあ,どんな駄目ルールにも抜け道はあるけど.


電子本が自分のパソコンでいつでも見られると思うと,安心してしまい,よほどのことが無い限りそれ以上勉強しなかったりするが,それは別な問題.

パソコン上の Adobe Reader とビュワーの違いのひとつは,ビュワーではこの動画と同じように,購入した本に書き込みもできることだろう.しかし,「本に書き込みは悪いこと」と教育された世代としては,ちょっと利用する気になれない.思い出すと,終戦後で,一年生になったものの,教科書は前の学年のお下がり,セコハンであった.
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東京ナミィの「ドナドナ」 

2012-04-20 09:31:28 | 新音律


圀府寺司編「ああ、誰がシャガールを理解したでしょうか? - 二つの世界間を生き延びたイディッシュ文化の末裔」大阪大学出版会.
この本そのものについては,いずれ改めて.

本には,付録としてCD「クレズマー音楽」がついている...というより,実は CD ゆえにこの本に目が行ったのだ.演奏には著者のひとり,樋上千寿さんも参加.この CD の演奏はお行儀の良いものであった.そこで,お行儀の悪い,ベツニ・ナンモ・クレズマーの演奏を思い出した.

これは梅津和時の大型コンボで,発足は 1990 年代と思うが,まだ断続的に活動しているようだ.
この YouTube は当時の録音だが,残念ながら映像なし.ライブでは,この東京ナミィ嬢が登場すると,バンドの他のメンバー (梅津,巻上公一,etc) の影が薄くなるように感じられた.YouTube のコメントでは彼女のイディッシュを褒められているが,ぼくにはそこは分からない.

ドナドナって,クレズマー音楽だったんですね.
仄聞したところでは,バイクを売りに出す時に「ドナドナ」と表現するのだそうです.
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妖怪草紙 - ガイジンにくずし字を教わる

2012-04-18 09:31:38 | 読書
アダム・カバット「妖怪草紙―くずし字入門」柏書房 (2001/07).

「 シリーズ日本人の手習い」の一冊.著者はニューヨーク生まれ.近世・近代日本文学と比較文学が専攻.向田邦子「思い出トランプ」などの翻訳も.現在は武蔵大学教授.はしがきによれば「日本人の学生を相手に,日本語を教えるという大胆不敵な試みに最初は緊張しましたが,よい学生たちに恵まれいまは楽しくやっています」とのこと.うらやましい.

われわれにとっては,江戸時代の本を読むのと,英語の本を読むのは大して変わらないかも.

妖怪を「ナビゲーター」として,前半ではくずし字を「現在の仮名とほぼ同じもの」「似てすこし違うもの」「まったく形がちがうもの」の三つに分けて解説している.後半の応用編では十返舎一九作画のストーリーを読む.

現在の仮名文字とくずし字が一対一に対応していないところが難しい.たとえば「わ」は「和」起源のものと「王」起源のものがある.「は」にいたっては六つくらい起源がある.
文例が現在のいいまわしに近ければ,「まったく形がちがう」くずし字でも前後の脈略から読めてしまうが,そうでない場合は字は読めたと思っても自信が持てない.

見慣れないせいか,妖怪の絵に,怖いとかカワイイとかの思い入れは生じない.

とくにモチベーションがないので,「ああおもしろかった」で終わってしまいそうなのはちょっと残念.江戸時代のエロ草紙に挑戦してみようか.
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刊行しました「レーザーとプラズマと粒子ビーム」

2012-04-16 08:57:25 | 科学
小方厚 菅晃一 楊金峰 共著
大阪大学出版会
(2012/04)

電子版 1000円+税.取り扱いはシナノブック
ご利用方法は,http://www.shinanobook.com/information/#flow

紙バージョン 3300円+税.ご注文いただいてから印刷・製本しますので,お届けに10日程かかることがあります.取り扱いは,アマゾン,または 大阪大学出版会.

電子版はカラーだし,式の参照・図の参照の自在だし,文献には外部リンクが張ってある.出版元に契約している端末からならすぐに文献にアクセスできる.というわけで,紙バージョンなんか要らないんじゃないの,と言ったら,共著の楊さんに,「だめだめ,論文だってパソコンにダウンロードしてからプリントして読むのがふつうだよ」と言われてしまった.

年金生活者としては,自宅でプリントというのは,けっこう大変だ.
このごろは論文を iPad に入れて,テレビを見たりしながら見る (読む?) ことが多いが,これは擬似プリント行動かも.
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フェルメールのコピー展

2012-04-14 08:43:55 | お絵かき
フェルメール光の王国展 フェルメールセンター銀座

*****フェルメール理解へのひとつの試みとして、現存する全フェルメール作品を最新のデジタルマスタリング技術によって、彼が描いた当時の色調とテクスチャーを推測して、原寸大で、所蔵美術館と同じ額装を施して一堂に展示する場所を作ろうと考えました。それを可能としたのが、リ・クリエイト画像技術であり、それを実現したのがここ、「フェルメール・センター銀座」です。・・・・・福岡伸一(分子生物学者/本展総合監修)*****

時空を超えた本物の再現だ! コビーではなくリ・クリエイトだそうだ.
なまじそうと知っているせいかありがたみがない.でも,観ているうちに,不思議なことにだんだん乗ってくる.
知らぬが仏で,本物という前提で鑑賞させられたらどゔだろう.
あるいは, 一枚くらいホンモノと並べたらどうだろう.

全作品 37 点を 1000 円で,というのは,安いのか高いのか.

みなさん遠慮なく写真を撮っていた.
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こどもの絵・こどもの音楽

2012-04-12 08:52:54 | お絵かき


この 2 枚は小学校低学年の作品.この年齢のこどもの絵の中には,凡百のプロの絵描きの絵より面白く,何時まで見ても飽きないものがある.

でも,この年齢のこどもの音楽はつまらない.
こどもらしく演ってくれても,こちらとして,はい上手上手とお世辞をいうしかない.「ぽにょ...」みたいにヒットした例は多いが,所詮大人が作った歌である.
大人顔負けにバイオリンを演奏したり,あるいは,ご幼少の美空ひばりみたいに歌ってくれる子も中にいるが,こちらは何だか猿回し鑑賞と錯覚してしまう.

年齢に応じていて,しかも大人の鑑賞に耐える音楽というのはないのだろうか.

話を戻すと,絵と比べると.音楽のほうが技術に依存しているようだ.
「うまくないとだめ」という点では,音楽は美術より保守的かもしれない.



ちなみに,上の猫は柿の木につかまっているらしい.
下の絵のタイトルは「ぐうたらねこ」だそうです.
ぼく的偏見では,小学校 3 年,4 年,5 年... と大きくなると,だんだん絵はつまらなくなる.
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reading

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