Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

昭和不良伝 西条八十

2008-05-29 17:59:06 | 読書
斎藤 憐「ジャズで踊ってリキュルで更けて―昭和不良伝 西条八十 」岩波書店 (2004/10)

内容(「BOOK」データベースより)
唄を忘れたカナリアが、歌い続けて二千曲―「東京行進曲」「東京音頭」「サーカスの唄」「同期の桜」「青い山脈」「トンコ節」「王将」…純粋詩と流行歌、フランス文学科教授と株屋。天才か凡俗の巨人か、大きな振幅を描いた西条八十の生涯にからむ五人の男たち―野口雨情、中山晋平、サトウ・ハチロー、古賀政男、服部良一。名もなき人びとの哀感を歌い、時代と共に泣いた、「唄の伝記」―昭和への鎮魂歌。

書いた童謡854曲・流行歌3200曲・校歌社歌700曲・レコード7000枚というから,西条八十は怪物だ.でもこの本は彼個人の伝記というより大衆芸能の昭和史.それにかこつけて,著者が言いたいことを言っている感じ.でもそれはそれで小気味がいい.官憲による弾圧・戦争協力・ひるがえって現在のニッポンは...というあたりが冴えている.流行歌の歌詞にどんな隠れた意味があるかという解説もなるほどと思わせる.

書名は「東京行進曲」の一節.図書館で見つけて借りました.
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展覧会の作品タイトル

2008-05-29 08:00:53 | お絵かき
「波の会」展のタイトルは,はがき横置き大で,好きに作ってよいということなので,調子に乗ってヒト様のまで作ってしまった.

上の「おいしいもの」は我が家の皿などを我が家のテーブルに並べたもの.
左下の「小壜たち」は紙を切って作った.
右下の「赤のハーモニー」は J 子の旧作をバックに流用.このカードは会期中になくなってしまった.

会場で見ると,自筆のイラストによるもの以外に,短い画家のコトバとか,写真を入れたものとか.
「波の会」展そのものは先週日曜日に無事終了しました.
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五度円時計

2008-05-27 20:32:16 | 新音律
五度円(五度圏)とは,時計の文字盤の数字のかわりに音名を五度間隔で書き込んだもの.
ベース(コントラバス)の調弦は五度円の並びに従って,EADGである.バイオリンも同じ.チェロはひとつずれてADGC.
循環コードは五度円を順番にたどるコード進行のこと.Fly me to the moon はキーをGとすれば,コード進行はEm7-Am7-D9-Gmaj7だから最初の4小節は開放弦を順番に弾けばバックになる.
...と言うようなことをサイエンスカフェでしゃべった.

ではギターの調弦は?
標準的には低音側からEADGBEで,GB間が長3度になっている.なぜ...と聴かれてもぼくにはわかりません.

この調弦は完全5度の体系からずれているから,いまひとつ響きが悪い...と言うわけで,ギター奏者ナルシソ・イエペスは10弦ギターを弾いていた.日本でも斉藤明子さんが弾いている.



イエペスのほうはコンサートで弾くのを見た(聴いた...というべきか).アンコールは「仕方ない」という感じの禁じられた遊びであった.斉藤さんもライブで聴いたことがあるが,そのときはまだ6弦ギターだった.
この10弦ギターは実際に弾く弦は6本だけで,残りは共鳴専用.このように弾かない共鳴弦は民族楽器にもよくみかけるし,バロックの擦弦楽器,ビオラ・ダモーレにも備わっており,バロック・リュートにも前例があるのだそうです.

ところでカットのこの五度円時計は25ドルだそうです.
http://www.pianosupplies.com/Merchant2/merchant.mvc?Screen=PROD&Product_Code=420005_MT
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加田伶太郎全集

2008-05-25 06:57:43 | 読書
カットの文庫本を書店で見て,これなら買ったはずと書棚をあさった.というわけで手許のは,新潮社 福永武彦全小説V 1974.

全集とはいえ一冊で完結.文庫版のコマーシャルを転載すると
---推理小説の分野における、著者の業績を余すとこなく網羅した決定版!
十数年前に迷宮入りした密室殺人事件を、データのみから解決することはできるのか? 古典学者・伊丹英典氏の推理が冴える名作「完全犯罪」をはじめ、著者が“加田伶太郎”名義で発表した本格ミステリをすべて収録! これまでの版に付された序文、解説、月報の類にミステリエッセイ4篇も。---

ほとんど本格もので,出来はまあまあ.ぼくのベストは「温室事件」.「完全犯罪」は機械的なトリックがちょっと.しかしあくまで「品が良く」,しかものんびりした昭和の香りがして,読後感はとてもいい.

「序」「素人探偵誕生記」と付録の4編がおもしろい.覆面作家として書いたので,ペンネームは「だれだろうか」のアナグラム.伊丹英典はmeitanteiのアナグラム...これこそ最悪なねたばれかもしれない.著者はミステリを書くことを遊びと考えていたのは明らか.この対極が中井英夫などのシリアスな文学としてのミステリだろうか.
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石に描く 2

2008-05-22 09:42:35 | お絵かき
ニジマスのつもり.

ご覧のように,まだまだ石ころキャンバスの予備多数.

ついでに,第17回波の会展開催中.J子の100号が2点出ています.ぼくのCDケースの絵も少々.

会期:5月25日(日)まで 9:00~17:00 ただし、5月24日(土)は19:00まで
会場:広島県立美術館地階・県民ギャラリー 入場無料.

ギャラリーコンサートもあります.
佐川 峯 最近町で噂の,戦前から大陸で活躍されておられた素晴らしいらしいバンドネヲン奏者(K誓氏の解説によります).
25(日)1030-1130.
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サイエンスカフェ雑感

2008-05-20 09:40:57 | エトセト等
サイエンスカフェ「ドレミの科学」
http://home.hiroshima-u.ac.jp/scicafe/
はなんとか終了.

facílitàtor 名詞(物事を)容易にする人;世話人.

おふたりのファシリテーターさんには大いに助けられた.全体の時間の割り振りも考えながら,いつどこでどうゲストにつっこむか...には事前の打ち合わせもさることながら,予習とセンスも必要.前2回のカフェでの経験から,優秀な人材に恵まれたおかげで,ファシリテーティングのハウトゥーが確立しつつあるように見受けられた.
カフェには,むしろ教育テレビスタイルで,司会がイニシァチーブをとってすすめるのがいいかもしれない.また,科学啓蒙書によくある,太郎さん・花子さん・博士の鼎談型というのもあり得る.でもそうなると,本格的な台本が必要だ.

大学の授業でも,順番制で学生にファシリテーターをやってもらったら...でも,先生の準備がたいへん?!

気楽な雰囲気をかもす場所は,大学の教室のように設備がそろっていない.少人数ならどうにでもなるが,80人ともなるとプロジェクターは見づらく,音声は聞こえづらく...という問題が出てくる.
今回は会場が混みすぎて一度座ったら立てない状況だった.スポンサー (この場合は大学) は,人がたくさん集まるのは良いこととしているらしいが,定員40人で必要なら2回同じ催しを繰り返すという解もあったと思う.

気楽に聞き流していただくつもりだったが,ノートを取る方が多数.あとでアンケートをみたら要約配布を望まれる方も多数だった.公開講座とサイエンスカフェはどこが違うのか,私に聞かれても困りますが...

ドレミ...の科学といっても,この場合内容は数学と物理学.要点だけ述べれば,AならばBであり,BならばCであり,Cならば...という論理の連続にすぎない.話題が一貫するのはいいが,ストーリーを一度見失うと分からなくなること必至.
そもそも数物系の話題はこうした場所には向いていないのかも.

貴重な時間をそんな説明に..と思ったのだったが,音名と階名,ドレミ (固定ド・移動ド),ハニホ,CDEについて最初に説明すべきだったかもしれない.それにしても,楽典がもっと系統的なものにしたら,絶対楽器人口が増えると思う.

カットはBritish Council Buigariaのサイエンスカフェのロゴ.
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サイエンスカフェでジャズ

2008-05-18 11:20:14 | ジャズ
酒蔵でのサイエンスカフェ「ドレミの科学」ではなしをした後でジャズ.聞いて下さったのは80人くらい.中には科学の知識は増やしたいが演奏なんか聞きたくないという方もおられたかもしれない.でも,多少とも科学?にこじつけられる曲を選んだつもり.

Fly me to the moon
は循環だが,Gに移調し,ベースの解放弦を順番に弾いてペダルとしてイントロにした.

I loves you Porgy
I→ III→ V→ VII→ iX と進むメロディライン.

Norwegian wood
ドリアンモード.ちなみに,このタイトルはノルウェー製の木製家具(はっきり言えばベッド)を暗示しているらしい.

Up up and away
やたらと転調する例.

Bag's groove
ブルーススケール

写真右からK岡(kb),M川(g),O藤(ds),H川(b),O方(vib).ドラマー氏は液晶プロジェクタに照らされてまぶしかったそうです.スーベ氏には弦長と音程の関係について実演していただきました.向かって左の壁に貼ってあるでっかい鍵盤については
http://ameblo.jp/hu-museum/day-20080516.html
をごらんください.
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歩行実験

2008-05-15 14:57:12 | エトセト等
研究所で歩行実験協力者募集というのに応募した.目的をホームページ
http://www.am.sanken.osaka-u.ac.jp/gait_ad/ad.html
から抜粋すると
--- 人の歩いている姿から,それが誰であるかがわかるという実験結果が得られています.これは人の癖といった個人の特徴が歩き方に現れているからだと言われています.当研究室ではこういった癖が歩く速度,服装によらずに現れるか,また個人だけではなく,年齢・性別が同じ集団においても同様に癖が現れるかということを明らかにしたいと思っています.---
画像もこのホームページから拝借した.

小生の年齢層のサンプルは少ないらしい.

ルームランナーを歩くところを25のカメラで撮影する.踏み出したつま先を置く位置の範囲が決められていて,これを意識するとどうしても下向きに歩いてしまう.実験を意識せず,普通に歩くように30分くらい練習.時速4kmだが,転倒したときのために練習ではヘルメットを着用し,軍手をはめ,非常停止を体験し...というわけで暑かった.
撮影そのものは30秒が2回でおしまいだが,きっと素粒子実験のように,データ処理が大変と思われる.

舞鶴事件のように女子高生とふたりで歩いたりすると,監視カメラに残った不鮮明な画像から,「あれは16トンだ」などと分ってしまうのだろう.
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俳句の万能七五

2008-05-13 12:09:02 | エトセト等
日曜の朝はテレビで短歌と俳句を見ている.俳句の司会の石井かおるさんがいい感じ.
ところで,先週の入選句に

 春灯や 四条木屋町 高瀬川

というのがあった.この四条...以下はかなりつぶしが効きそう.たとえば

 あかとんぼ 四条木屋町 高瀬川
 木枯らしや 四条木屋町 高瀬川

上の五文字を替えてもたいてい俳句らしくなる.この手のものでは,「根岸の里の侘びずまい」というのが有名.もともとは

 梅が香や 根岸の里の侘びずまい

で,八代目入船亭扇橋の作とか.

 春灯や 根岸の里の侘びずまい
 あかとんぼ 根岸の里の侘びずまい
 木枯らしや 根岸の里の侘びずまい

どうも地名を入れれば万能七五になりそうだ..

 春灯や 世田谷下馬二の二八

学生時代まで住んでいた番地だが,やはり四条木屋町に比べると情緒不足かな.

読売新聞の俳句欄には

 しゃばだばだ しゃばだばだばだ 春の雨

というのがあった.俳句にスキャットというのがおしゃれだ.この上の五七も行けそうだ.わけがわからないところがみそだろう.

 しゃばだばだ しゃばだばだばだ 桜散る
 しゃばだばだ しゃばだばだばだ ところてん
 しゃばだばだ しゃばだばだばだ 霰かな

と,やってみたが,やはり四条・根岸などの地名にくらべると一般性に欠けるようだ.下に持ってきて

 梅が香や しゃばだばだばだ しゃばだばだ

とすると,梅の花見で酔っぱらってるみたい.

もとの句を作った方々には,くだらぬ話の種にしてしまったことをお詫びします.
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天茶 山の上

2008-05-11 09:08:17 | エトセト等
日本橋三越の地下にてんぷら「山の上」のカウンターが出来ていた (テーブルもあり).本店はお茶の水の山の上ホテルのはず.

あまり腹が減っていなかったので,本当は,いちばん安かったので,天茶を注文.ドンブリに小エビ主体のかき揚げがでんと鎮座していて,下のご飯がみえない.細切りの昆布の佃煮とわさびを載せる.別にどびんに入ったダシ (お茶の味もするみたい) が出てきて,これをかける.

文句なくおいしいが,最後の方では天ぷらのころもと,めしと,ダシがどろどろになり,駅の立ち食い天ぷら蕎麦の食べ終わりみたいな状態になった.2500円も出したのに,B 級グルメのおもむき.

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