椎名誠「岳物語」集英社文庫(1989).
1985年の単行本刊行時から気になっていた本だが,書店では何刷り目かが平積みになっていた.その後,デパートの前に古本屋が出張しているのをひやかしたら,105円で売っていたので購入.
「BOOK」データベースによれば*****
山登りの好きな両親が山岳から名付けた、シーナ家の長男・岳少年。坊主頭でプロレス技もスルドクきまり、ケンカはめっぽう強い。自分の小遣いで道具を揃え、身もココロもすっかり釣りに奪われてる元気な小学生。旅から帰って出会う息子の成長に目をみはり、悲喜こもごもの思いでそれをみつめる「おとう」…。これはショーネンがまだチチを見棄てていない頃の美しい親子の物語。著者初の明るい私小説。*****
読んで楽しい小説である.
昔,小学生の男の子と,ちょっときつい斜面でスキーをしたことを思い出した.男の子っていいものだ.
でも,これは著者の理想の息子・理想の親子関係 (たぶん 夫婦関係も...) を描いたフィクションではないのか.「私小説」だからそれもよかろう,いまはおじさんになっているはずの岳氏がこの小説をどう思っているか,聴きたいものだ.
Wikipedia によれば,岳には姉 (渡辺葉) がいるが,本人の希望によりこの小説には登場しない.著者自身は「続・岳物語」のあとも書き続けたかったが,息子が小説の登場人物にされるのを嫌がるようになり,終わってしまったという.チチはショーネンに見捨てられた,と言ってしまうのは気の毒かな.
1985年の単行本刊行時から気になっていた本だが,書店では何刷り目かが平積みになっていた.その後,デパートの前に古本屋が出張しているのをひやかしたら,105円で売っていたので購入.
「BOOK」データベースによれば*****
山登りの好きな両親が山岳から名付けた、シーナ家の長男・岳少年。坊主頭でプロレス技もスルドクきまり、ケンカはめっぽう強い。自分の小遣いで道具を揃え、身もココロもすっかり釣りに奪われてる元気な小学生。旅から帰って出会う息子の成長に目をみはり、悲喜こもごもの思いでそれをみつめる「おとう」…。これはショーネンがまだチチを見棄てていない頃の美しい親子の物語。著者初の明るい私小説。*****
読んで楽しい小説である.
昔,小学生の男の子と,ちょっときつい斜面でスキーをしたことを思い出した.男の子っていいものだ.
でも,これは著者の理想の息子・理想の親子関係 (たぶん 夫婦関係も...) を描いたフィクションではないのか.「私小説」だからそれもよかろう,いまはおじさんになっているはずの岳氏がこの小説をどう思っているか,聴きたいものだ.
Wikipedia によれば,岳には姉 (渡辺葉) がいるが,本人の希望によりこの小説には登場しない.著者自身は「続・岳物語」のあとも書き続けたかったが,息子が小説の登場人物にされるのを嫌がるようになり,終わってしまったという.チチはショーネンに見捨てられた,と言ってしまうのは気の毒かな.