Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

あたらしいみかんのむきかた -結構簡単!

2011-02-28 08:19:10 | エトセト等
あたらしいみかんのむきかた -結構簡単! New ways of peeling a mikan,tangerine


HiroshimaGuide というメルマガの紹介で知った.
地球儀の作り方とか,丸い地球を地図にするナントカ画法とかに興味があった身としては,面白い.

このウサギを見ると,ムートンを連想する.
でも,球面を平面に展開して近似する問題と考えれば,複雑な図形,このビデオでは最後に出てくるイカ等のほうが,出来上がりはきれいかも.このイカは胴体の丸みにみかん本来の球面を利用しているあたりが見事.

しかしイカとか,カエルのように左右対称なものはまだしも,ウサギ,ウマなどの不定形はどのようにむきかたをデザインするのだろうか.
「みかんのむきかた」というより,みかんの皮アートと言ったほうが適当ではありませんか.
すぐにしなびて堅くなってしまうところもはかなくて良い.
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ドレミってなぁに @ 千葉市科学館

2011-02-26 08:03:06 | 新音律
標記の企画展が,拙著「音律と音階の科学」を読んで下さった千葉市科学館のスタッフの方が立案してくださって,実現に至った.

2/25日-4/4日 (2/28,3/14日 休館) 9:00-17:00時.

ドレミ...はどのようにして決められたのか、どのように変化してきたのか、簡単な楽器をつくるなどの体験を通して、小さなお子様から大人の方まで、感覚的に楽しみながら音階・音律について科学的に理解を深めることができる企画展です.

調子に乗って,講演もやらせていただくことになった.
「ドレミの科学」3/13 13:30-14:30
場所は科学館プラネタリウム.定員200名.要予約.電話 043-308-0511 (代表).

関連するジャズもライブで聴けるという贅沢 DJ 形式の講演.
演奏は千葉大学モダンジャズ研究会によるコンボです.

東京駅・千葉駅は45分.お近くにお住まいの方はお出かけ下さい.

**********

追記 震災で講演は中止になりました.右は,電子書籍「ドレミの科学」.講演のように,オーディオファイル・ビデオファイルを駆使して,ドレミ...を物理の視点から解明します.DL-MARKET, http://www.dlmarket.jp/product_info.php/cPath/799_800/page/1/products_id/145552
よりお求めただけます.2011 年 6 月刊. 500 円です.
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中山雅世トリオ @ JAM

2011-02-24 08:41:32 | ジャズ
千葉に所用があったので,ウェブで千葉のライブハウスを探ったら,佐藤有介 b の名前があった.
中山雅世 p,佐藤有介 b,上村計一郎 ds.レストラン・ライブハウス「れすとらん邪夢」

中山さんには何の予備知識もなく参上したのだが,真面目で創造的で高級なジャズ.一曲だけが佐藤さん,あとは全部中山さんのオリジナルだった と思う.黒っぽくはなく,ヨーロッパの景色が見えたり,中国の雑踏も見えたりする,中山さんの心象風景をテーマにした,国籍不明のジャズ.

セロテープでつないだ長大な楽譜を見ながらの演奏.
転調したり,変拍子になったり,やりたい放題.どこまでがアレンジで,どこからアドリブか,よく分からない.でも 前衛臭はない.なにも意識せずに聴けば,あるときは激しく,あるときはひたすら心地よいだけだ.
内容は違うけれど形式は MJQ が始めたのに近そう.前に学生さんと MJQ のコピーをやろうとしてすごく難しかったのを覚えている.佐藤氏曰く.あまり練習はしていません.プロってすごいなー.ベースもアルコほか,いろいろな奏法を見聞きすることができた.

ちょっとお話できたが,中山さんはおとなしそうな方だった.ピアノのタッチはクラシックっぽかったが,HP をのぞいたら高瀬アキさんに師事されたとのことであった.もちろん影響はありそうだが,高瀬センセーとは違う行き方と思います.
高瀬さんの LP を一所懸命聞いていた時期を思い出した.

1930-2030, 2100-2200.時間通り始まり,一曲が15分くらい.
ふつうのライブでは 10-20 分くらい遅れて始まって,40 分も演れば休憩だが,(音楽的に とは) べつな意味でも真面目だった.
お客さん 5 人 ... もったいない.料理もおいしかったし.

これはダリの Three Musicians.この絵にちなんだ,同じタイトルの曲も演奏された.グループの名前なのかもしれない.
ちなみに 同じタイトルの作品をピカソも描いている.
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開共鳴管つきシロフォン (フル木琴)

2011-02-22 09:29:02 | 新音律
斉藤楽器製作所は

創業1947年
マリンバ,シロフォン,ビブラフォン,グロッケン,マレット
各種アクセサリーを製造する鍵盤打楽器の専門メーカー

である.ここで開共鳴管つきシロフォン (フル木琴) が10年ほど前に試作されたとのことであった.


右上が閉共鳴管モデルのカタログ写真で,くらべると確かにパイプが長い.

斉藤楽器の斉藤さんによれば,マリンバ・ビブラフォンにつけるのは,尋常ならざる大きさになるうえ,曲管のアルゴン溶接が高価なので,現実的ではないとのことである.

下水・雨樋用の塩ビパイプを並べるくらいなら DIY で出来る範囲なので,ビブラフォン用製作にチャレンジしてみようかな.曲管の代わりに直管をジョイントでつなぐ作戦である.
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寺田寅彦の画才

2011-02-20 06:29:44 | お絵かき
書店で

坂崎重盛「絵のある」岩波文庫への招待 芸術新聞社 (2011/02)

に遭遇.
楽しきかな! 挿し絵にひかれて文庫めぐり。名著・名作の宝庫、岩波文庫は、実は「傑作挿し絵」のWonderlandだった... という惹句そのままの本だが,高くて重いので敬遠.
しかしこの本を立ち熟読みの結果,安くて軽い

寺田寅彦「柿の種」岩波文庫(1996)

を購入.後で,これは著者自筆の挿画ともどもウェブ
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/1684_11274.html
に存在することを知った.

ここにその挿画のいくつかを青空文庫からコピペした.



もちろん,絵だけじゃなく達意の文章はご承知の通り.この方の長い随筆は論文みたいでちょっとホネなものもあるが,この本のは,短いものは数行,長くても 2-3 ページである.たとえば

*****「ふくろうが鳴くね」
「なに、ありゃあふくろうじゃない、すっぽんだろう」*****

というとぼけた問答があるかと思うと

***** 庭の植え込みの中などで、しゃがんで草をむしっていると、不思議な性的の衝動を感じることがある. *****

などとまじめくさっている.

***** 算術では 1+1=2 だが,ベクトルの和では 1+1 が0から2までの間の任意な値を得ることができる.美術展覧会の審査には審査員の採点数を加算して採否を決めたりする.あれは算術のほかに数学はないと思っている人たちのすることとしか思われない. *****

という理系らしい文章も.上のヌードのクロッキーはルノアル (原文のまま) のことを書いたページをめくったら出て来たが,絵に描いたような日本婦人である.
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水族 coffee books

2011-02-18 08:22:04 | 読書
星野 智幸 著, 小野田 維 イラスト 岩波書店 (2009/01)

書店の HP の惹句
*****ぼくは,湖底に設置された六方ガラス張りの部屋に住むことになった.魚たちが周りを泳ぐ.ぼくは自分が人間であることに自信が持てなくなっていた──.海面上昇が高まり,もはや堤防がもちこたえられなくなった未来の地球.新水紀時代を迎えたとき,人類はいったいなにをしたのか? めくるめく鮮烈な世界イメージを泳ぐ小説体験!*****

図書館で借用.coffee books という岩波のシリーズをこの本で初めて知った.

カラーの挿画多数の,小さくてきれいな本.言うなれば,おしゃれな本.
著者にも画家にも全く予備知識がなかったので,SF (サイエンス・ファンタジー?) であることを認識するのにしばらくかかった.ただし 著者は SF のつもりはないのかもしれない.
気持ちよく読んだが,地球温暖化をネタにしたよくある内容というのが文章の読後感.絵がなかったら魅力半減だろう.
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フル鉄琴 / クラ鉄琴 その2

2011-02-16 13:06:30 | 新音律
昨日の続きです.
このページの図はクリックで別ウィンドウに拡大表示されるはずです.

さて,音板を叩くマレットによって音色はまったく変わるので,二種類のマレットを試した.ひとつは Balter の 31 という堅くやや小さいモデル.ここでは Hard という.もうひとつは Albright のミルト・ジャクソン・モデルで,柔らかく大きく重い.これをここては Soft という.なるべく同じ力の入れ具合で叩いたつもり.



ダンパーペダルを踏みっぱなしで叩いたときの録音の,波形編集ソフト Amadeus Pro による波形がこれである.図の説明で,マレットを区別する Hard, Soft の語の後の No はパイプを取り去った状態,Close は閉管すなわちクラリネット型のパイプをぶら下げたとき,Open は開管すなわちフルート型のときを示す.
No の二つは音量が小さかったので 6dB 増幅した.

この図を (よく見ると) 分かることは

1 パイプを付けると音量が増加し音の持続時間が短くなる - エネルギー保存則だろう.パイプの共鳴がうまくいきすぎ,Q 値が限界になると音がぷっつんと切れてしまうのかもしれないが,この自作の開管の持続時間は閉管の持続時間とほぼ同じ,ということは,開管の長さは期せずして最適化されていたらしい.

2 Hard- Soft のマレットを比較すると,Hard のほうが叩いた直後の衝撃が大きい.

3 Close - Open の比較では,この,叩いた直後の衝撃が Close のほうが大きい.

音を聞いてみると (ここをクリックすると別窓でファイルが開きます: 6 つの音が順番に上の図と対応しています) マレットの差は判然としている.しかしパソコン (MacBook Pro) 内蔵マイクの性能のせいもあるのだろうが,Close - Open の差は期待したほど感じられない.


これと次の図はソノグラム,すなわち縦軸が周波数 (フルスケール 3.7kHz),横軸が時間 (フルスケール 5秒)で,音量が適当にカラーコード化されている.上が Hard マレット,下が Soft マレットで,それぞれ左からパイプなし,閉管,開管の場合である..



私の所見

1 どの図にも共通の 3.1kHz の成分は,矩形音板に固有の成分であろう.
叩いた直後の衝撃は連続スペクトル 別なことばで言えばノイズとして現れる.

2 パイプなしで叩いても高調波,特に 4 倍波が比較的大きく生じる.そう言えば,ビブラフォンは 4 倍波で調律すると聞いたことがある.

3 Hard- Soft のマレットを比較すると,Soft のほうが高調波が持続する.

4 Close - Open の比較では,
(1) Open では高調波の振幅がすなおに,基本波-2倍波-3倍波... の順番になる.
(2) Close では,閉管理論によれば基本波-3倍波-5倍波... のみが存在でき,偶数倍波はないはずだが,この場合はパイプなしで叩いたときに生じる偶数波がそのまま出てくる.4 倍波が大きいが減衰は早い.3倍波・5倍波はたしかに比較的大きい.

ひとつの音を聞いただけでは Open - Close の差異は顕著ではない.しかし実際に楽曲を聴いたとしたら,叩いた直後の衝撃と,高調波分布の差により,かなり印象が違うのではないか.フル鉄琴は優しい曲向き,クラ鉄琴は激しい曲向き ということになりそうだ.
当然ながらパイプは音の持続時間を左右する.わが家のクラ鉄琴では,音により持続時間にかなりばらつきがある.音板とパイプの組み合わせがうまくいっていないのだ.この点はフル鉄琴では (あくまで推測に過ぎないが) パイプ長に対する条件が緩和されるように思う.

全部のパイプを開管にしてみたいところ.
低音側の数本は曲げなければならない.音響インピーダンス等を考えるのだろうか.
製造コストは,材料費はかさむが,底をつけなくて済む分安くなる.しかし,運搬を考えると,やはり重く長くなるのは嫌だな.

こんなこと,ヴァイブのメーカーさんではとうに実験済みかもしれないが...
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フル鉄琴 / クラ鉄琴

2011-02-15 09:05:50 | 新音律
音波の波長と笛の長さは比例するから,笛の音の高さは笛の長さで決まる.
これは理科の教科書にある管の中の気体の振動の図.上の二つは両端が開いた管 (いわゆる開管),下の二つは片方だけふたをした管 (閉管) である.開いた端は振動の「腹」になり,閉じた端は「節」になる.閉管における波長は開管の2倍である.同じ長さの笛では,閉管は開管のオクターブ下の音が出る.閉館の代表はクラリネット,開管の代表はフルートである.

さて,マリンバ・ビブラフォンには音板の下に共鳴管がぶら下がっている.上の図の閉管をたてにしたものである (ふたではなく底ですね).
閉管にするのは,管が短くて済むからだとは思う.しかし 3 オクターブのビブラフォンでは,開管にしても床に付くほど長くなるのは低音側の数本だけだし,長過ぎたら曲げれば良いはずだけれど. 

開管すなわち底抜け管がぶら下がったフルート型をフル鉄琴,閉管すなわちクラリネット型をクラ鉄琴と呼ぶことにする.世の中の鉄琴 (ビブラフォン) はすべてクラ鉄琴である.

ではフル鉄琴はどんな音がするか...というわけで.DIY 店の塩ビのパイプで実験することにした.買って来たパイプの内径が58mm.長さは波長から決めるとしても,太さのほうはどう決めるか分からない.とにかくうちのビブラフォン (Musser M48 Pro Traveller) には,E#の音板の下に同じくらいの径のパイプが下がっていたので,この音板で試すことにした.

E# の周波数は 310Hz で,音速を 340m/s とすれば,波長は 1.09m,その 1/4 は 274mm.しかしヴァイブにぶら下がっていた管の深さはやや浅く 255mm であった.この差は話に聞いた「開口端補正」であろうと考え,その 2 倍,510mm の開管をぶら下げた.
比較のために,塩ビの 255mm の閉管も作製した,

ついでながら,フル木琴は可能か? マリンバは低音が売りで,ビブラフォンより音域が低音側に伸びている.クラリネット型のパイプでさえ曲げてるので,フルート型パイプはチューバみたいになってしまうだろう.

さて結果は?

この項続きます.
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文学フシギ帖

2011-02-13 09:31:04 | 読書
池内 紀「文学フシギ帖 ―日本の文学百年を読む」岩波新書 (2010/07).

新幹線車中で読むべく購入.
新書は文庫より高いという印象があったが,何時の頃からか それが逆転したようだ.

近現代日本文学の53人 (手塚治虫も含まれている) をほぼ時代別に4つに分け,それぞれに 4-5 ページ.論考というより茶飲み話で,どこから読んでも良い.
北海道新聞に連載されたというが,出来はまあ揃っている.

ちょっと違和感を持ったのは,"漱石に「吾輩は狸である」があることは,ほとんど知られていないであろう" という文章.「琴のそら音」のことを言っている.私自身は学位時代に落語みたいと面白く読んだが,「我輩は猫である」は全然連想しなかった.

多くは「琴のそら音」のように,代表作から外れたものを敢えて取り上げているようだが.例外は「大菩薩峠」.この小説は全巻エピソードの繋がりで,ヨーロッパの小説の主人公が成長したり反省したり社会性に目覚めたりするのとは違うと言っている.
机龍之介に関してはそのとおりだが,作者自身は何十年も書き続けるうちに,反省したり社会性に目覚めたりして,そのたびに大乗仏教だのユートピアだのに,小説のテーマがぶれる.そこを楽しむべき小説じゃないの.

ダメ男,尾形亀之助と,織田作之助の夫婦善哉の主人公のイメージがごっちゃになってしまった.内田百﨤の借金の話が.ご当人には悪いけれど,面白い.

著者自身のヘタウマなカット入り.
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「楢山節考」考

2011-02-11 14:58:49 | 読書
深沢 七郎「楢山節考」新潮文庫 (1964)

1956年に第1回中央公論新人賞受賞作.正宗白鳥が「人生永遠の書」と絶賛したそうだが,著者はそんなにご大層な作品を書いたつもりはなかったらしい.それまで日劇ミュージックホールという,早く言えば高級ヌード劇場でギターを弾いたりしていたという.ちなみに,彼は日本で最初にナイロン弦のギターを弾いた人でもあるそうだ.

どこかの寒村の姨捨山伝説をベースにしているが,随所に歌が入り,自筆の楽譜も挿入されている.内容はいたって牧歌的.ヒロインのおりんばあさんは山に捨てられるのを楽しみにしていて,最後はめでたく?捨てられる.

小説では生まれたての嬰児を捨てることも話題になっているが,いまは病院でおろす.老人が空き家で白骨化するのも,昔の姥捨てに対応しているのだろう.

右下がりのニッポン.老人達が保険制度ひいては税制一般を圧迫するに連れ,現代版・姥捨てが先鋭化し,制度化したりするかもしれない.
「肩たたき退職」というのがあるが,この場合は年金課のお役人が優先的に,子供が居ない・配偶者にも先立たれた一人暮らしの年寄りの肩を叩いて「もう良いでしょう」と安楽死させるのだ... わたくし的にははそれで一向に構いませんけど.おりんばあさんじゃないけど,条件次第では志願したいくらいだ.

この小説では息子やその嫁がおばあさんに優しいところが泣かせる.もっともらしく言えば,生きることの尊厳を感じさせてくれるのだが,この点は現在のほうが全然ドライだろう.
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