不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

スペイン人はなぜこんなにも豚さんを食べるのか

2019-10-02 23:24:00 | 日記
イタリア以外の国にまったく興味がないのだけれど、
今期の日本大学国際関係学部の
市民公開講座の統一テーマが
「世界の国々から ー 暮らしに息づく文化」
ということで、せっかくなので受講することにして
初回のスペインのお話を聞いてきた。





学部教授の角田さんの説明がこの上なくわかりやすくて、
おもしろかったので、
この人の話ならずっと聴いていられそう。

Pan, uvas y queso saben a beso.
これくらいのスペイン語ならかろうじて理解できる。
パンとぶどうとチーズはキスの味。
それぞれでも十分美味しい食材は組み合わせ次第でさらに美味しくなる、
つまり
組み合わせで得られる多様性は時に想像を超える結果を生むということ。
まさに、歴史の中で文化が縦横無尽に交差したスペインを表すフレーズ。

711年にイスラム勢力による侵略を受け
イスラム統治下にあったコルドバ・ウマイヤ朝では
718年からアストゥリアス地方でレコンキスタが開始されるものの、
700年以上に亘りイスラム教、ユダヤ教、キリスト教が共存し、ある種のバランスが保たれていた。
しかし、レコンキスタが進み、キリスト教が勢力を強めイスラム教を駆逐するにつれて、バランスが崩れていき、
1492年にレコンキスタが完了すると、
やがてユダヤ教とイスラム教を迫害する時代へ。

ユダヤ教はカシュルート、
イスラム教はハラムという
それぞれの戒律に基づいて
彼らが口にしない食材があり
共通する禁忌の食材に豚肉がある。

だからこそ、
スペイン領内で、キリスト教徒に紛れて暮らす
ユダヤ教徒とイスラム教徒を見つけ出すのには
豚肉を食べるか否かをチェックすれば容易に見分けることができたということ。

良きキリスト者を証明することのできる豚肉は聖なる食べ物となり、
豚肉であることが一目見てわかるような丸焼きのような料理法が好まれるようになった。
1500年代には偉大なるカルロス1世がイベリコ豚のハムをこよなく愛したため
大量に生産されるようになり
一般家庭にも普及するように。

改宗者に対する厳しい施策が布かれると
スペイン人よりもスペイン人らしく暮らす改宗者も増え、
ますます豚肉の消費が伸びる結果に。

こうしてスペイン人は豚さんをたくさん食べる国民となったそう。

ざっくりまとめるとそういう講義だった。

スペインのハムが有名なのは知っていたけど
そんなに豚さんばっかり食べているイメージもないんだけどな。
知らないことがいっぱい。

おまけの備忘録
バルの起源はポンペイのテルモポリウム。
アストゥリアス地方のsidreria。
タパスの語源はtappare(覆う)。
賢王アルフォンソ1世がワインとともに供される小皿料理には必ずグラスなどで覆いをするようにお達しを出したことに由来する。
スペインらしいもの(ぶどう、レモン、オレンジ、サフランなど)はイスラム教徒が持ち込んだ。
スペイン人は1日5食(朝・昼・晩+午前のおやつと午後のおやつ)。
おやつといえば、ハムサンド、ピンチョス、タパス。






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