不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Mostra dei fiori al giardino dell'Orticoltura

2010-04-29 19:38:13 | 日記・エッセイ・コラム

日曜日は本探しから始まって
思いもよらず家の模様替えなどに
手をつけちゃったので
天気がよかったのに、家で大掃除をしていたのですが、
今年も行きたいなぁと思っていた植物見本市に
夕方になって急に行くことに。

レイラのお散歩もかねてと思って
連れて行ったのはいいけれど
このお嬢様はお散歩あんまり歩いてくれない。
会場に着いて少し歩いただけで
すっかり疲れ果てて歩かなくなってしまったのと
予想以上の人出で
小さい生き物は人に踏まれそうな危機感もあったので
ずっと抱っこしてました。

よって、
せっかく写真撮ろうとか
素敵な鉢植えを買って帰ろうとかいう野望は
もろくも破れ
純粋にお散歩しただけになりましたが、
きれいな空気と美しい花を見て大満足ではありました。

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ついてすぐにくたびれたレイラと休憩中のくさっぱらから。
ここでマツぼっくりとか拾って遊ぼうと思ったのに
レイラはまったく興味なし。
なんかビリーと違うのね。

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天気がよかったせいなのか、
思った以上の人出。

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素朴なガーデニング用品とかも販売中。
ガーデニング用品の前に庭がほしい!!

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みているだけでも楽しいけど
ラベンダーかジャスミンかレモンがほしかったのよね。

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5月2日までやっているので
次回は一人で行って写真撮りなおそうと思ってますが
そろそろアイリス庭園や
バラ庭園にも行かなくちゃいけないので
週末だけでそんなにいっぱいできるのか疑問。


Bukubuku Koukan a Firenze

2010-04-28 19:59:18 | bkbk

第一回ブクブク交換会@フィレンツェ
無事に終了しました。

参加してくださった皆さん、本当にありがとうございます!!

最終的に9名と1匹の参加で
26冊の本が集まり
そして新しい読み手の元に渡りました。

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開始時間が近づいて徐々に集まりだした本。
今回の会場は私のお気に入りでもある本屋&カフェ。
アルノ側左岸のVia de' Serragli 3rにある
Cuculia(ククリア)。
日本語だとカッコウの泣き声という意味。
一番奥の広い部屋を使わせてもらいました。

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部屋には本棚もあってかわいい絵本から
美術書までいっぱい並んでいます。
赤い王様イスも素敵。
ブクブク交換会をするにはもってこいの場所だと思って
やると決めたときから会場はここと思ってました。

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今回のテーマ「食」。
多分日本で同じテーマでやっても
こういうものは集まらないだろうなぁ。
みんな日本からイタリアに渡ってくるときに
健康のため、日本食伝道のため、
自分の食生活のために
料理の本や健康関連の本を持ってきているようです。
私は例外。
私が持っていったのは「東京島」。
漂流した無人島でのサバイバルが描かれている小説ですが
食を確実に入手できるものが勝つという
人生の一番基本の部分を鋭く描いていて、
そこから食が今後の世界の鍵になると思ったので
この機会にプレゼンさせてもらいました。

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2つ目のテーマは「職」。
仕事としての小説家、仕事としての評論家という
愛情たっぷりのプレゼンがあったのは
三島由紀夫の2冊。
私が持っていったのは芸術新潮
レイモン・サヴィニャック特集。
頑固なまでの職人精神でフランスの広告界を彩った
ポスター職人の作品がいっぱい載っていて楽しい一冊。

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3つめのテーマは「ショック」。
これが一番集まりにくいかと思ったら、
あけてびっくりこのテーマが一番多かった。
みんないろんなことでショックを受けているようです。
私が持参したのは
「世界史のなぞが面白いほどわかる本」。
なぜショックだったかというとタイトルに裏切られたから。
読んでみたらほとんど知っている話しばっかりだったのと、
なぞが解かれていないエピソードのほうが
圧倒的に多かったので
個人的にはかなりショックを受けたので。

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Cuculiaは日曜日のブランチもお勧めですが
毎晩提供されているアペリティーボもお勧め。
今回も皆さん1ドリンクで食べ放題の
軽食を楽しみながらのブクブク交換となりました。

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自由に本を手にとってもらい、
用意したポストイットでいろんなコメント付け合ったり
本から派生していろんな話で盛り上がったり。

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私のイタリア生活に欠かせない心から慕う友人のプレゼン。
彼女のサブカルチャーへのこよなき愛は
今回のブクブク交換実現でも影の支えになってます。
彼女のブログでも当日の様子が紹介されています。

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今回飛び入りで参加してくれた私の友人。
彼の癒しの精神&ポジティヴ・シンキングの
ひとかけらをご披露いただきました。

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この不思議な楽器、Qコードというものらしいのですが、
これでヒーリング・ミュージックを奏でていただき
また新しい良いもの見つけた気分にもなりました。
次回はぜひ天使の言葉で歌っていただきたい!

2時間ちょっとでたっぷり楽しませてもらいました。
実は一番楽しかったのは
企画した私自身だったのではないかという気がして
本当に参加者の皆さんに楽しんでいただけたのか
不安も残るのですが、
「2回目も是非」という言葉もいただき、
すっかりその気になっています。(笑)

地道に末永く続けていければと思ってますので
気になった方はぜひ参加してください。
5月の予定が決まったら公表します。

今回集まった本についてのそれぞれのプレゼン。
一言コメントを今まとめていますので
また近いうちに紹介します。
プレゼンや皆さんの意見を聞いていて、
日本で開催するのとはちょっと趣向が異なるのかも
という気もしたので、そのあたりもまた次の機会に。


La Sala segreta delle peccatrici

2010-04-27 13:42:00 | アート・文化

フィレンツェのSantissima Annunziata
(サンティッシマ・アンヌンツィアータ)教会広場に面して建つ
Istituto degli Innocenti(捨て子養育院)は
現在ブックショップ&カフェの増設、エレベーターの設置など
大幅な改装改築計画の真っ只中。
その計画の中で
今まで公開されることのなかった部屋も修復されました。

Coretto(コレット)と呼ばれる部屋は
人に見られることなく礼拝に参列するために設けられた
秘密の部屋。
養育院では1500年代半ばには施設内で暮らしたり
定期的に出入りをしていた女児、少女、女性が
968人いたと記録されています。
捨て子養育院は教会も併設していますが、
この教会に面してひっそりと作られた部屋で
1500年代の社会で後ろ指を指される存在だった
罪を負った女性たちが
密かに出入りして祈りを捧げた場所です。
自分の子供を里子に出した女性、
望まれない子供を身ごもった女性、
子供の面倒を見ることができない堕落した母親など
世間の風当たりが強かった女性たちが
鉄格子越しにミサに参列した場所。

この小部屋は1700年代の状態に復元され
壁には9枚のタベルナコロ(壁祭壇)も飾られました。
作者不明の17-18世紀の木造彫刻も
この機会に修復されています。
こうした作者不明の作品は
ここで祈りを捧げた女性たちの
手によるものではないかといわれています。
木材や紙張子を使って作られた聖母や聖人像は
関節部分での取り外しもでき、
高価なシルクでできた服をまとい、
信者が心願成就のお礼に教会に持ち寄る
ex Voto(奉納品)などで豪華に飾り付けられています。
彼女たちが自分の侵した罪の許しを請うために
心を込めて作った作品なのかもしれません。

華やかなルネッサンス文化の花開いた
フィレンツェの裏側には
恵まれない環境におかれた女性たちもたくさんいたのです。
そういう現実を思い出させてくれる場所になりそうです。

Istituto degli Innocenti
休館日:1月1日、12月25日
開館時間:10:00-19:00
入場料:4,00ユーロ


Fiori di Glicine

2010-04-23 21:13:14 | 日記・エッセイ・コラム

日本ほどじゃないけど、寒暖の差が激しいフィレンツェ。
汗ばむほどのよい天気だった木曜日とは打って変わって
小雨の降り続く一日となった金曜日。

今週は火山灰の影響で
情報収集&発信の繰り返しでちと疲れました。
週末は入っていた予定もキャンセルになったので
ちょっとゆっくりしようかと思います。

今度の火曜日は
いよいよフィレンツェでのブクブク交換会開催なので
もっていく本と名刺の準備もしなくちゃ!!
本の候補は決まっているんだけど、
その本が我が家のどこにあるのか・・・。
土日天気よければ掃除もかねて張り切って探すんだけどねぇ。

先週末のお散歩の途中で見つけた藤の花。
実家にも藤の立派な木があるけれど
5月の花だと思い込んでいて
フィレンツェで4月の初めから咲いているのを見るたびに
違和感を覚えるのですけど。

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個人的にはこの藤色と緑色の組み合わせとても好き。
ちなみにこれはヴェッキオ橋近くのしょうもない小路に
無造作に咲いている藤です。
イタリアでは藤棚とか作らないのねぇ。


Pala del Noviziato

2010-04-20 19:04:19 | アート・文化

1445年に製作された
Filippo Lippi(フィリッポ・リッピ)による祭壇画で、
修復が完了した作品。

メディチ家の守護聖人で
老コジモの時代には好んで描かれた聖人
Cosimo(コジモ)とDamiano(ダミアーノ)が描かれていること、
また作品は当初サンタ・クローチェ教会内に
メディチ家が所有していた
礼拝堂(Cappella del Noviziato)に飾られていたことからも
依頼主はメディチ家の老コジモだといわれています。

この祭壇画の下部エレメントであるpredella(プレデッラ)は
Pesellino(ペゼッリーノ)の作品ですが
1813年のナポレオンの略奪により
祭壇画とともにフランスに持ち去られ、
プレデッラの一部(5枚のうち2枚)は
現在もパリのルーブル美術館所蔵となっています。
祭壇画と残り3名のプレデッラはウフィツィ美術館所蔵。

作品は「聖会話」をテーマにしたもので
中央の玉座に聖母子、両脇に4人の聖人が描かれています。
右からSant'Antonio da Padova(聖アントニオ・ダ・パドヴァ)、
Damiano(ダミアーノ)、Cosimo(コジモ)、
San Francesco(聖フランチェスコ)。
通常はコジモ&ダミアーノは
寄り添って1対で描かれることが多いのですが
この作品では聖母子を挟んで両脇に対照的に描かれています。
ぱっと見たときの色の対照が美しい作品です。

全体的にはヴェールに包まれたような
淡くやわらかい印象ですが
詳細はかなり写実的でフィリッポ・リッピらしさがみられます。
遠近法の画法の試みも確認できますし、
聖人が聖母と同じ大きさで描かれ、
それぞれ伝統的な立ち姿ではなく
軽く腰掛けているところにもルネッサンスの特徴が見られます。

ニスなどに覆われてくすんでいた祭壇画の修復が完了し、
鮮やかな色彩がよみがえっています。
修復官僚に合わせてルーブル所蔵のプレデッラ2枚も
貸し出され、初めてオリジナルの形での展示が実現。

Noviziato

Omaggio a Filippo Lippi
Pala del Noviziato
会場:Galleria degli Uffizi (ウフィツィ美術館)
    Sala dei Lippi(リッピの間)
会期:2010年4月27日から2010年5月31日まで
休館日:月曜日、5月1日
開館時間:8:15-18:50
入場料:6,50ユーロ