不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Rimozione del Cavallo di Ceroli

2007-08-30 00:39:00 | 日記・エッセイ・コラム

朝、ボーっとした頭でいつものように仕事に向かっていたら
見慣れた馬が宙吊りにされる場面に遭遇。

Cavallo_01
巨大なブロンズの馬が宙に浮かんでいる。

ストロッツィ広場に夏の間置かれて
観光客の記念写真の恰好の的となっていたMario Ceroliの馬像。
「行け行け走れ!老いぼれジョン」
というタイトルも結構気に入っていた私。

なんてことはない普通のクレーンで無造作に宙吊りにされて撤去。
Cavallo_02
朝の通勤客もみんな足を止めて見呆けていました。
時間ぎりぎりでいつも通過するので、
この日もじっくり見ている時間のなかった私ですが
もし暇だったら絶対に撤去作業の
一部始終を見ていただろうなぁ。残念。

なんかこれも夏の終わりを感じさせて
私をしょんぼりさせる一件でした。

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Ripulitura della Torre Pendente

2007-08-28 07:09:08 | アート・文化

1173年8月9日に着工されたときにはもちろん垂直で
実際はもっと高い鐘楼となるはずだったピサの斜塔。
建設途中で既に傾斜が認められ
結局高さ55メートルの現在の形での建設終了。
しかしその後も傾斜は続き、
地下水汲み上げなどにより状況は悪化。
それを受けて1964年に
イタリア政府が崩壊回避のための行動に移り
世界の技術者や企業に対して支援を依頼。
1990年には安全上の問題で一般公開を休止して
地盤の強化も含め様々な対策が練られた結果
10年の作業を終えて2001年には傾斜是正に成功し
とりあえず現在は崩壊の危機から解放されています。
錘を載せたり
地盤の強固化を図るための薬剤注入なども提案されましたが
最終的には2本のワイヤーで支えながら
2年の歳月をかけて少しずつ
北側の土(42立方メートル)を掘り出して
地盤の均衡を図ることで問題を解決しています。
これにより1817年の時点で計測された
「最良の状態」に戻すことに成功。
崩壊の危機は免れたものの
それでも今後どのような状況の変化が
起きるか予測できないこともあり
現在も入念な調査が続けられています。

そんなピサの斜塔も他の歴史的モニュメントと同じように
スモッグによる汚れが付着して薄汚れた感じになっています。
この再洗浄作業が現在続けられています。
総洗浄面積は約7000平方メートルで、
終了は2009年半ばの見込み。

2007年夏季シーズン中は初めての夜間開館も実施され
8月中は23:00まで
9月30日までは20:30まで斜塔に登ることができます。
そのため8月中の斜塔の洗浄作業は23時から開始されます。
朝7時までの夜間修復作業。

この洗浄作業を進めるためにモニュメントには
保護壁を取り付ける必要がありましたが
もちろん余計な負荷をかけて傾斜増幅を起こしてはならないため
非常に軽い素材の保護壁が利用されています。
周りの地盤に足場を架けることができないため
それぞれの階に環状の薄い金属壁を取り付けています。
使われているのは
競技用自転車に使われるのと同じ軽量アルミ合金。
これにより軽量でモニュメントに負荷をかけず、
また見学者の視覚を邪魔することのない保護壁が実現しています。

傾斜しているために傾きの下側に当たる部分は雨が入り込まず
滅多に雨水で濡れることがないため、
スモッグによる汚れは一切洗い流されることがありません。
これによって非常に厚いスモッグの黒い膜が大理石に付着し
更にそれが太陽熱で温められることによって
汚れの膜が剥離していきます。
汚れ膜の下で起こる化学反応により
炭酸カルシウムが重炭酸塩となり
水に溶けやすくなってしまっているため
洗浄作業はきわめて難しくなっています。
まずはそうした水溶性の高くなっている部分を固めて
レーザー洗浄を繰り返しているのだとか。
一方傾斜の上側になる部分は雨水に晒されるため
カルシウム分が付着して層を成しています。
この頑固なカルシウム層の除去作業も必要になります。

今回の大掛かりな洗浄作業に際して
すべての装飾品のリスト化も実現しており
24500に及ぶ石のパーツの一点一点がチェックされています。
こうした資料が後の時代に有用になるのでしょうね。

気の遠くなるような緻密な作業によって
こうした歴史的モニュメントは保護・保管されていきます。

こういう部分でのイタリアの努力には本当に頭が下がります。

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Alla piscina in cascine

2007-08-26 17:30:09 | 日記・エッセイ・コラム

Alla piscina in cascine
夏は終わりかと思った先週。
しかしまだ暑かった。
夏好きとしては嬉しい限り。

ということで何もしない日曜日に
一番近いプールに行ってみました。
さすがに太陽の下は暑いけれど
水は心地よく冷たくて
そのせいかほとんど誰もプールに入らず水辺で甲羅干し。

一日中友人とおしゃべりして過ごした水辺の日曜日。
平泳ぎで3往復したら家に帰るころには筋肉痛。
体力も落ちたし、筋肉も弱ったなぁと実感。

Pavoniere in Cascine


Crollato il cornicione

2007-08-26 00:15:29 | 日記・エッセイ・コラム

夏休みでどこもかしこも
個人商店はお休みという感じのフィレンツェでした。
来週からはかなりのお店が営業再開になりますが、
まだまだ寂しい感じ。

私が新聞を買う共和国広場のエディーコラも
先週までお休みだったので
その間はVia Panzaniにあるエディーコラで
通勤途中に新聞買ってました。
ホテル・アストリアの脇にあるキオスクですが
ここにはでっかいゴールデンレトリバーがいて
番犬のわりには人懐っこすぎて
誰にでも愛想良くて
毎朝私に擦り寄ってくる可愛い奴なのです。

このエディーコラの前にある
ホテル・アストリアの最上階部分から
石造りの軒の一部が崩壊・落下。
金曜日の朝の出来事で、土曜日の新聞に載ってました。
まさにゴールデンレトリバーのいるエディーコラの目の前。
朝9時前でちょうど40-50人の日本人観光客のグループが
その辺りを歩いて通過していたらしく
エディーコラの親父さんが叫んで危険を知らせたおかげで
怪我人を出さずに済んだようです。

1300年代の建物ですが、
もちろんホテルが利用していることもあって
セキュリティー対策はきちんとしていたということですが
ここ数日続いた雨のせいで
軒先の金具と木を使っている部分が弱り
石の重みを支えきれなくなったのだろうとのこと。

石と木と金属が上空から落ちてきて
大事故にならなかったのが奇跡ですが
当たり一帯100メートルの範囲に残骸が飛び散ったとか。
幸いにも夏休み中で人通りも車の量も少なかったので
大きな混乱も起きずに
10時にはすべてきれいに片付けられたようです。

ホテル・アストリアは現在4つ星カテゴリーですが
5つ星カテゴリーへのランクアップを図るために
12月から内装・外装の改装を始めることになっていたので
今回の事故を教訓に外回り部分のチェックを強化するとか。

古い建物ばかりのフィレンツェですから
建物から壁が剥落したり
雨どいが落ちてきたりするのは実は日常茶飯事。
みんな頭上にも気をつけて歩きましょう。

私の行きつけのエディーコラがまだお休みだったら
ちょうどその時間帯に
事故現場の目の前のエディーコラで
のんきに新聞を買っているところでした。
もしかしたらボーっとしていて
石の破片に当たっていたかもしれない…。
エディーコラの番犬ゴールデンレトリバーも
そりゃぁかなり驚いたことでしょうな。
ちょっと様子を見に明日行ってみよう。




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I regali di Compleanno

2007-08-25 23:43:03 | 日記・エッセイ・コラム

人に贈り物をするのも
贈り物をいただくのも大好きではありますが
なかなか難しい。
誕生日のプレゼントってすごく悩むのは私だけじゃないはず。

特にいつも困ってしまうのは父へのプレゼント。
きっと何を贈っても喜んでくれるのでしょうけれど。
遠く離れているからこそ、
私からのプレゼントは何よりも嬉しいらしく
それでも頑固親父なので私の前ではそっけない素振り。
でもお店の常連さんなんかには自慢しているらしい。
まぁ、うちのパパらしいなぁと思いつつ。
でも母の話では
これまで送ったイタリア製のシャツなんかは
後生大事にタンスの中に仕舞いこんでいるのだとか。
それじゃぁ、意味がない…。
そんなこともあって先日の父の誕生日には
食って消えるものを送ることにしました(爆)。
しかもお店でお客さんと一緒に食べることもできそうなもの。
つまりビールや焼酎に合うもの。
(本領発揮のカクテルには合わないかもしれないが)
ネット注文して発送してもらったのは「餃子」。
今年の日本は暑いみたいだし
こういうもの食べて
スカッと元気に乗り切ってねって気持ちもこめて。
注文するのが送れたので誕生日には間に合わず、
明日配達になるようでまだ感想は聞いていないけど。
まぁ、がっかりはしないでしょう、たぶん。

で、昨日誕生日を迎えた友人へのプレゼントも
2ヶ月も前から悩み続け、
これにしようかあれにしようか
決めかねているうちに目当てのものを売っているお店は
どこもかしこも夏休みになってしまって
いよいよ切羽詰った私。
誕生日当日は忙しくてお祝いしてあげられなかったので
日曜日に食事を一緒にすることに。
なので今日中にプレゼント見つけなくては!!
で、自分がずっと欲しかったものを送ることにしました。
結局いつも「自分が欲しいもの」を
誰かにあげることになるんだよねぇ。
ほしいものを言ってくれると助かるけれど、
それではなんかこう、渡す瞬間のどきどきが半減するしねぇ。
明日彼女はどんな反応示してくれるかなぁ??