不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Senatore Kennedy e Firenze

2009-08-27 20:25:06 | うんちく・小ネタ

最後のケネディといわれたTed Kennedyが永眠し
フィレンツェにも衝撃が走りました。

フィレンツェが一番苦しかったときに
手を差し伸べてくれた人物として
現市長のRenziも弔辞コメントを発表しています。

そう、フィレンツェが苦しかったときというのは
1966年11月4日のアルノ川の洪水のとき。
洪水で大打撃を受けたフィレンツェの街にやってきたのが
Edward Kennedyその人だったわけです。
彼のイタリアとの長くて深い付き合いはまさに
このときから始まったのだといわれています。

大洪水の直後にFiat元会長で故Giovanni Agnelliが
電話をしたことがきっかけで
Ted Kennedyはフィレンツェに赴き、
国立中央図書館で他のボランティアたちとともに
泥まみれの書籍の救出に手を貸したのだそうです。
このときからKennedy氏はフィレンツェを愛し
たびたび旅行にも訪れていたようで
最後の訪問は2006年11月だとか。

フィレンツェとケネディ家の繋がりって実はあるらしく
Jacquelineは「世界はフィレンツェを必要としている」
という言葉を残していますし、
どうもSan Giuseppe教会には
ケネディ家にまつわるものがあるらしい!!

Chiesa di San Giuseppeの中のCappella del Santissimoに
Via Curcis (十字架の道)の13番目の留があり
それはJohn Fitzgerald Kennedyに捧げられているものだそうです。
ちなみに他にはガンディーやマルティン・ルーター・キングに
捧げられている留もあるそうです。
あぁ、知らなかった。

早速今週末確認に行かなくては!

Ted Kennedyの冥福を祈りつつ。


L'origine della parola Ferragosto

2008-08-19 09:04:24 | うんちく・小ネタ

イタリアでは8月15日はFerragosto(フェッラゴースト)といって
一般的にどこもお休みです。
なぜ8月15日、そして聖母被昇天祭にあたるこの日を
Ferragostoというのか。

まず、聖母が深い眠りにつき
イエスの元に召還されたとされる日は定かではありません。
1950年にカトリックの教義として
正式に8月15日を聖母被昇天の日と認定してから
Ferragostoの祝日と重ねられるようになったのです。
つまりFerragostoという言葉自体は
聖母被昇天を表す言葉ではありません。

ではFerragostoとはなんなのか。

古代ローマ共和制時代には
主要な農作業の締めくくりがこの時期にあたり
それを祝う庶民的なお祭りが各地で行われていたようです。

そのお祭りでは労働者(農民)は雇い主を訪れて
農作業の一通りの終了報告とお祝いの言葉を述べ、
わずかな謝礼を受け取っていたようです。

古代ローマ帝国の時代、このお祭りは
Ottaviano Augusto(アウグスティヌス帝)を称えて
このお祭りやその後に続く休暇は
Augustaliと呼ばれるようになります。
またローマ帝国時代のお祭りでは
通常は農作業に借り出される家畜(ウマ、ロバ、ラバ)などが
農耕器具を下ろして花で飾られたり、
もしくはそうした農耕馬によるレースが行われたりしました。
この名残が現在も8月16日にシエナで行われる
有名なPalio dell'Assunta(パリオ・デッラッスンタ)です。

このお祭りは後にルネッサンスの時代になると
教皇庁によって慣例化され、
キリスト教領の各地に広まっていきました。

Ferragostoという単語の起源は
ラテン語でFeriae Augusti。
つまりAgosto(グレゴリオ暦では8月)のお休みという意味。

典型的なイタリアのお祭りだといわれていて、
他のヨーロッパ諸国ではまれに見られる程度らしいです。

いつの頃からかイタリアではFerragostoは海水浴の日
という概念が定着しているため、
多くの人が海へ繰り出すのですが
最近はそうした混雑を避けるという意味で
この日に山や湖へ出かけて休日を楽しむ人も増えています。


Webcam sul sito del Vaticano

2007-08-02 15:24:10 | うんちく・小ネタ

ヴァチカン市国のサイトがリニューアルしてました。
すっきりなんだかきれいにまとまって見やすくなってます。
ちゃんと5ヶ国語対応。

そして新しく「ウェブカム」5台導入。
1.ヴァチカン庭園から見るクーポラ
2.回廊から見るサン・ピエトロ広場
3.クーポラから見るサン・ピエトロ広場
4.前教皇ジョヴァンニ・パオロ二世のお墓
5.クーポラから見るヴァチカン庭園

毎日隈なく見ていると教皇の姿とかも見れるのだろうか。
そんな暇じゃないからしませんけど。

遠くにいてもヴァチカンを近くに感じたいときにお奨め。
ふむ。
天使と悪魔の撮影が始まったら、
そんな風景も見えるのかなぁ?

夜景も結構きれいなので、じっと見入ってしまいしました。

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Che fine ha fatto l'idrogeno ?

2007-06-14 15:22:09 | うんちく・小ネタ

私は理数系の科目はまったくもって苦手。
算数から始まって物理にいたっては
何のことやらちんぷんかんぷん。

なので水素のことなど難しいことはわかりません。
この世の中で最も軽い元素が水素。
水の惑星「地球」にはこの水素はいろんな形で存在していて
全元素のなかの総量の90%を占めているのだとか。
地球上に水素のままで存在するのはごく少量で
天然ガスに微量に含まれているほど。
環境対策があちこちで論じられる中
未来のクリーン・エネルギーとして注目されるのが
この水素を上手に利用したエネルギー。

地球上に存在する物質から水素を取り出して
酸素と結合させる時に生まれるエネルギーを使うということらしい。
そんなわけで排気ガスの代わりに水蒸気がでるだけの
まさにクリーンなエネルギー。

では問題は何から水素を作るかという点。

イタリアはこういう問題に無頓着なのかと思いきや
実はフィレンツェの目と鼻の先で
地道な実験と研究が繰り返されています。
フィレンツェとリヴォルノを結ぶ自動車専用道路。
この幹線上にCollesalvettiというジャンクションがあり
その先に大きなAGIPのガソリンスタンド。
ここでガソリン、メタンガスと並んで「水素エネルギー」も供給中。
とはいっても現在はこの水素エネルギーで走行できるのは
改造されたわずか4台のFiat社Multiplaのみ。
ピサの外れにある会社ILTが開発したもので現在試験稼働中。

水分子を分解することによって
水素を取り出しているらしいのですが
このためにガソリンスタンドの屋根の上には
分子分解に必要な熱エネルギーを採取するための
ソーラーパネルが埋め込まれていて
地球の恵みだけを使って
エネルギーを生み出しているところが特徴。
なんと世界で唯一の
クリーンエネルギーの生産&供給の場所となっているのだそう。

現在はこのフィレンツェ-リヴォルノ間に一基のみですが、
近いうちにマントヴァ、キエーティ、トリノにも設置される予定。

太陽の恵みの豊かなイタリア。
この豊富な太陽エネルギーを利用しない手はないのです。
環境改善のために一役担えるとしたらすごい!!

もちろん水素エネルギーは開発途上。
水素エネルギーを利用できるようなタンクを搭載するのには
それなりの投資が必要になるので、
大手自動車メーカーも渋い顔を続けているらしい。
Multiplaを水素エネルギーで満タンにしても
走行距離はわずか120キロ。
(伊豆から東京まで、フィレンツェからピサまで片道は行ける!)
オリジナルが100馬力のところ
48馬力まで落ちるのでパワーがなくなるけれど
街中の日常使いには特に大きな問題はないはず。
水蒸気しか排出しないので
文化遺産が山ほどあるイタリア各都市の市内を走ることも可能。
環境問題についての「京都議定書」も大いに尊重。

現在は100%水素エネルギー車の開発と並んで
既に利用されているメタンガス利用車を改造することで
30%の水素ガスを混合して排気ガス量を減らす開発も進行中。
こちらなら現存のメタンガス対応車に
そのまま導入が可能ということで
少しずつシフト移行ができるとの見通し。

開発にはまだまだコストがかかりそうですが
実現すれば高騰を続けるガソリンに比べて
格段に安いエネルギーとなり
満タンにしても6-7ユーロ(税抜き)。
1ユーロで15キロ走行できる見込みなんだそうです。
現在ガソリン満タンにすると
40-50ユーロかかってしまうのに比べたら夢のような話。

家計にも環境にもやさしいなら、頑張れイタリア。

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Il Braccialetto Pitagorico

2007-06-10 16:19:49 | うんちく・小ネタ

シリコン製のブレスレットって流行りましたよね。
「ほっとけない、世界のまずしさ」をスローガンに
全世界的に展開された
ホワイトバンドプロジェクトのときに。

その後もシリコン製のカラフルなブレスレットは
イタリアではサッカーチームのオフィシャルグッズなんかにも
仲間入りしています。

フランスの雑貨&インテリアメーカーが販売している
シリコン製のブレスレットはなんと
掛け算九九が書き込まれたもの。
カラフルで可愛らしいけど
掛け算九九を覚え歌で
幼い頃に脳みそに叩き込んでいる日本人には不要かも。
Braccialetto_pitagorico

一本に一段ずつ。
10本揃えで身につけていないと意味がないの?

イタリア人は引き算も苦手ない人が多いくらいなので
掛け算に苦労している人も多いらしい。
そんな人向けに?!

おしゃれでつけていたらかっこいいけど、
実務でつけていたらちょっとかっこ悪い!

プレゼントにしたいんだけど、誰に贈るかが問題。
シャレのわかる人を選ばないとね。

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