不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

una scappatella dal caldo torrido ~Lago Kawaguchi

2020-08-15 23:55:00 | ニュース
暑さから逃れるドライブ。
今日は河口湖。

定点観測富士山の写真についたイタリアの友人からのコメントを読んだら
河口湖の大石公園からの富士山を見せてあげたいなと思って
朝からライブカメラで様子を確認して
お昼に平和を祈念する黙祷を捧げてから
いそいそ出かけてみた。

しかし、
到着したら雲が出ていて富士山見えず。


でもそれはそれでいい感じの夏の写真。

春に来たときは整備中だったコキア畑もきれいになって
富士山バックに撮りたい気持ちがむくむく。
また近いうちにリベンジしよう。



ラヴェンダーのソフトクリームが美味しいので
今日も食べようと思ったら、
季節限定シャインマスカットのソフトクリームを見つけちゃって
そちらを選択。
支払いを済ませてテラス席のテーブルに持っていく数十秒で
すでに原型を留めないまでに、溶けた。
恐るべき暑さ。


シャインマスカットは
フルーツそのものを食べたほうがおいしいわ。

富士山待ちでしばらく待機していたけれど、
レイラも飽きちゃったので
諦めて移動。
河口湖畔をぐるりと廻って
道の駅かつやまの前に広がる小海公園から遊歩道散歩。



今年の夏は湖で遊ぶ人も多いような気がするなぁ。
これもCovid-19の影響なのかなぁ。
いつもより人出が多いとはいうものの
こんな静寂な時間も楽しめる。
湖面に繰り返す波を見ているだけで
心がすぅっと鎮まっていくし
このキラキラはいつまでも見ていられる。



太陽が照りつけても
水辺にいるだけでやはり涼しい。
泳ぐわけでも
釣りをするわけでもないけれど
レイラと岸辺を歩いているだけで
上等な避暑なのだ。








una scappatella dal caldo torrido ~ Lago Matsukawa

2020-08-14 23:55:00 | 日記
夏休みっぽい暑さが続く日々。

吉川さんのライブもイタリア行きもお預けの夏休みは
久々にレイラとまったりできる休暇。

午前中ちょっと雑用を済ませてから
近場へドライブ。

県を跨ぐ移動は慎重にと言われても
やはり他県ナンバーの車の多い伊豆地方。
とりわけ海岸線は、
例年ほどではないにしても
渋滞していそうな気配なので、
伊東の海側を敬遠して
自宅から山を超えて山の中へ。

伊東市の生活用水を供給する奥野ダムが作り出す松川湖。
春は桜、秋は紅葉、初春は梅と
花を愛でるのにもってこいの環境なので
わりとよく立ち寄るスポット。

すごく涼しいわけではないけれど
街中に比べれば風が吹き渡って心地よいし
なにより水辺なので、
それだけで涼しい気になる。



梅林をなんのあてもなく彷徨う1人と1匹。

この梅林の隅には
不釣り合いなモニュメントがあって。


よくみないとわからないけれど、相撲のモチーフ。
伊豆韮山の蛭ヶ小島に流されていた源頼朝を慰めるために
地元の豪士・伊東祐親が主催した巻狩りのあとの余興の相撲がこの地で行われたそうで。
その時の、祐親の息子で剛力と名高い河津祐泰と俣野景久との取り組みで繰り出された技「河津掛け」を記念して作られたものらしい。

伊東祐親、河津祐泰とくれば曽我物語で
叔父の眠る曽我の墓所霊園には
その仇討ちの主人公である曽我兄弟の母の満江御前の墓があり
昨夏から、何かにつけて気になっている。
そんなアンテナに、
ちゃんと引っかかってくるから面白い。

松川湖は湖畔一周4800メートルで、
ダム堰も含めて
遊歩道をぐるりと歩いて周ることができるので
灼熱の太陽の下、無謀にもレイラと歩き始める。




木陰は涼しいし、そんなにアップダウンがあるわけでもないので楽勝。




ただしダム堰の上だけは日陰になるものもなく
烈火に炙られた歩道をレイラに歩かせるわけにもいかず、
そこだけは抱いて通過。




遊歩道にあるレトロなデザインの柵。
なかなかかわいい。

コースの途中にはベンチや水遊びのできる広場もあって
涼をとり休みながら進めるので、
真夏でもそんなに辛くはなかった。


密を避ける必要もないくらい
誰もいない。



以前は芝桜が咲いていた広場は再整備されたよう。



7月にあんなに降り続いたのに
ダムの水位はかなり下がっていてびっくり。
あの水はどこに行ったんだ?



パンパースグラスが風に揺れている。
いつもはもうちょっと季節が進んでから開花するのに、
今年は早いような気がする。



のんびり歩いても1時間ちょっと。
レイラとお散歩にはもってこいのコース。

秋にまた遊びに行こう。







劣化する語学力

2020-08-06 12:59:54 | Tra la mente e il cuore

なんてことはない、放置しすぎたので、書いてみようかなと思っただけ。

今朝、通勤の途中で、
三島駅新幹線のチケット売り場を横切ったのだけれど、
その時視線の端に、
何か呪文のように唱えているおじさんの姿。

よく見ると、かなりご高齢なユニフォーム姿の駅員さん。
もしかしたら正社員さんではないかもしれない、おじさん。
胸の高さくらいのところで律儀に両手で小さな冊子をもち
それを一生懸命音読しているようで。

後ろを通り過ぎるときに聞こえてきたのは、
ぶつぶつと繰り返す英語のフレーズ。

外国のお客様の利用も増えてきていた三島駅。
勤務する以上はちょっとした英語でのコミュニケーションが必要だったので
会社から支給されたのか、もしくはご自分で作ったのか、
駅で必要な簡単英会話のリストを用意しているのでしょう。

Covid-19の影響で利用客がぐっと減り、
ましてや外国のお客様など、ほとんど姿を見かけないここ数ヶ月の三島駅。
それでも漫然と朝の勤務時間を過ごすのではなく、
時間ができたらさっと冊子をとり出して
自分でスキルアップの努力をしているのかなと。

その姿に、
己も死ぬまで貪欲に学び続けなくてはいけないなと心を新たに。
とりわけ語学というのは、
一朝一夕でどうにかなるものではなく、
たとえ使う機会がなかったとしても
日々ブラッシュアップしていかなくちゃいけないものなんだから。

とは言いつつも、
私のイタリア語力は日に日に劣化していっている。
もともと、イタリア語で自分が理解したものを
誰かに日本語で伝えることがとても苦手で
あぁ、同時通訳は絶対できないと思って諦めているけれど、
歳を重ねて、イタリアを離れて
ますます日本語への置き換え作業が苦手になっている。
努力が足りないってことに尽きるわけですが。

相手のあるコミュニケーションの中では
想定外の展開にもなるし、
決まり文句じゃ凌げない場面のほうが圧倒的に多いので、
語学って使えるフレーズを丸暗記しただけじゃ意味がないという方も
たくさんいらっしゃいますが、
なにもしないよりはずっといいわけで。
そういう、誰かのために何とかしたいという気持ちこそが、
実は語学の域を超えて、
相手に伝える原動力になったりするわけで。
伝えたいことがあること、
伝えようという気持ちがあること。
文法よりも語彙数よりも、それがとても大切だと私は思っている。

だから、
駅員さんの今朝の努力が報われる日が来ようが来るまいが
その時間は決して無駄になることはないよね。