不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Caccia al DNA di Giotto

2010-08-31 19:08:51 | アート・文化

先日はPORTO ERCOLE(ポルト・エルコレ)の
墓地から見つかった遺骨が
カラヴァッジョのものであると確定され、
その前にはフィレンツェのサン・マルコ教会に眠る
POLIZIANO(ポリツィアーノ)と
PICO DELLA MIRANDOLA(ピコ・デラ・ミランドラ)の
それぞれの遺骨の分析により
どちらも毒殺されていることが確証されるなど
遺骨の科学分析調査が花盛りのイタリアです。

この遺骨の科学分析を行うチームは
今ではRIS dei Beni Culturali(美術遺産の科学警察隊)
とまで呼ばれるほど有名になっています。
イタリア国家の管轄下にある機関で
大手銀行、大学などが資金援助を行い、
最新の科学技術を駆使して調査活動を続け
歴史の闇に光を当て、
歴史自体を書き換えることもしばしば。

たとえば、
ロレンツォ・ディ・メディチの時代に活躍した哲学者
ピコ・デラ・ミランドラはかなり以前から
専門家の間では彼の思想のせいで
毒殺されたのだといわれていましたが、
確定できる証拠がありませんでした。
またピコと親密な交流のあったポリツィアーノについては
梅毒により命を落としたのだと考えられていて
毒殺の可能性は低いとされていました。
しかし、それぞれの遺骨の調査を行うことによって
ピコだけでなくポリツィアーノも毒殺であり、
かなり高い可能性で
同じ人物によって殺されたものと結論付けられています。
カラヴァッジョの調査時と同じように
骨に残留する金属物質の濃度を調べることによって
両者の骨には毒殺時にしか体内に吸収されないという
かなりの量の砒素の蓄積が見られたということです。
当時は砒素も薬として使われていたそうですが、
それにしても
二人の骨の残留量は尋常ならない量だったようです。
両者とも毒殺の可能性が高いと結論が出てからは
古文書上の調査が続けられ
毒殺の仕掛け人はMARSILIO FICINO(マルシリオ・フィチーノ)
であろうという説が有力になっています。
フィレンツェのラウレンティアーナ図書館に保存されている
1494年のピコとポリツィアーノ連名の手紙が
決め手となっているようです。
その手紙とはどうやら
魔術やオカルトに傾倒し始めたフィチーノを
異端者として異端裁判所に突き出すという内容の
脅迫文らしいのです。
これを知ったフィチーノが先手を打って
両者を毒殺したのではないかといわれています。

そして今度はGIOTTO(ジョット)の遺骨が調査対象に。
1972年にフィレンツェのドゥオーモの前身であった
Cattedrale di Santa Reparata(サンタ・レパラータ寺院)から
発掘された遺骨はジョットのものといわれていますが、
確固たる証拠はまだ見つかっていないのです。
頭蓋骨、下顎骨、脛骨などが見つかったのですが
人骨であり、かなり高齢で亡くなった男性の骨であることは
1972年当時も確定でき、
鉛、水銀など当時の絵画用絵の具に多く含まれていた
化学物質の多量の残留が確認されたことから
画家の遺骨であることに間違いはないようですが
ジョットであるという証拠はまだ見つかっていません。
また頭蓋骨に肉付けを行い肖像を起こし
PADOVA(パドヴァ)のCappella degli Scrovegni
(スクロヴェーニ礼拝堂)に描かれたジョットの自画像との
比較対照も行われましたが、いくつか疑問が残ったまま。
というのも遺骨のあった墓が発掘された場所は
寺院の南部でしたが
1549年の記録では
ジョットは墓地の北部に眠ると記されているのです。
また遺骨とともに埋葬されていたコインが
ジョットの時代のものと異なっているのも不確定要素のひとつ。

9月からこのジョットの遺骨についての
炭素分析とDNA検査が開始されます。
カラヴァッジョのケースと同様に
苗字から子孫を探し出し、DNAの鑑定を行うことによって
遺骨の確定を進める方針。


O Sali sull'aereo o sul treno ?

2010-08-27 19:58:46 | 日記・エッセイ・コラム

フィレンツェにいると
どっちでもいいやって気分になるのですが、
イタリア国内の移動に飛行機を選ぶか列車を選ぶか。

ローマとミラノに住んでいる人には
選択肢としてありうる話だけれど、
これは地方都市とか島部に住んでいる人には
全然関係ない話です。

一応首都であるローマと
経済の中心であるミラノ。
この2都市間の距離は約600キロ。
1年半前にイタリア国鉄が
高速路線の拡張に本腰を入れ、
昨年12月にローマ-ミラノ間の高速線が実現し
180分で2大都市を結ぶことができるようになり
マーケットが動いたのです。

それまでローマ-ミラノ間は
もっぱら飛行機で移動するものと思われていたのですが
いまや55%は鉄道利用。
37%が飛行機利用で
残り8%は自家用車・バイクもしくは長距離バスを利用。
高速路線が導入される前の
鉄道利用者率は35%だったところから
まもなく60%に手が届くという成長ぶり。

これで1年後に
Luca Cordelo di Montezemoloが創設した
新しい私鉄会社NTVのイタロが導入され
鉄道の価格競争が始まれば
またさらに鉄道利用者が増える気もします。

しかしながら、リナーテ-ローマ間の空の便を
独占しているアリタリアは
この状況にもびくともせず、
「ビジネス需要はまだ空の便が有利」と。
実際儲けの出るビジネス利用者で比較すると
70%は飛行機を利用しているということで
まだまだその壁を崩すのは難しいのかも。

ちなみにローマとミラノのちょうど中間くらいにあって
ローマには飛行機でも行けるけど、
ミラノには運行路線自体ないというフィレンツェでは
どっちに行くにも鉄道利用がお手軽。
ローマから先乗り継いでどこかに行くなら話しは別ですが
ローマまで行くだけなら空港までの移動時間も考えれば
わざわざ飛行機に乗る意味がない(笑)。

ちなみに各都市間のトータルの移動時間は
下記の通り、参考までに。
●ローマ-ミラノ●
飛行機(純粋なフライト時間のみ):1時間15分
飛行機(移動、チェックイン、搭乗、フライト合計):3時間15分
鉄道:3時間
●ミラノ-ナポリ●
飛行機(純粋なフライト時間のみ):1時間15分
飛行機(移動、チェックイン、搭乗、フライト合計):3時間15分
鉄道:4時間10分
●トリノ-ナポリ●
飛行機(純粋なフライト時間のみ):1時間20分
飛行機(移動、チェックイン、搭乗、フライト合計):3時間20分
鉄道:5時間
●ローマ-フィレンツェ●
飛行機(純粋なフライト時間のみ):1時間
飛行機(移動、チェックイン、搭乗、フライト合計):3時間
鉄道:1時間35分

まぁ、どっちもストライキされる可能性があるので
どっちかがだめだったときに
もう一方が選択肢として残っているとありがたいけどね。


La battaglia per un piccolo spazio

2010-08-25 19:45:01 | Billy,Layla e Ciccino

前回のレイラに襲撃されて呆然とするチッチーノ
皆様からかなりの反響をいただきました。

本当は仲良くないのでは
と疑っている方もいるかもしれません(笑)。
チッチーノ先住猫なのに、追いやられてかわいそう
という方もいるかもしれません(笑)。

そんな方々のために気休め。

これ以上伸びませんというくらい伸びきって寝ているチッチーノ。
ソファーからはみ出てますから。
Cl_01
バレリーノになった夢でも見てるのか・・・。

と、そこへやっぱり割り込んでくるレイラ。Cl_02
L「よいしょ。にいたん、ちょっと邪魔でちゅよ。どいて。」
C「・・・。」

Cl_03
L「にいたん、あったかいから
朝晩冷えるときはありがたいわ。
こんな感じがいいかちら。
でもあんよがくしゃいわ。」

Cl_04
L「じゃ、ふかふかのお腹のほうに移動してみようかちら。」
C「・・・。」

数秒の試行錯誤の末、落ち着いたレイラ。Cl_05
L「こんな感じがほんのりあったかくてきもちいいわ。」
C「どうでもいいけど、自分のCucciaで寝てほしいニャ・・・。」

自分の寝床(しかももともとはチッチーノから奪い取った)は
真横にあるのに、それには目もくれず
わざわざチッチーノの脇に張り付いて眠るレイラ。

確かにチッチーノは程よくあったかくてふわふわしていて
一緒に寝るにはもってこいなのですけど。

我が家が小さいとはいっても
他にいくらでもスペースはあるのにね。
くっついていたいんだよね、レイラも寂しがり屋なので。

たとえ途中で安眠妨害されようとも
チッチーノは文句も言わずにいつも
レイラを受け入れて一緒にすやすや寝てます。


San Lorenzo

2010-08-24 18:51:09 | アート・文化

ローマ・イエズス教会に保管されている
「聖ロレンツォの殉教」が
カラヴァッジョの作品ではないかと話題になったり、
8月10日の流れ星が「聖ロレンツォの涙」だったり、
ここのところ聖ロレンツォが気になるので
改めてまとめることに。

聖ロレンツォは
紀元3世紀頃に実在したスペイン系のキリスト教徒で
スペイン北東部アラゴンから
ローマ教皇シスト2世に召還されてローマに入り
ローマの7人の助祭の一人となった人物。
助祭の仕事のひとつであった
弱者貧民の救済に非常に熱心で
教会のもつ財産を
困っている人々に分け与え続けたといわれます。
ローマ帝国が派遣した司令官(Cornelio Secolare)が
その教会の財を略奪しようと企てたときには
全てを貧民に分け与えた上で
その貧民を連れ立って司令官の元を訪れ
「この民こそが教会の財である」
と訴えたと伝えられています。
258年に行われた
ローマ皇帝Valeriano(ヴァレリアヌス帝)による
キリスト教迫害で捕らえられ殉教しています。
捕らえられた彼は、熱せられた鉄格子の上に乗せられ
熱で焼かれて命を落とすのですが
その場に居合わせたローマ皇帝ヴァレリアヌスに向かって
「こちら側は焼けたので裏返して更によく焼き
私を食べていただきたい」と吐き捨てたといわれます。

当時からアラゴンやイタリア領内での
聖ロレンツォ崇拝は根強く
10世紀以降ドイツや他のヨーロッパ圏内にも信仰が普及。
現在もこうした有名なエピソードから
惣菜屋、飲食店、料理人、消防士、ガラス職人など
火を扱う人々の守護聖人となっています。
また貧民の守護聖人でもあり、
彼の行った施しが受け継がれて、
フィレンツェでは8月10日の聖ロレンツォの日には
サン・ロレンツォ教会で
ラザニアとスイカの無料配布が行われます。
聖人を認識するシンボルとして最もよく使われるのは
殉教の焼き網や殉教聖人の棕櫚の葉、
また当時助祭が身に着けていた
ダルマチカを着て描かれることも多く
宗教絵画でも比較的認識しやすい聖人の一人。
また時に手に旧約詩編集を持っていることがあり
このことから司書や本屋の守護聖人でもあります。

Lanfranco_sanlorenzo_martire
Giovanni Lanfranco
Martirio di San Lorenzo
焼かれる聖人の視線の先にローマ皇帝ヴァレリアヌス。
高座に座って指差している人物がローマ皇帝です。

この作品はルッカの
Museo di Villa Guinigi所蔵ですが、
そういわれてみると本物見たことないかもしれない。
ということで近いうちにルッかに遊びに行って
ちゃんと見てこようかと思います。


Verde profondo a Vinci

2010-08-20 19:17:51 | 旅行記

なんか、ついこの間もいってたよねぇな感じのVinci村
前回は5月の訪問で春のヴィンチ村でしたが、
今回は真夏のヴィンチ村。
色が違います、色が。

2週間前の日曜日に
知り合いから「天気もいいし、どこか行きましょうよぉ」と
声をかけていただき、
友達にも声かけて出かけることに。

ただ電話をもらったのがお昼過ぎで
フィレンツェ出発時間が14時。
言いだしっぺの知り合いは海まで行きたかったようですが
その本人が20時に夕飯の約束があるということだし
海に行ってしまうと帰りの渋滞に巻き込まれそうだったので
海却下!!

友人がIKEAで買い物予定だったこともあり
まずIKEAに向かい、
友人が買い物している間に決めた行き先が
Vinci村だったのです。
フィレンツェから40分で行けるし、
きれいな空気楽しめるし、
私以外の3名は行ったことがないということなので決定!

真っ青な空と教会。
Vinci_a
サンタ・クローチェ教会。
中覗いてみたかったけど、
レイラも一緒だったので断念。
実はこの日、レイラはお外で初めて小用を足しました。
散歩に連れて行っても我慢していて
家でしか用を足さなかったのに、
車で揺られて長時間我慢したせいか
この教会の裏手の広場でちょろっと用足してました。

Vinci_b
村の中心。
これしかないっていえばこれしかないんですけど。

Vinci_c
レオナルドの人体模型図の下で嬉しそうに走り回るレイラ。
みんなに遊んでもらえて大満足。

Vinci_d
人体模型図の前から
渓谷を覗くと向こうの山肌がきれいなグリーンのグラデーション。
重なり合う緑に感激しながら
こんな景色見て育ったら、
教えてもらわなくてもこういう色使いするようになるよなぁと
レオナルドの絵画に思いを馳せてみたり。

Vinci_e
城壁の下、坂道の途中に置かれた
なんとも味のある石のベンチ。
レイラ休憩中。

Vinci_f
やっぱり行っておかないとね、
レオナルドの生家も。
あるガイドブックにはVinci村から
生家のあるAnchianoまでは歩いて30分と書いてあるようで
言いだしっぺの知り合いは歩いていきますかと
いってましたが、
その距離感を知っている私は断固反対。
車で行かないとこの猛暑の中みんな熱中症で倒れます。

生家の屋根の苔と古びた感じと
さわやかな青空のコントラストが田舎っぽくて好き。

Vinci_g
周辺に植えられたオリーブの木には
実がつき始めてました。
このグリーンと青のコントラストも夏っぽくて好き。

生家の駐車場に前回はサラミやさんだったけど
今回は蜂蜜やさんが移動屋台でお店を出してました。
養蜂マスクに気を取られて近づいていったら
気のいいおじさんが蜂蜜をたくさん試食させてくれました。
我々が試食している下のほうで
レイラがゴミ箱をごそごそしているのに気づいたおじさんは
レイラのためにも試食用スプーンに
たっぷり蜂蜜つけてくれました。

レイラが一番お気に入りだった(と思われる)
アカシアの蜂蜜を一瓶購入。5,50ユーロ。
今年の冬のハチミツジンジャーはここのハチミツで作ります。

ハチミツの横に
蜜蝋で作ったレオナルドの胸像キャンドルがあったんですけどね。
火を灯すとレオナルドの頭から溶けていく感じのね。
さすがに怖いだろうということで購入断念。
いまさら買っておけばよかったと後悔している私。