CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)

神戸・岩国の最新情報を中心に紹介していきます。歴史や時事について調べた結果を紹介。

須磨住友別邸跡の正門門柱

2017年11月08日 05時39分39秒 | 神戸情報
「神戸開港150年記念 須磨歴史紀行 神戸開港と近代の須磨」と題して例年の如く
スタンプラリーが実施されています。

これに参加してスタンプラリーの指定場所を回っている時に「須磨住友別邸跡の正門門柱」
と題した説明板が新しく設置されているのに気づきました。

門柱とともに2017年11月6日に撮った写真を紹介します。


上の写真は須磨住友別邸跡の正門門柱です。

現在、須磨海浜公園になっている場所は明治36年(1903)頃には旧住友須磨別邸
であった。現在は門柱だけが残っています。

住友家の15代当主住友吉左衛門友純(号で春翠)が明治36年(1903)に別邸として
建てています。本邸は大阪鰻谷にありましたが、春翠はここを大変気に入り
一家揃って須磨に本拠を移すほどであった。
須磨別邸の建築は、住友グループ本店の本社臨時建築部が総指揮をとり
大阪府立中之島図書館などを手掛けた技師・野口孫市によって設計。
また、日高胖(1875年〜1952年)も関与し建設されています。

須磨別邸は皆松荘(かいしょうそう)と呼ばれていました。
建築までの経緯を記述しておきます。
明治26年(1893)1月  須磨の海辺の土地を購入
明治33年(1900)    須磨別邸洋館建設に着手
明治36年(1903)4月  須磨別邸洋館本館(西洋館)落成
大正4年(1915)8月   須磨別邸東邸新館の上棟式
大正5年(1916)6月   鰻谷邸の家屋を移築、上棟式

敷地15,000坪に家屋総計761坪の壮大な家屋が建ち並んでいたそうです。
社交の場としても利用され東京の「鹿鳴館」と同じような役目を担っていました。

平成20年(1945)6月5日の神戸大空襲で焼失。貴重な建物と美術品が灰となりました。

昭和26年(1951)に住友家から神戸市に寄贈され、公園が整備されました。




上の写真は新しく設置された「須磨住友別邸跡の正門門柱」の説明板


上の写真はスタンプラリーの問題




上の写真はシーパル須磨の門として利用されている門柱と説明板


上の写真は上述のシーパル須磨の入口に掲示された説明版の中の「住友別邸」の
当時の写真(東京都立中央図書館木子文庫より)

明治末から大正期にかけて須磨海岸には名門の九鬼邸、小曽根邸、鈴木ヨネ邸
辰馬邸、川崎邸、滝川邸、松方邸、藤田邸、川西邸、西尾邸など神戸を代表する
著名人の本宅または別荘が建ち並んでいました。

住友家の15代当主住友吉左衛門友純氏についてWikipediaの解説より補足
引用させていただきます。

第15代住友吉左衛門を襲名
明治26年4月、住友15世をつぎ、隆麿を改め、住友吉左衛門友純と称した。
のちに春翠と号した。明治26年4月28日相続の式をあげ、以来家業を継承して、
別子銅山の鉱業を経営し、神戸市に銅貿易をなし、また再製茶及び
樟脳製造業を行い、滋賀県坂田郡醒ヵ井村において生糸業を営む、
広瀬宰平が総理人としてあり、実際の経営に当たるが、友純は別子銅山を
巡視し、各社を視察し、庄司炭坑を買収した。

しかし、友純入籍の後、困難な事態が発生する。別子銅山で技師金矢某の
事件があり、明治19年金矢と支配人広瀬坦は罰せられ、山根製錬所の監督
大島供清も罰せられた。25年2月、別子支配人広瀬坦は辞し、
宰平の甥久保盛明がかわる。しかし大島供清は宰平を失脚させるため、
郷里尾道に帰り、5万円の借用を願う。忠隈炭坑の買収に宰平の非行ありとし、
供清は退身勧告をなし、宰平に拒絶され、ついに宰平の弾劾上申書を家長に
提出する。
伊庭貞剛は単身別子山に上り、人々を鎮めるべく支配人久保盛明にかわる。

さらに新居浜に煙害問題があり、宰平弾劾が重なる。
友純は大島供清を須磨別邸に引見した。
供清は宰平退身の上申書をもって友純の前に出たが友純の説論をうけている。
住友家にとり総理事あるいは最高幹部の人事は重大であり、まして宰平は
大黒柱的存在であった。
しかし友純は西園寺公望の力を借りて宰平の辞表を受け取り、同時に大島
をも罷免して、喧嘩両成敗の形をもって取り収める。
あとは、宰平の甥伊庭貞剛につがすということで、おそらく宰平を納得
させたものである。


大正14年(1925)住友本邸は住吉に移されました。
神戸新聞がこれについて記載されていますのでリンクしておきます。

 https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201611/0009652355.shtml

現在はマンションになっています。
 所在地などは下記サイトで確認できます。
 http://www.sumitomo-rd.co.jp/pdf/020220.pdf

住友家について詳細に調査するのには住友史料館(京都市)があります(下記サイト)
 http://www.shiryokan.jp/index.html
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする