カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

ご無沙汰です

2010-08-27 | オデカケ



(岩手のハナエです 誰にでも飛びかかるのが悪い癖です、ごめんちゃい)

ちょっとブログを放置していてゴメンナサイ。
暑さのせいか?年のせいか?夏休み明けから体調不良の為何かをする気力が起きず・・・
なかなかPCの前に座ることが出来ませんでした。
まだ100%元気を取り戻すまで行かないのですが、涼しくなればなんとかなる・・?なればいいのですが。


8月中旬、夏休みは恒例の岩手への帰省。
あちらもすご~~~く暑くて、冷房がないから逃げ場がなくて常に暑い状態(といっても30度くらい)
いつもなら疲れを取ってくるのですが、朝晩も暑くてよく眠れず、今回は・・・参りました。


帰省の時の盛岡駅は通過点。
盛岡から東京までと、盛岡から旦那の実家まででは東京のほうが近い・・・(笑)
なので素敵な場所やお店はたくさんあるのだけど、最近はほぼ素通りの駅、となっています。
昔のように1週間とか休みがとれたら寄れるのになぁ。


 
今回は帰りに盛岡駅で新幹線の接続までの時間、遅いランチをとることに。
店は昼15:30までのところ15:00に入店したのでニクを焼く時間はなく・・・「冷麺」だけを食べて帰ってきました。

普通より一段階上の辛さでもあまり辛くなかった
ここの麺はゴムっぽくなく、コクがあるけどさっぱりとしたスープの美味しい冷麺でございました。

>>盛岡「食道園」

今度はニクも食べたい・・・



高所恐怖症の赤岳顛末記

2010-08-09 | ヤマのこと

2010.8.7(土)~8.8(日)のお話です。

以前から私には絶対無理、と思っていた八ヶ岳の主峰「赤岳」
怖い山には登りたくない、のが本音だけど、いつも自分を甘やかしてばかりも成長がない。
じゃあ、今年こそは挑戦してみよう!と1年前から決めていた8月8日八ヶ岳の日がきた。
幸い天気もよさそうだ。

出来るだけ早く出発したいから朝一の「あずさ」を取り、新宿駅6:30出発。
がなんと!中央本線・藤野~上野原駅間で倒木が発生ということで、新宿駅で立ち往生。
しばらくすると下り方面は大丈夫、と発車したものの途中駅で何度も停車するから嫌な予感がした。
バスの時間に間に合わないと、タクシー代¥5000かかるんだけど・・・

挙句の果て大月駅手前で「今日に限ってこのあずさは小淵沢まで各駅に停車します」
と各駅停車に変更され、各駅でイライラ待たされた乗客たちがわんさか乗り込み、
結局茅野駅8:54に到着のはずが、10:22にやっと茅野駅到着でグッタリ・・・


各駅停車と同じだけ時間かかったんだから、特急料金払い戻しは当然だと思ったら、
120分以上遅れないと払い戻しはしないって(怒)この日は90分遅れだからって!ちょっとひどい~

が、アルピコさんが親切バスの発車時間過ぎても待っていてくれたので、
なんとか11:15、やっと美濃戸登山口到着。
スタートからすったもんだした時、良かったためしがないんだよね・・・・


 
無事にココに戻ってこれますように・・・美濃戸口9:45スタートの予定が11:45出発。
涼しい、とは言い切れないけど東京の猛暑とは空気が全然違う。
まずは1時間の林道歩きでスタートです。



1時間でも汗びっしょり。「やまのこ村」の水が冷たくて美味しかった
ここで少し栄養補給して、いよいよ南沢へ。今日は「行者小屋」までです。



ああ、久しぶりのいい香り。八ヶ岳らしいコメツガの香りと苔の森を進んでいきます。



美濃戸口から行者小屋までのCTは3時間15分ですが、足が上がらなくてなかなか進みません。
白河原あたりを過ぎてからはほぼ平らな登山道になりましたが、ここからダラダラと長かった。
前方に赤岳が見えてきたときは嬉しかったなぁ。



15:35、約4時間かけてやっと「行者小屋」到着。お昼を用意していなかったのでお腹ペコペコ。
既にテント場は人で一杯!なんとか木陰に(暑かったので)空きを見つけ設置。
準備もそこそこ小屋になだれ込み、テラスで生ビール(¥800)タイム。


テント場の正面には大同心・小同心・横岳・赤岳・中岳・阿弥陀岳・・・
素晴らしい眺めでした!


赤岳展望荘が太陽に反射してキラキラ輝いています。
写真ではお伝えできない大迫力で迫る八ヶ岳オールスターズ、山好きにはたまらない景色でしょう。
が、私は眺めていられなくてテラスの中でビールを飲んでいました。

なぜなら・・・明日あそこを登るのかと思うと怖くて心臓バクバクで見ていられなかったからです


ここに来る前に色んな方のレポとか、こんな親切なルートガイドを見てイメトレしたのですが、
実際見てみると・・・

それに加えこの2週間、暑さに負けて運動もせずダラダラ過ごしたツケが廻って来たのか?
このテント場までの短い距離で、既に足が痛くなりやっとたどり着き疲労困憊だった私。
明日、あそこまで登り、降りてくることが出来るのでしょうか?
”怖い”に加え体調が思わしくなく、不安で一杯になってしまいました。



行者小屋はとてもキレイで快適そう。ビールもジュースもつめたい水もキレイなトイレもある。
夕方はインナーダウンを羽織るほど涼しく、下界の猛暑と比べたら夢のよう。
いつもだったらサイコーとか言ってる筈なのですが・・・みんな楽しそうだけど私は・・・



夕日で空が赤く染まっていく・・・
よし!頑張るぞと決意を胸に、19:30には眠りについたのだけれど・・・


++++++++++++++++++++++++++++++++++++

もともと眠りの浅い私だけど、12:00に目が覚めたら最後、
頭の中が怖い妄想で一杯になってしまい、眠るどころかもう半ノイローゼ(笑)状態に。

地蔵尾根を上がって、文三郎尾根で降りる予定できたのだけれど、
地蔵尾根が怖いのはまあ解るとして、赤岳展望荘から山頂までの尾根が恐怖で妄想炸裂。
あの立山で怖くて冷や汗がダラダラ落ち、足が一歩も前に出なくなった事を思い出して気持ち悪くなる。

そんなに怖いならなんでココにくるの?・・・でもここまで来て登らないのもあまりに悲しすぎる。
あの(私にとって)苦手なタイプの尾根を登らずに山頂に行く為には・・・
真夜中のテントの中で、一人妄想一人作戦タイム。
 

眠れぬまま予定時間が来て3:00起床。起きぬけのダンナに、
「私ダメ女のままでいい。怖くてあの尾根は歩けない。ピストンコースで行きます。
ダンナは地蔵尾根から来てください、山頂で会いましょう。」
と言う私。
ダンナ「はぁ

 
4:00、一度言い出したら聞かない性格を解っているダンナは、
呆れながらも私と一緒に文三郎尾根に向かい歩き出した。
いつもゴメン、ホントごめん、私のせいで歩きたいところを歩けなくて・・・。心の中で謝った。

まだ真っ暗闇の中、ヘッデン頼りに黙々と登った。



アミアミの階段は予想以上に傾斜がきつく、5歩くらい登っては息を整えた。
それでも黙々と登り続けると、横岳方面の空が赤く染まって行くのが見えた。



振り返ると阿弥陀岳の向こうに虹・・・。



なんて綺麗な朝の風景。ちょうど広い場所があったので一息入れ眺めることに。
テント場がもうずいぶん下に見えた。
すると同じ方面に誰も歩いていなかったけど、青年が一人テント装備で上がってきた。


 
あの荷物じゃ苦しいよね、辛いよね。頑張ってるね。
そんな彼の姿に元気をもらい、私もまた歩き始める。
これから先に出会うであろう高度感への恐怖で、ずっと無言でただひたすら登る。



いよいよ核心部の分岐に差し掛かった。向こうに見える山は何?景色を楽しむ余裕はなかった。


 
岩を登る、鎖を掴む、登る、そしてまた登る・・・こういう岩の登りは結構好きなんだ(雨じゃなければ)。



絶妙な場所に愛らしいプレートが。思わず笑みがこぼれた。


 
掴む、登る、梯子・・・、予習したのと同じ風景が出てきたということは・・・



・・・6:03、着いた、ここがあの赤岳のてっぺんなの?・・・


 
右手に山梨県側の尾根と町を見下ろし、ゆっくりと頂に立つ。
登ってこれたことに感謝し手を合わせた。



朝の幻想的な景色の中、秀麗・富士がくっきりと見えていた。
360度の大展望は、やはり登ってみなければ解らない素晴らしい眺めだった。



向こうには天狗岳、去年立った硫黄岳、ハイキング気分でバテバテになった蓼科山・・・ずっと見えている。
向こう側からしか眺めたことのなかった場所から見ると、こんな風に見えるんだね。
3年前、絶対こっちは無理だと思っていた場所に今立っている。

だけど今日、自分には歩く勇気がなかったこちら側の尾根。
本当はこちらから登って、今までの自分を乗り越えたかったが、やっぱり出来なかった・・・

じゃこっちを降りれば?ってそれは無理(汗)
ここまでで一番怖かったのは南峰と北峰の間だったのだ。
自分の怖いポイントは、狭い尾根歩きや、ふらっとしたら落ちてしまいそうな急斜面だというのがよく解った。
文三郎尾根は手すりや鎖があるので、怖いと思った場所はひとつもありませんでした。



山頂でバンザイ三唱をする団体さんの声、他人事のように遠くに聞きながら、来た道を戻ります。
下りは慎重に。でもルートは岩に囲まれているので高度感はなく、不安もありません。


 
権現岳へ向かい歩いている人がいて、見ているだけでクラクラ。
途中の斜面には「コマクサ」が咲き残っていました。今年初めてのご対面で嬉しかったな。



この時間になるとゴンゴン登ってくる人で一杯な文三郎尾根です。
廻りに気を使いながら登るのが嫌だったので、早めに出発して正解でした。
正面に見える阿弥陀岳、登るの?と思っただけで寒気がします(笑)
私は多分、険しい尾根歩きが嫌いなんだと思う。



行きは辛かった階段も、下りはありがたい存在。
結局冷や汗ひとつかかないまま、樹林帯へ。登ったんだから降りれる、という安心感でしょうか。



7:30、テント場到着。下りは1時間10分でした。

後になってみれば地蔵尾根からも登れたよね、と思うけど、
超ビビリの性格がそうさせてくれない。高所恐怖症以前の問題らしい・・・。



テントを撤収し、バスの時間に間に合うように来た道を帰ります。
南沢ルートは次回以降の為にとっておくんだ。


ほっとした安堵感からか、下山時、連日寝不足だった分の睡魔に襲われ辛かった・・・
最後の1時間林道歩きは足も痛いし。乗せてって~~な気分でした。
もうろうとしながら歩いてスタート地点美濃戸口到着。
八ヶ岳山荘で汗を流し(¥500)、生ビールでハラペコを満たし、バスに揺られ茅野駅まで戻りました。


乗り越えたかった自分の中の壁、でも乗り越えることが出来なかった。
不甲斐ない自分が悲しくて、赤岳に登った、という達成感がないまま終わった今回のチャレンジ。
楽しかった、という思いもないまま、情けなさと何か忘れ物をしてきたような不思議な気持ちだけが残った。
ブログも書くのどうしようかと?思ったけど、ありのまま記録に残すことにしました。



高所恐怖症に勝つことは出来ず、次への一歩を掴むことも出来なかったけど、
いつか岩にしがみついて咲いているこの花たちを、もう少し楽しめる自分になれるよう、
気持ちだけは少し先に持っていたいな、と思うのでした。


今週末からの夏休みは例年通りダンナの実家へ帰省なので、
私の2010年夏山はコレでおしまい。
これから夏休みの皆さんも、良い休日をお過ごしください~



おしまい。