カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

飯豊山は遠かった【後編】

2018-08-24 | ヤマのこと

前編はこちら

14:38
飯豊山を見上げていた私のスマホに ダンナさまからの着信
開いてみるとそこにメッセージはなく ただ一枚の画像が届いていた


え?( ̄ω ̄;)??
飯豊山頂?どう見ても切合小屋ではない・・・・

三国岳小屋から山頂はCT片道4時間以上だったはず 小屋を出てからまだ2時間しか経ってないけど
















飯豊山頂はガス、周りの景色は一瞬しか見えなかったらしいけど
それでも自分の足で登ったものしか知りえない その瞬間 輝く風景がそこにはあった

まさか・・・あの時間から山頂まで行くなんて・・トレランか!(笑)

*  *  *  *  *   

その頃、三国岳小屋では管理人さんの知り合いのご夫婦や
同じ様にバスで来て登ってきた大学生男子やソロの男子が泊まることになり、
夕飯の支度で賑やかになっていた

c「Kさん見て見て、今ダンナから送られてきた画像」
K「あれ?本山まで行っちゃったの?あははは~やるなぁ、我慢しきれず行っちゃったか~」




まだ不安定だった空模様もどんどん変化して 磐梯山が見えるようになり



雨は上がり 眼下には虹がかかった

私はダンナがまた2時間で帰ってくるかと すぐ食べれるように夕飯の支度をはじめたけど
想像よりも戻りが遅いのが心配で落ち着かず、小屋の外に出て戻ってくる姿を探そうとを目をこらしていた

いつまでも小屋に入ってこない私を心配してか、管理人さんが出てきた

k「行きに張り切りすぎて息切れしちゃったんじゃない(笑)あ、水汲んでるかな」
c「さっき気づいたんですけど、ヘッデンもって行ってないんですよ」
k「なーに、今日ならまだ18時過ぎても明るいから大丈夫だよ」



雲がぐんぐん流れていく 太陽が顔を出したり隠れたり
その度にブロッケンが大きくなったり小さくなったり
大学生の男子二人は初めて見た、自然ってすごいなー、と大喜び

みんなの笑顔の脇で 内心不安な私
まだかまだかと落ち着かず、うろうろしていた

17:15
小屋の脇からひょっこり ダンナ様ご帰還


後で見せてもらったダンナのスマホには、驚いた様子の私と管理人さんが写っていた







その夜 空には星
喜多方方面かな?街の灯りも見えていた

昨日とは全く違う穏やかな夜
小屋の中では7人の宿泊客が和気あいあいとお裾分け あげたりもらったり

風雨で山頂を諦めた時はまた今回も失敗かぁ、と悲しかったけど
ダンナ様一人でも行ってこれたことがなんだか嬉しくて
がっかりした気持ちはいつしか消えていた


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▽Day 3▽


4:50
小屋の前に登る朝日





赤く染まる、飯豊山~御西小屋の稜線
なんと雄大な眺めなのでしょう

こんな清々しい朝、今日なら山頂まで行けるのに下山するなんて
もう一日、遅らせられないの?と管理人さん



あと一日、ずれていたら青空の下、稜線歩きが出来ていたのにね
でも天気ばかりは巡り合わせ 仕方ない
月曜日には会社に行かなければならないし 残念ですが今日はどうしても11時までに下りないと




5:10 とても親切にしてくれた管理人さんとさようなら
帰り道、振り返ると小屋の前でずっと見守っていてくれたのか、手を振ってくれている
気づいた私も大きく手を振り返した
二日間、お世話になりました、本当にありがとう。



振り返り見る飯豊連峰の稜線は どっしりと大らかで美しい曲線を描いていた



その大きな山のど真ん中、お花を見ながら登ったり下ったり
辛くても苦しくても暑くても 稜線を歩けることが嬉しく楽しい
そんなことを夢見てた

「飯豊はいいでぇ~」

心からの そのひとことを言うために
またいつか 必ずここへ 



おととい、土砂降りの中登った尾根
こうしてみると 結構急だったね



帰りは上ノ越の尾根を歩き



最後の一時間は ずるんずるんの急坂を転びながら降りて
アブブヨ林道に覚悟を決めて突入したけど、冷たい空気に入れ替わったせいなのか?
トンボたちに守られて一匹も遭遇せずに 無事登山口まで戻りました


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弥平四郎分校の前に 11時のバスが来た 
運転手さんが

「昨日、山の上の雨はどうでした?結構降ったでしょ?下も結構降ったよ
こっちはね、もう1か月もまともに雨降ってなくて、芋もダメになって畑もカリカリで困っていたんだよ
恵みの雨だったんですよ~」

・・・どこかで聞いたフレーズ

そうか、また私が雨を連れてきたのか
良い事したなーーー




この西会津町デマンドバスは町外の人でも片道500円で利用できる
タクシーを使ったらかるく片道12,000円はかかる距離、ありがたいバスです

電車の時間まで1時間ほどあるので運転手さんが
「お昼を食べるなら営業所で荷物を預かりますよ、ここから徒歩10分の場所に道の駅があってねetc・・・」
色々教えてくれたので、お言葉に甘え、ザックを置かせて頂き歩きはじめると、
後ろから追いかけてきてくれて
「あそこの味噌ラーメンが美味しいんです!並んでいるけどよかったら~」

と教えてくれたお店で昼食にしました
最後まで皆さんの温かな心に触れた 会津の山旅


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で。
タクシーを使わない飯豊山プラン の、浮いたお金で・・・



初めての東山温泉へ♪






雨で山に行けなかったら温泉だけでもいいや、と予約をしておきました

会津の郷土料理をアレンジした和懐石はとても美味で地酒も豊富
朝食も地産地消・野菜が中心の手の込んだ和食バイキング
久しぶりにお湯も食も大満足の宿で癒され 2018年の夏休みを終えました



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【行程】
往路:バスタ新宿→(夢街道バス)会津若松 (前泊しましたが夜行でも接続可能)
会津若松6:45→磐越西線野沢駅7:51 西会津町デマンドバス(要予約)8:00→弥平四郎8:45
復路:弥平四郎BS11:00→磐越西線野沢駅12:00 野沢駅13:10→会津若松駅14:05
まちなかバス14:15→東山温泉駅BS14:35(泊)
会津若松駅→郡山→(新幹線)→大宮→新宿


【山歩き】
8/16:弥平四郎BS 8:50→祓川分岐9:55→松平峠13:00→疣岩分岐14:00→三国岳避難小屋15:10(泊)
8/17:(ダンナだけ)三国岳避難小屋12:44→種巻山13:19→切合小屋13:30→本山山荘14:32→飯豊本山14:42→三国岳避難小屋17:15
8/18:三国岳避難小屋5:10→上ノ越分岐7:03→弥平四郎駐車場8:42→弥平四郎BS 9:45

【覚書き】
☆三国岳避難小屋1泊:2,000円 ビール350ml 700円 ジュース売り切れ 銀マットは無料貸出 シュラフは予約すれば借りれそう
・三国岳避難小屋付近には簡単に汲みに行ける水場はありません
・祓川山荘跡の水場は出ていましたが、今年は水不足で切合小屋の水場も厳しかったようです

☆野沢駅 13時台 15時台 18時台しか実用的な電車はありません(会津若松方面)
その為、日曜日に下山してアクシデントがあると会社行けない為土曜日の下山となりました
・デマンドバスの運転手さんに途中のバス停から会津若松行のバスに乗れると聞きました
・野沢駅周辺での入浴はロータスイン(デマンドバス停あり)で可能

☆前泊の宿:会津若松駅前 会津ワシントンホテル 
・会津若松駅から徒歩3分のところに天然日帰り温泉 富士の湯 というスーパー銭湯のような施設有
☆下山後の宿:会津東山温泉 新滝












飯豊山は遠かった【前編】

2018-08-23 | ヤマのこと

憧れの飯豊山はやっぱり遠かった・・・



今年の夏休みはダンナ様が14日15日が出勤だったため、
8/11~8/13の3日間は岩手へ帰省、後半8/16~8/18の3日間に山行予定を立てていた

運悪くというか毎度の事というか
前半岩手県に帰省している間は毎日晴れ、後半は雨と曇りという予報
予報、変わらないかなぁ・・・
という期待を込めつつ、行って見なけりゃわからない!と会津若松駅へ

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▽Day 1▽
前泊した会津若松駅から磐越西線に乗り野沢駅下車
ここから西会津町のデマンドバスに乗り、登山口のある弥平四郎の集落へ


バスに乗ったのは私たち二人と若い男子ひとりだけ
男子は登るのかと思ったら山形側に下山し、車を回収に来ただけという
限界集落を抜けて登山届を出し、まずは林道1時間半歩きからスタート

8:50
林道に入った途端、体長2センチほどの大きなアブとブヨ(らしい)虫が一斉に我らを取り囲む
前を行くダンナのザックから足もとまで、20匹は群がっているだろうか?
もちろん私の周りも
止まったら最後、ボコボコにされそうだったのでノンストップで登山口へ
蒸し暑かったので既に汗びっしょりで沢の真ん中に逃げ込んだ
ここで10分ほどクールダウン
虫よけスプレーも網も持ってこなかった 油断した



この日の天気予報は 東京を出る時は曇り一時雨だったが
前日の夜には雨の予報に変わったようで、ニュースでは災害級の雨の降る地域もあるという

出発時は曇り空だったが、祓川山荘跡地までくるといよいよ雨が降り出した
雨のおかげでアブブヨには退散頂けたけど、時折バケツひっくり返したような土砂降り

雨は強くなったり弱くなったり 強い風に木々が大きく揺れ 大粒の雨が頭を叩く
樹林帯なので稜線よりはずっとましだ、と慰める
だけど、何度か出てくるトラロープを掴むのに腕をあげると
カッパの中に溜まっていたのか 
雨が手首からザーッと身体を伝って足元へと流れていく
もう、服を着てても着てなくても同じじゃないの?状態
首に巻いた手ぬぐいを 何度絞ったことでしょう



久しぶりのシュラフに水3リットル装備が肩に食い込む
毎日暑くて何もトレーニングしなかった、怠けきった身体は重いし
頭はビショビショ、足元はぐちゃぐちゃ 何度も休みながら登山口から4時間
パッと目の前が開けた、そこが”松平峠”だった

やった、稜線が見えた!

ここで元気を取り戻し、ザレた急坂を登って行く



ここを登っている間だけでも雨が小降りになって良かったなぁ



ようやく疣岩(いぼいわ)分岐に着いた時は、ほっとして今日初めての笑顔
さあ、ここからはなだらかな尾根を1時間で目的地(実際はなだらかほどではなかった)
雨に煙る中からぼやっと小屋が見えた時は嬉しかった


15:10
雨の中 小屋の前で写真を撮っていると
三国岳小屋の管理人さんが、小屋のドアからおそるおそる顔だけ出してこっちを見てる
まるで幽霊でも見たかのような・・・

C「泊めて下さーーーい♪」
K「こんな土砂降りの日に登ってくる人がいるなんて!」



(小屋の画像は翌日のものです)

K「とにかく中に入って!」

親切にタオルを出してくれて まずはびしょ濡れな合羽を脱いだ

小屋と言っても基本避難小屋なので、ストーブなんてあるはずもない
身体中のすべてが濡れていたので、着替えても翌朝まで乾ききらなかった

C「明日は天気回復する予報だったので登ってきました♪」
K「そうか・・・明日の天気は昼ごろまで回復しないみたいだよ」
C「えーーー!!!」


小屋はとてもしっかりしたつくりで中もきれい トイレは水洗でピカピカ
飯豊山の小屋はどこもこんなふうにきれいらしい

名簿に記入して一人2,000円を支払う
偶然にも管理人さんと私達は同じ苗字だった
貸切状態という事もあり同じ苗字も何かの縁と、この夜は3人でお酒を飲みながら色んな話をした

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今回の企画は”タクシーを使わず本山だけ登る”プラン
弥平四郎登山口へ到着するデマンドバスは、平日なら9時到着の便がある
そこから登り始めて三国岳小屋に泊まり、
翌朝ザックをデポし 身軽になって飯豊本山のみピストン
また三国岳小屋に泊まって翌朝弥平四郎へ下山

という、体力がなく暑さが大の苦手な自分としては完璧なプランのつもりだった
管理人さんもそのプランは荷物最小限で歩けるからお勧めだよ、と言ってくれた

この雨が朝、止んでいてくれればの話だが・・・

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▽Day 2▽

夜中に小屋を揺らす強風と叩き付ける雨の音に何度も目が覚める
もう半ば諦め状態で朝を迎え、いちおう4時半に起きて外に出る

K「今朝は寒いね 8月だというのに気温は10度いってないよ」



三国岳小屋から飯豊本山へのCTは片道約5時間
私の足では往復で10時間はみておきたいところ
となると逆算して、最高に遅くても7時にはここを出発しなければならない

一瞬だけ悩んだ けど この寒さと暴風雨の中 今出発する勇気が出ない
何度も天気予報を見るけど どんどん回復が遅れ 夕方5時まで傘マーク
朝ごはんを食べながら待ってみるも 6時を過ぎても降りやまない雨
雨と風に打たれながら行く気力はもうなかった

仕方なく・・・ふて寝
午後、雨が止んだタイミングで 周囲をお散歩でもしましょう
下界の暑さを忘れ、山に涼みに来たと思えばいい



(剣ヶ峰を登ってくる人)

二度寝して目覚めた10時過ぎ、少し風が弱くなってきた
相変わらず雨は降ったりやんだりだけど、上から降りてくる人、下から登ってくる人がちらほら

その様子を見ていたダンナがじっとしていられなくなり、雨でも出かけるという
行けるところまで・・・なんなら切合小屋まで水汲みに


昼食を取り、まだ雨の降る中合羽を着こみ おやつと水だけの軽装で出かけた
小屋を出たのが12:44
夕方までには必ず戻ってきてね、と約束した



(アキノキリンソウ? センジュガンピ 深山車花 )

私と言えば時折明るくなると外に出て 花を眺めてみたり 山並みを眺めてみたり
あ~ぁ、何しに来たんだろうなぁ・・・
自分で計画したくせに軟弱者の私は小屋でまったり
一人でいると昼間でも寒くて シュラフにくるまっていた


 
14時過ぎ、風も弱くなり時折青空ものぞくようになった

すると白いベールの中から 二日間で初めて飯豊本山が姿を見せた!



わっ


わー!でっかい!
そしてあんなに遠い・・・やっぱり飯豊は山深いなぁ

なんて一人感動していたその時、スマホに着信が・・・


※長くなりましたので続きます







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八方尾根さんぽ

2018-08-05 | ヤマのこと

2018.8.4(土) 


とにかく毎日暑い
山に涼みに行こうと八方尾根へ



と言っても、夜行バス取れなかったので朝家を出て
長野駅からバスに乗り換え モタモタしてたら登山口に着いたのが11時
この時間じゃもう 山登りではなく尾根さんぽですね

リフトでしゅーっとくれば鹿島槍ヶ岳と五竜岳の素晴らしい眺め
いつもの夏なら「やった。晴れてる♪」とウキウキなところ



唐松尾根と言えばお花が目的
咲いているには咲いているのですが



空気は冷たいけど やっぱりここも灼熱の日差し
暑くて暑くて写真を撮る気力も失せる



ハッポウウスユキソウ


クモマミミナグサとミヤマコゴメグサ

みんなカリッカリに割れた地面の隙間
灼熱の太陽浴びながら咲いていて エライなぁ


私なんて「ガスれ~ガスれ~」
と言いながら八方池までも歩くのがやっとで、観光客よりダメダメ状態で



帰りのバスの為13時には下山開始と決めていたので
早々に途中までで登るの止めて 風の通る場所でランチ




大好きなマツムシソウももう終わりかけなのね




でも・・・これが見れたからOK



3度目の正直 
八方池に映る白馬三山リフレクション
やっと見れた
こんな素晴らしい景色 写真では何度も見てるけどやっぱりその場に立つと違う



クガイソウ揺れる池のほとり



ようやく見つけたハッポウタカネセンブリ



山荘脇のヤナギラン

他にもたくさんのお花が咲いていましたが、
ナデシコもイブキジャコウソウもアズマギクももう終わってて
種類の多さのとしての最盛期は過ぎた印象でした(個人的見解)



(大好きなシモツケソウと白馬鑓ヶ岳)

尾根歩きは楽しいのだけど 日陰がない
このギラギラ太陽に照り付けられただけで気分が悪くなるぅ
このところ体力も落ちてるけど、根性も無くなり
暑い、というだけで息苦しくてなーーんにも出来なくなる
暑いのが苦手なのは子供の頃からだけど、近頃ホント辛い(*´ェ`*)


こんな体調で再来週の夏休み、山歩けるのでしょうか
この酷暑が続いてれば、かなり厳しいよねぇ


ガス時々晴れ希望。






【行程】
大宮6:53(新幹線)→長野8:06 長野駅東口BS8:20→白馬八方9:35

リフト上登山口11:00→→→ゴンドラ下15:15 白馬八方温泉 八方の湯(ゴンドラチケットで100円引き)

八方BT17:15→バスタ新宿22:35




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