カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

箱根・湯坂路

2020-12-27 | ヤマのこと

2021.12.12(土) 箱根へ


いつもの箱根だけど今日はちょっと違うルートで
箱根湯本駅から湯坂路に入っていく


駅前の喧騒はどこへやら
一歩登山道に入れば誰とも会わず


しばらくするとゆるやかな尾根歩きとなる
ここは15年ほど前母と泊まりに来た時、私が山歩きを始めるきっかけになったコース
でももうほとんど忘れてた、こんなに紅葉がきれいな道だったんだ

浅間山に着くと、6,7組の登山者が休んでいた
今日はその先の”鷹巣山”までいってみよう



浅間山からちょっとの急坂を上ると、鷹巣城跡(山頂)
特に眺望はないのでまた分岐まで戻って、千条の滝方面へ降りていく
千条の滝はせんじょう、ではなく”ちすじのたき”と読む
観光客が数人いました



そこから徒歩で宮ノ下まで
やっぱり道路が空いてるなぁ
土曜日の午後で車がたまにしか通らないなんて以前はなかったもの

湯坂路歩き
箱根湯本駅から、宮ノ下まで
今日の山歩きは所要時間約4時間でした

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さて、今日の目的は”箱根富士屋ホテル”
だんな様の還暦祝いのプレゼントはここにしようと、ずっと前から楽しみにしていました


フロントの有名な尾長鶏彫刻

ヘレン・ケラー女史が昭和12年に来館した際、ホテルで飼育していた尾長鶏を可愛がっていたが、
その尾長鶏が後日亡くなってしまったのを知ってケラーさんがとても悲しんだので
支配人がケラーさんが次回いつ訪れてもいいようにと彫刻をほどこし、
愛でられるようにしたという、今も語り継がれるエピソードがあります



ランチを食べに来たことはあったけど宿泊は初めて
箱根、子供のころから数十回と前を通っているのに、一度も泊まったことがない
いつかいつか、と思いながらこんな歳になってしまいました・笑

私達が泊ったのは”花御殿”
天井が高く、大規模改修工事を行ったとはいえ部屋の窓は木枠で鍵はねじ込み式
昭和初期の面影を残す、藤の花の部屋
部屋のドア等、花モチーフが随所に散りばめられていました



ディナーは「メインダイニング・ザ・フジヤ」
こちらはドレスコードがあるので、山歩きのウエアでチェックインしましたが
ザックの中にワンピース・ジャケット・靴まで一式担いでいきました・笑

日本アルプスの高山植物636種が描かれた天井高6メートルの折り上げ格天井や
欄間や柱のさまざまな彫刻も素晴らしかったです



「メインダイニング・ザ・フジヤ」はクラシックスタイルのフランス料理
特に牛フィレのステーキの柔らかさ、上質な肉の風味は忘れられない味となりました



食後は館内にある「富士屋ホテル史料展示室」へ
改修により新たに発見された経営資料や書簡が飾られていました
何があっても守るべし、という意味で「非常時持ち出し」のシールが貼られた貴重な資料もあります

中でも興味をそそられたのは、今回見つかったという天井画の高山植物の原画
側で見ると本当に繊細に描かれていて、牧野富太郎の図鑑を思い出しました

展示室の中ではホテルの大改修約2年間のドキュメンタリー映像が流れていて
歴史あるホテルを守り、時代を引き継いでいく人々の思いの強さが伝わってきました



館内フォレスト・ウィング6階に宮ノ下温泉を引いたスパも新設され、とても快適でした
見どころがありすぎて、寝るのがもったいないくらい、一泊では時間が足りない

☆ ☆ ☆

翌朝


朝食は和・洋選べたので、和をチョイス
ホテルから道を挟んだところにある「旧御用邸 菊華荘」
数奇屋風書院造りの純日本建築のなかで頂く贅沢な朝食
梅干しも自然薯も美味しかったけど、厚焼き玉子はふわふわで、しっかり卵の味がした

部屋に戻る前に日本庭園も歩き、朝の清々しい空気もいっぱいいただきました



箱根・富士屋ホテル
いつもは旅館に泊まることが多いけど
たまにはちょっとかしこまってクラシックなホテルに泊まるのもいいものだなぁ、と感じました
30代、海外旅行にはまってた頃のあちこちのホテルや出会った人々
懐かしい思い出話などしながら久しぶりにゆったりとした時間を過ごしました



そして・・・

箱根から戻り兄妹三人で母の病院へ面会に行った翌日の月曜日夜、容態が変わり、
火曜日の朝、母は愛する父のもとへ旅立ちました。

2月に脳梗塞を起こしてから意識が戻ることはなかった母
覚悟はしていたので驚くこともなく、淡々と葬儀を終えましたが
これからぐっと寂しくなるのでしょう。

いろんなこと、忘れられない2020年となりました。
2021年は良い年になって欲しい、自分も信念をもって乗り越えていきたいと思います。
今年もこのブログを読んでいただきありがとうございました。
皆様には明年が良い年でありますようお祈り申し上げます。







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