チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

古今亭志ん朝の「ピーターと狼」

2013-12-02 19:53:12 | 日記

今年、自分の心に一番残ったCDは地元の図書館で偶然見つけた『山本直純フォエヴァー~歴史的パロディコンサート~』です。(コロムビアミュージックエンタテインメント2枚組)



このCDはボクに落語の世界に触れるキッカケを与えてくれました。
これに出会えなかったら落語に一生興味を持たなかったかも、と思うと少し怖くなります。

このライブ録音には古今亭志ん朝が語り手を演じる「ピーターと狼」が入っています。
(1967年7月25日 東京文化会館大ホール...ほぼ半世紀前!)

このピーターを寝入りばなに聞いたら、爆笑もんで眠れなくなったと同時に
それから何日かはこれを聴かないと眠れなくなるような日が続きました。
間違いなく今まで聞いた「ピーターと狼」の中で最高のものです。

ボクは落語といえば笑点の大喜利しか知らなかったのですが
古今亭志ん朝という人の、おもしろさ、優しさを知り、実は落語ってすごいのかも?って思い始めたんです。

それからは同じ図書館にある志ん朝のライブCDを聴きまくり、ますます虜になってしまいました。

何しろ、一人っきりでしゃべってるだけなのに、何人もの人物の性格・内面を演じ分け、その上、風景も見えてくるし、周囲の音や香りまでも浮かび上がらせてしまう凄さ!

たった一人でオペラを上演しているようなもんです。

調子に乗って志ん朝のDVDも買ってしまい、他をガマンしたとはいえ結構な出費でした。でも全然後悔していません。笑えます&泣けます、生きる希望が湧き出ます!



何度聞いても新しい発見があるから飽きない。形式があるし気品もある。これって良質のクラシック音楽と同じですよね。

クラシック、特に少人数のみで大きく、深い世界を描こうとする音楽(独奏曲や室内楽)が好きな日本人なら落語をも好きになる人が多いのでは?

(真打ちの落語が終わったとき、落語家自らが「ありがとうございました、ありがとうございました。お気をつけてお帰り下さい」とか言っていますが、あれはクラシックの演奏家もやるべき!?)

今までほとんどクラシックだったiPodに占める落語の割合も増えてきているのですが、ボクのiPodの落語ジャケットを偶然見てしまった友人に「見なかったことにしてやる~」とか言われてしまいました。そいつこそ可哀想!落語を聞かないってホント損。

近頃は志ん朝から広がって、お父さんの志ん生、小三治、ただの文句を言ってるだけのオジサンだと思っていた談志(落語家だったんですね!)、その弟子の志の輔とかも聞きはじめました。志の輔なんて、ペヤング・ガッテンのイメージがCD一枚で急激に変ってしまうのだから誤解ってのは恐いですね。チケット入手困難らしいけど是非ライブにも行きたいっす。

山本直純さん、素晴らしい企画をありがとうございました!