チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

歴史的初演ライブビデオ(妄想)

2013-12-10 23:26:27 | 日記

タイムスクープハンターじゃないけど、歴史的なシーンをヴィジュアルに体験したいのは一般的にはビックバン前後、銀河・太陽系の形成、生命の起源・恐竜時代・人類の誕生、世界四大文明、その他でっかい歴史上の謎とかでしょうか。でもクラシック音楽好きとしてはそんなんどうでもええから(?)、録音・録画技術が無かった頃のクラシック史上重要なライブを聴いてみたい、見てみたいというのが人情でしょうね。

タイムマシンは無理としても、実は遥か昔から陰で地球を支配している知的生命体が少なくとも4K解像度・7.1ch高音質くらいで収録(もちろん地球人に気がつかれない方法で)していてくれてたらいいなーっていう初演ライブを思いつくまま11個並べてみました。ドイツとロシアものに偏ってしまいましたが。。
(参考にしたのは主に平林直哉『クラシック名曲初演&初録音事典』大和書房)



1.ハイドンとモーツァルトが共演した弦楽四重奏団の演奏(1784年頃ウィーン)

ウィーンで催された第一ヴァイオリンのハイドン、第二ヴァイオリンのディッタースドルフ、ヴィオラのモーツァルトらによる弦楽四重奏の内輪の集まりの記録。演奏するハイドンとモーツァルトが同時に見れるのがすごい。モーツァルトのヴィオラの腕前には脱帽。この他ハイドンについては告別交響曲(1772 年)やびっくり交響曲の初演のライブ(居眠り中の着飾ったオバサマたちがマジ驚いています)、モーツァルトは特に作曲者自身の弾き振りによるピアノ協奏曲のライブ録画がおすすめ。



2. ベートーヴェン交響曲第9番初演(1824年5月7日ウィーン 年末じゃなかったんですね)

本番で指揮者(ウムラウフ Michael Umlauf 1781-1842)の横に立ってテンポの指示を一生懸命に出している、耳が全く聞こえないベートーヴェンの姿は哀れで涙なくして見られないっすね。演奏者からも無視されてるし。
しかし演奏後爆発的な拍手に気が付かない作曲者を当時20歳の心優しきアルト歌手ウンガー(Caroline Unger1803-1877)が手を引いて客席のほうに向けるシーンに心温まります。ベト様うれしそう(泣)。ただし演奏そのものは現代のピリオド楽器によるものとは似ても似つかず、現在の日本のアマチュアオーケストラ・合唱団のほうがよっぽどうまい。



3.シューベルト 冬の旅(前半12曲 1827年頃)

シューベルトが前半12曲を完成させ、友人たちに向けて演奏した際の記録。あまりの内容の暗さに彼らが驚愕している様子が鮮明に撮影されています。シューベルトの弾き語りは17歳くらいまで少年合唱をやってただけあって声も良い!



4. シューマンのピアノ協奏曲初演(1845年12月4日(1846年1月1日?調べます)、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス フェルディナント・ヒラー指揮)


なにしろ、当時26歳の美しいクララの、感情たっぷりのピアノ演奏っぷりが売りです!170年前のピアニストに惚れちゃうよー



5.ブラームス交響曲第1番初演(1876年11月4日、フェリックス・オットー・デッソフ指揮、カールスルーエ宮廷劇場管弦楽団)


歴史的ライブ。大成功!今聞かれる最終的な姿とかなり違う音楽も聞きもの。ヴァイオリンの高音弦をよく見てみると、スチールではなくガット弦になっています。そのせいか高音が全面にグイグイ出てきていますが、他方、勘弁してもらいたいのは頻出するポルタメント。この奏法はSPレコードで聴くと古くて温かい良い印象もデジタル高音質できくと現代人には気恥ずかしくて悪寒もの!でもだんだん慣れてくるどころかクセになってくる(ポル中)のでご安心を。ほかにブラームス自身のむっちゃ上手いピアノによる2曲の協奏曲ライブも同時発売中!



6.ブルックナー交響曲第3番の初演(1877年12月16日ブルックナー指揮ウィーン・フィル)


ウルトラ大失敗ライブ!ブラームスの1番初演を振ったデッソフが1874年に演奏不能として初演中止。作曲者自身のヘッタクソな指揮によるこの初演はまさにボロボロで途中で客はいなくなるわ、演奏直後にウィーン・フィルのメンバーもサッサと帰っちゃうわでステージにひとりぼっちのブルックナーが可哀相。これはいじめです。でも客席に最後まで残った20人ちょっとの聴衆(少なっ)の中に17歳のマーラーがいて、大きな拍手をおくる姿がアップになるシーンが救い。マニア向け。



7.チャイコフスキー悲愴初演(1893年10月28日サンクトペテルブルク チャイコフスキー指揮)

最初に指揮者チャイコフスキーが登場したときは聴衆に熱狂的に迎えられたものの、終楽章アダージョが暗すぎて客はどん引き。何よりも指揮するチャイコフスキーの表情に注目。もうしぬ覚悟ができてたのか?気力充実しているふうにも見えますが。。?



8.ラフマニノフ交響曲第1番初演(1897年3月15日 グラズノフ指揮)


チョー大失敗。なぜか酔っぱらってるグラズノフのヘロヘロの指揮が笑える!演奏終了直後に客席からすごい勢いで出口に逃げ去る作曲者(でっかいから目立つ~)の背中を追うカメラはドSか?でもこの失敗でノイローゼになる位に悩んだお陰でラフマニノフはこれ以降、後世に名曲を残せたんですよね?グラズノフGJ!



9.マーラー交響曲第8番初演(1910年9月12日ミュンヘン・フィル)


マーラーが指揮台に乗ると客はいきなりスタンディングオベーション!世紀の名指揮者の素晴らしい指揮ぶりはもちろん、床が抜けないか心配になるほど大人数のオーケストラとソロ歌手たちと合唱団、客席のR.シュトラウス、サン=サーンス、シェーンベルク、ヴェーベルン、コルンゴルト、ワルター、クレンペラー、メンゲルベルク、ストコフスキー、ワインガルトナーら豪華メンバーの姿も高画質でカメラに収められています!ひとりボックス席にいるアルマ(既に不倫中?)もばっちし映っています。おすすめ。



10.ストラヴィンスキー春の祭典初演(1913年5月19日、パリ・シャンゼリゼ劇場 ロシアバレエ団(ニジンスキー振付)、モントゥー指揮)


せっかくのシャンゼリゼ劇場のこけら落としなのに妨害分子により客席すんごい大騒ぎ!ニジンスキーの振り付けも今の時代から見ればそんなにエロくないのですが、当時の人々にはさぞかし刺激的だったんでしょうなー。みんな途中からはバレエ全然見てないし音楽なんかきいてないよー。ディアギレフの慌てぶりもカメラに収められています。これは絶対見なきゃ損!



11.ショスタコーヴィチ交響曲第4番のリハーサル(1936年4月にシュティードリ指揮レニングラード・フィルで初演予定だった) 

29歳のショスタコーヴィチが自ら怒ったような表情で指揮台から総譜を引き上げ突如リハーサルは中止。初演したら自分だけでなく周囲の者も粛清されるかもという恐怖に耐えられなかったのか?レニングラード・フィルの面々はあまりにも凄まじい音楽に唖然の表情を浮かべながらもさすがの熱演です。音楽に命を掛けた者たちの緊張感あふれるリハーサルライブ。地球人による録音・録画は恐らくありません!それにしてもこのライブの音楽、本当に第4交響曲??(※)

 

。。。妄想ライブ、続々発売予定!?

 

※これマジっすか!?

交響曲第4番第1稿のミステリー www.dasubi.org/dsch/kaisetu/sym_4a.html

断片はカエターニ盤で聴けますが..