チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

ショスタコーヴィチと国際シベリウス賞(おそロシア)

2014-03-24 19:14:05 | メモ

フィンランドには「国際シベリウス賞」(Wihuri Sibelius Prize)という有名な賞があるんですね。

この賞は1953年に創設され、賞金は3万ユーロ~15万ユーロの範囲(今のレートだと400万円から2000万円くらい)、少なくとも3年に一回、誰かに与えないといけないことになっているらしいです(音楽分野外の学者、組織にも与えられる)。

ちなみに基金のホームページによると、受賞した作曲家は
シベリウス(1953、本人)、ヒンデミット(1955)、ショスタコーヴィチ(1958)、ストラヴィンスキー(1963)、ブリテン(1965)、ラウタヴァーラほか全3名(1965)、メシアン(1971)、ルトスワフスキ(1973)、コッコネン(1973)、ペンデレツキ(1983)、サッリネン(1983)、リゲティ(2000)、リンドベルイ(2003)、ノアゴー(2006)、サーリアホ(2009)、クルターグ(2012)。

ショスタコーヴィチも受賞したんですね。
(『音楽芸術』1958年12月号より↓)



この件について調べていたら、『わが父ショスタコーヴィチ』(音楽之友社)の132ページ「ジャン・シベリウス賞褒賞金の行方」の章に可哀想なことが書いてありました。

賞金でショスタコーヴィチは新しいピアノを買おうとしてヘルシンキの楽器店ではいくつものピアノを試していたし、モスクワでは買えないような上品な家具や服も買う計画だったらしいのです。


それなのに!フィンランドに同行した娘ガリーナによると
【賞の授与が行われる前日になって、すごく偉ぶった人が父の所にやってきてこう言ったのです。「この褒賞金は『フィンランド・ソヴィエト友好協会』に寄付したほうが良いという意見がある(「意見がある」というこの簡略な表現は当時のソ連では絶対命令を意味していた)。】

買い物プランや数日間のドライブの予定もすべて駄目になって、予定より早く帰国することになり、結局たった3日間しかショスタコーヴィチ親子はヘルシンキに滞在できなかったらしいです。

おそロシア~(おソ連?)