チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

サントリーホールのオープニング・シリーズ(1986-87)~カラヤン、ムラヴィンスキー幻の公演

2016-08-11 09:47:57 | 来日した演奏家

(2015年1月22日の記事にベルリン・フィルお別れパーティにおける小澤征爾夫妻の画像を末尾に追加しました)

みんな大好き、サントリーホール!

オープニング・シリーズ(1986年10月12日~1987年3月28日)の600ページのプログラムが、クラシックへの興味絶対ゼロと断言できるオヤジがやってる古本屋で200円で売りに出されていたのでそっと買ってきました。。

↑ 大切にします~(ちょっと自慢?)



サントリーホールの記念すべき落成式典は1986年10月12日(日)10時30分の開始。舞台演出はオペラ演出家の鈴木敬介氏(1934-2011)。

サヴァリッシュ指揮NHK交響楽団、オルガン林佑子で芥川也寸志のサントリーホール落成記念委嘱作品である「オルガンとオーケストラのための」(さすがサントリー)が初演されました。それに引き続き、バッハのパッサカリアハ短調BWV582とベートーヴェンのレオノーレ第3番が演奏されています。

また、13時30分からは落成記念演奏会としてベートーヴェンの交響曲第9番が演奏されました。第九がサントリーホール最初の交響曲だったのか。

指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
ソプラノ:ルチア・ポップ
アルト:伊原直子
テノール:ペーター・ザイフェルト
バリトン:ベルント・ヴァイクル(ソロの4名はサヴァリッシュ自身がこの日のために選んだということです)
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:オール東京混声合唱団、オール二期会合唱団
合唱指揮:田中信昭

そして、同じ日の夕方からは(16時30分開場17時開演)、「落成記念"ザ・ガラ"オープニングナイト」と銘打ち、ロビー・大ホール・小ホールでさまざまな催し物が行われました。



さてこれ以降、1987年3月までのオープニング・シリーズで演奏した海外オーケストラはむっちゃ豪華!

小澤征爾指揮ベルリン・フィル、レナード・スラットキン指揮セントルイス響、マリス・ヤンソンス指揮レニングラード・フィル、ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団、アバド指揮ウィーン・フィル等々。。



でも、当初の予定だとレニングラード・フィルはムラヴィンスキー、ベルリン・フィルはカラヤンが指揮するはずだったんですね。ちなみにムラヴィンスキーは1988年、カラヤンは1989年に他界しています。




下記は「幻の」コンサートです。

【ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団】 「協賛公演」

1986年10月19日(日)18時30分開演

チャイコフスキー:交響曲第5番
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番




【カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団】

1986年10月28日(火)19時開演
R.シュトラウス:メタモルフォーゼン、英雄の生涯

10月29日(水)19時開演
シューベルト:未完成
ベートーヴェン:英雄

10月30日(木)19時開演
モーツァルト:ディヴェルティメント第17番ニ長調K.334
ブルックナー:交響曲第9番


いったい、どんな演奏になっていたんでしょうか...!?

 

 

↓ カラヤンのオープニングへのお言葉。(カラヤンは亡くなる前年である1988年にサントリーホールに登場しています。よかった)

 

(追記)

↑ 1986年10月30日コンサート終了後、全日空ホテル「瑞雲の間」で催された「ベルリン・フィルお別れパーティ」。小澤征爾・美樹(ベラ・イリーン)夫妻。FLASH誌1986年11月19日号より。

カラヤンが急に風邪で倒れて来日不能となり、自ら小澤氏を指名。

パーティで小澤氏は演奏会の途中(英雄の生涯)で第1ハープの弦が切れたことを聞かされビックリした様子だったが、ハープは即座に弦を張り替えて無事ソロ演奏を終えていたので「よかった」と相好を崩したそうです。指揮者ってハープの弦が切れようがあんまり気にしないんですね。自分は演奏会本番中ハープの弦の張替えを目撃したことはありませんけど。