ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.7.25 続・網棚にご注意

2016-07-25 21:04:46 | 日記
 またしてもこんな記事を書くとは・・・といったところだが。5年ぶりの同じ標題である。

 我が夫は基本、優しくてマメな人だ。これは決してのろけているわけではなく、公平に見てそうだと思う。自分より弱いと思われる人には実にフットワークよく自然に手を差し伸べる。自分だってもう結構齢を重ねているのにもかかわらず、お年寄りや妊婦さんをとても放っておけない。ぱっと席を立つ、荷物を持ってあげるなどをなんのてらいもなく、ごくすんなりする。横で見ていて、偉いな~と素直に思う。

 さて、そんな夫なので、私が一緒に外出する時も荷物持ちを進んで買って出てくれる。昨日も四十九日などの打ち合わせで実家に出向いたところ、私が持っていこうとしていた実家への手土産等が入った手提げを持ってあげる、と手を出した。そんなに重くないから大丈夫、と言ったのだけれど、では、せっかくだから、とわざわざ別のバッグに入れていた重いものまでいくつか移動させてお渡しした。

 私鉄、JR、JRと二回の乗り換えを順調に終えて、約束時間より30分ほど早めに到着し、葬儀社の方が来るまでちょっと一服できるね、と実家の玄関に入った途端、夫が両手を広げて、青ざめている。
 私は彼のジェスチャーを見て一体何が起こったか一瞬わからなかった。そう、手ぶらなのである。私の手提げを彼は持っていない。

 いきなり脱力する。多分網棚に置いたのだろうけれど、一体どの電車の網棚に置いたかもわからない・・・とのたまう。ちょっと、ちょっと待って、と頭をフル回転させて乗った電車の時間、車両の位置を思い出しながら、まずは私鉄の最寄り駅に電話をする。乗った車両の発車時間、乗車場所も進行方向も覚えていたので、置いてきた手提げや中身も全て伝える。
 当然、既にその電車は折り返して上り方面に向かっている。今のところ届けはないけれど、終点まで行ったところで確認しますので一時間経ったらまた連絡してみてください、と言われる。

 方や夫はJR東日本に電話。こちらはちょっとシステムが違って、まずは落し物センターに連絡すると、JR側からの連絡を待つのであれば、最寄りの駅に書面で届け出てください、とのこと。ということで、夫は実家最寄の駅まで引き返して届けを出してくる羽目になった。手提げの中には特に金目のものが入っているわけでなく、この後、月に一度の楽しみであるヨガクラスに出るつもりで入れていたウエアや化粧品という、きわめてプライベートなものである。

 かつて夫が網棚に忘れたのは買ったばかりのデジカメ、携帯のアーミーナイフセット、家の鍵などが入った小さなバッグ一式だった(結局何一つ出てこなかった。)から、これに比べれば被害総額もなんということはない。けれど、気に入って買い求めたウエアだし、日々使い慣れていた化粧品類で、明日からの化粧はどうする・・・というものである。

 あたふた電話をしているうちに、葬儀社の方が時間どおりに来訪される。
 葬儀後のあれこれを打ち合わせ。夫にも同席して聞いてほしいと思っていたのだけれど、それどころではなくなってしまった。JRでは今の時間帯は車内清掃も入らないし、まあ、中身を聞けば出てくると思われるけれど、夕方以降にまた連絡してみてくださいね~と、きわめてのんびりムードだったそうな。

 その後、私鉄に連絡したところ、全車両を調べましたが(お手数をおかけして本当に申し訳ありません・・・)見つかりませんでした、との回答。やはりおそらく2番目に乗ったJRで置いてきたのだろうということに夫が記憶をたぐる。
 いつもなら夫の網棚物置行動(!)には注意して、席に着いたら必ず手元に下ろしてもらうように、降りるときにも網棚大丈夫?と声をかけている私なのだが、昨日に限ってすっかりそれを怠り、あれこれ手帳でメモなどをとっていて、ドタバタと下車したのが間違いのもとだった。

 それにしても、なぜに席に座っているのにたいした重さでも大きさでもない手提げを網棚に乗せなければならないのだろうと思うのだけれど、それは私の感想であって彼の知ったことではなさそう。立っている時には目の上の網棚に荷物があることを意識するけれど、座ってしまえば、特にJRは網棚が最近は網棚ではなく棚になっているから上が見渡せない。だから、視界に入らず、忘れるのだ。

 とりあえず夫が届け出をして戻ってきて、後半の打ち合わせに加わった。実際の四十九日は8月末にあたるが、息子の帰省に合わせて三十五日法要として自宅で家族だけでこじんまりと執り行うことにした。お盆の最中で、僧侶の日程がどうかと心配したが、無事お引き受け頂き、胸をなでおろす。それまでに仏壇やら過去帖、ご本尊などの準備も整えなければならず、かなりのタイトスケジュール。結局デッドラインは2週間前と言われ、来週末に仏壇選びに再び葬儀社まで出向くことになった。

 打ち合わせが終わり、担当の方をお送りするともうぐったり。
 3人で昼食を摂りに外に出た。母は、食事は一人で食べても美味しくないけれど、皆と一緒だと美味しいわ、と大きなケーキまで嬉しそうにたいらげる。私も疲れて甘いものを身体が欲している。お土産までゲットしてしまった。
 実家に戻って、JRに電話を入れてみたが、今のところ届いていません、とのこと。
 当然ヨガはキャンセル。その前に予約していたマッサージの時間を30分遅らせて頂いて実家を後にして、バスでサロンに向かった。

 夫とはサロン最寄り駅で別れ、私はWさんの施術でようやくリラックス。父が入院したことだけはお伝えしていたのだけれど、急なことでした、とお悔やみを頂く。母も来週伺いますので、とご挨拶してボーっとするほどリラックスしてサロンを後にした。さすがにこの後、ヨガに参加するというのは無謀なスケジュールだったなあと反省。しぶとく胸痛もあり、疲れきってしまったのでお弁当とお寿司を調達して帰宅。

 そして、どうか見つかっていますように、と念じながらJRに再度電話をしたところ、おそらくこれだと思います、というものが見つかったそう。ラッキーなことに乗換駅の事務室で預かってくれているという。

 目出度く本日、夫が仕事帰りに、私の(忘れ物の受け取りを夫に任せます、という)委任状持参で受け取ってきてくれた。かくして今回は結果オーライ、めでたしめでたし・・・なのだが、それにしても網棚にご用心!これだけ痛い思いを繰り返しているのだから、今度こそ身体に染み付いてくれるとよいと思うのだけれど・・・。

コメント (2)
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