ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.11.23  今あること、全てに感謝―勤労感謝の日―

2013-11-23 21:10:06 | 日記
 今週は週の初めから辛い訃報があって、とても長く感じられる1週間だった。ようやく週末を迎えることが出来た、という感じだ。
 何となく気が滅入り体の芯が疲れていた昨日、息子は朝、喉が痛いから、と学校を休んだ。熱はなかったが、クリニックで喉と鼻の風邪という診断を得、3日分の薬をもらってきた。登校する日も余すところ何日だろうか、と思うと改めて時の流れの早さに驚かされる。
 昨日11月22日は“いい夫婦”の日、ということで気分転換に午後休をとって買い物に出かけ、夫が欲しいと言っていたマフラーを探した。そして今日の昼食会で会うことになっていた母にもストールを準備した。

 今日、勤労感謝の日。息子が休みということで、朝は少しだけ寝坊が出来た。洗濯をして6週間ぶりにマッサージサロンへ向かった。先月Tさんにお目にかかってから6週間。この間に本当にいろいろあった。息子の体育祭の後のながながさんの訃報に続き、義母の四十九日法要と納骨、そしてアッピアさんの訃報。息も切らずにもろもろのお話しをしていたら、いつもは途中で必ずウトウト眠ってしまうのに、最初から最後まで喋りっぱなしとなった。終わった後はコリもほぐれて気持ちもすっきりして、ちょっぴり元気になった。

 次回の予約を済ませ、両親との昼食会のためホテルのレストランに。両親と夫と息子の4人は既に席についており、今日は中華料理を愉しんだ。両親を送っていった息子はその足で塾へ、夫と私は再び百貨店に戻ってお歳暮の手配を済ませた。
 気になっていたことがまた一つ終わってほっとする。
 喪中欠礼状も随分前に出来上がっているというのに、日々に追われて宛名書きもままならず、「11月」と印刷されているというのに11月が終わってしまうのではと、気が気ではない。何かいつも追われている気になる。

 最寄駅まで戻って夫とお茶をして一息ついた後、食料品等の買い物を済ませてから、私はヨガスタジオへ向かった。
 今日でスタジオオープンから7周年だそうだ。会員証を見ると、私が入会したのは2006年11月26日。オープンから4日目だったのだなあと思う。思えば初発から2年近くが経ち、術後ずっと庇いがちで運動不足だった体にそろそろ何か良いことが出来たら、と思い切って始めたのだった。最初は体力がすっかり落ちており、ホットな環境にいるだけでのびてしまい、ろくに汗もかけずに熱が籠ってしまって大変だった。ハードな動きはとても無理だったから、がんにも良いという岩盤ゲルマチェア浴がメインだったこともあった。けれど結局、その後1年ちょっとで再発してしまったわけだ。その後のタキソテールやECの治療中には休会もしたけれど、今こうして頻繁に通うようになり、汗をしっかりかける体になり、新陳代謝がかなり良くなったし、平熱も1度近く上がった。冷え症も改善し、便通も良くなっている。そして一番大きいのはメンタル面がとても安定してきていることだ。
 今日もインナービューティヨガで短い瞑想をしたけれど、今あることに感謝、を痛感してきた。

 働けることに感謝、家族や友人たちに囲まれて日々を送れることに感謝、の一日。少しだけまた前向きな気持ちになれそうな予感だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013.11.20 採血、レントゲン後フェソロデックス13回目

2013-11-20 22:35:25 | 治療日記
 夫と息子を送り出していつもの時間に家を出る。今朝は先週ほど冷え込みが厳しくなく、慢性的な痛みを抱える身としては、とても助かる。最寄駅からの私鉄、その後のJRとも電車は順調。今日はなかなか席が確保出来ず、立ったまま読書。ノンフィクション物も久しぶりで面白く読み進めた。

 自動再来受付機にIDカードを通し、まずは採血受付へ。番号札は既に100番を超えている。受付をしてから15分ほどで順番が来る。今日は初めての女性技師さんだったが、言葉は丁寧だがぞんざいな扱いにちょっとムッとする。刺す時も抜く時も早業なのでやけに痛い。顔をしかめると「あれ、痛かったですか?」と。止血もきちんと支えてくれず、「荷物を持つまで押さえていてくださいませんか。」と言ったところ、ピンとこない感じ。出だしが良くないが、とりあえず3本の採取の後、2階のレントゲン受付に移動。ここでは前回同様、殆ど待つことなくスムーズに撮影出来た。ここ迄で30分。再び1階に降りて、腫瘍内科受付へ移動する。

 自動血圧測定機で計測した結果は101-60、脈は78。「中待合へどうぞ」のランプが点くまでにたっぷり一時間以上。読書は捗るけれど、中廊下でも30分以上待った。結局、病院に到着してから先生のお顔を見るまでに2時間以上が経過していた。
 「さて、前回から1週間経っていませんが・・・。」といつもの質問から。胸痛は相変わらずだが、朝のロキソニンで凌げていること、一日だけ胃痛で胃薬を飲んだことをお話しする。
 既に先月と今回のレントゲン画像が目の前に並んでいるのはいつものとおり。両肺の影はまたやや大きく濃くなっているな、と思ったところ、先生が「いや~、なんででしょうね。影が薄くなっているんですよ。」と。私が今月のものだと思っていたものは、実は先月の画像だった。たしかにモヤモヤ度がぼんやりしていて、若干大きくはなっているが、影が薄くなっている。
 「こんなこともあるんですね、まあ、結果オーライということで。」と先生。「効いているのでしょうか・・・」と問うと、3か月分の画像を並べて下さる。9月から10月は確かに濃く大きくなっているが、今回のものはどちらかといえば9月の状態に近いように見える。一方、気になるマーカーCA15-3はどうかといえば、これまで横ばいだったものが今回は1割ちょっとの増。そして白血球は最近で最も高い4,000。肝機能腎機能とも問題なし、とのことにほっとする。
 こうして、今回も無事フェソロデックスの注射が出来ることになった。毎回毎回ドキドキしながら、よくぞ13回目まで引っ張れたものよ、感激だ。どうかこのまま大人しくして共存していこうではないか、とがん細胞に話しかけてみる。
 そして次回は、2週間後にハーセプチン、更にその2週間後には、前回9月に撮影してから3か月が経過したので、と造影CT撮影の予約が入った。診察室での検温は6度6分。3週間分のロキソニンの処方もして頂いた。
 年明けの予定だったT-DM1登場が4月にずれ込みそうということですが、という話をしてみる。今回の月見送りは、薬価の問題というよりも安定供給の問題だったようだ。抗がん剤のエムタンシンとハーセプチンを結合させるのが難しいらしい。1月末の治験についてもまだよく分からないとのこと。とりあえず、今のままで粘れれば、と思う。

 化学療法室へ移動する。15分ほど待って、今日はKbさんからベッドに案内される。既に薬も届いており、スムーズに準備。前回、うつぶせでお喋りしながら酷く咳き込んだことを思い出し、今日は慎重に深呼吸をしながら備える。丁寧に刺して頂き、左は殆ど痛まずじまいでびっくり。が、やはり右はなぜか痛い。針を刺すときに痛点を通過したように思う、と前回のOkさんと同じことをおっしゃっていた。不思議なことだ。止血をしっかり済ませて頂き、ゆっくり起き上がる。最初の頃より痛みに慣れたように思う。もちろん針を刺した後に触れれば痛むが、酷くびっこをひいて足を引きずるほどではない。ゆっくりなら普通に歩けて嬉しい。
 化学療法室を後にして、会計で待つこと20分ほど。今日も4万円弱の支払い。病院を出て薬局に寄り、ロキソニンを出して頂くが、ここは大混雑しており、座る席もない。30分たっぷり待って本日の病院と薬局の合計滞在時間は4時間半ほど。
 駅ビルでランチをして、切りの良い所まで本を読んで帰宅した。

 帰宅すると今月2回目のお花が届いていた。
 ガーベラは濃いピンク2本、オレンジ3本。オーニソガラムが4本、ワックスフラワ―が2本、かすみ草が2本。それぞれ花言葉は「神秘」、「潔白」、「可愛らしさ」、「清い心」だという。どれもとても可愛らしく、何やら華やいだ気分になった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013.11.19  届かなかった祈り・・・アッピアさん、天国へ

2013-11-19 20:03:41 | 日記
 今思えば、“虫の知らせ”だったのかもしれない。
 昨夕、仕事を終え、なんとなく心がざわめいた。帰宅途中「入院されて一カ月ですね。お加減いかがでしょうか。少しでも楽になっていらっしゃることをずっと祈っています。」というメールを出したのだ。前日のアロマテラピー講習会でも、アッピアさん、心配ですね・・・と話題に上がった。そのことも気にかかっていたのかもしれない。
 
 そして夜。帰宅後、お気に入りに入れてあるアッピアさんのブログを何気なく、開いた。もしかしたら今日こそ更新があるかもしれない・・・と、この1カ月、毎日拝見していたのと同じように。
 彼女が一番信頼していらした看護師の“助さん”の「アッピアさんを応援し見守り続けてくださった皆様へ 」というコメントを見つけ、目を疑った。
 みるみる目の前が曇り、心臓がバクバクし、“坊っちゃんの言葉”の辺りを呆然としながら読み進めている時、まさにスマホの青いランプが点滅し、メールが届いたのだ。
 アッピアさんのアドレスから、ご主人が打ってくださったものだった。
「何度もメールをいただいて有難うございました。実は●●は今朝急変し、4時に亡くなりました。ずいぶん心配をおかけしました。取り急ぎご連絡いたします。」と。
 座っていたけれどヘナヘナと倒れこみそうになった。返事を打とうとしても動揺して、スムーズにキーをタップすることが出来なかった。

 11月7日の記事「心配なのはやまやまだけれど・・・」で、「頑張ってきます。必ずや復活するつもりです。」という言葉を残して後、記事の更新が途絶えた彼女の復活を信じて、静かに祈り、待つしかない、と書いた。
 そしてその言葉のとおり、ずっと祈り続け、復活しました、という言葉を願ってきたのだけれど、その祈りが神様に届くことはなかった。

 10年という長い間、看護師として彼女に寄り添い、彼女を支え続けた“助さん”が書かれているとおり、彼女は本当に120%頑張ったのだと思う。勇敢で前向きで、勉強熱心で、文字通りのハンサムウーマンだった。
 最初にお茶をした時に、携帯に入っていた坊っちゃんとのツーショットの幸せそうな写真を、ちょっぴりはにかみながらも笑顔で見せてくださったアッピアさん。
 ランチをご一緒した時、「少し早いけれど・・・」と坊っちゃんにバレンタインのちょっぴりチョコレートをお渡しした時、「うーん、どうしようかな。●●さん(私)からって言わないで、なんて言って渡そうかな~」と茶目っ気たっぷりに嬉しそうにしてくださったアッピアさん。
 同じ一人息子の母として、これからの坊っちゃんの成長を見届けることをどれだけ楽しみにしていらしたかを痛いほど感じ、言葉に詰まる。
 夏のHER2講習会で、遠くに腕のリンパ浮腫が痛々しい感じの後ろ姿を見つけた時、たとえ息切れしようとも駆け寄ってお話すればよかった・・・と悔やまれる。
 そんな辛い体調だった夏も、坊っちゃんと高原への2人旅を実現された。どれだけ宝物の思い出になったことか。
 
 ・・・何を書いてみても気持ちの整理がつかない。言葉が空回りしてしまい、虚しさに苛まれる。
 ナベルビンの治療中、気持ち悪さで滅入っていた時、「●●さん、まだあの薬もこの薬も使っていないでしょう?まだまだ、ですよ。数年単位で(延命出来る)。大丈夫。」と励ましてくださったアッピアさん。
 「私、T-DM1を使うまで死ねないわ。」とおっしゃっていたアッピアさんの分まで、その恩恵を受けられるまで、細く長くしぶとく粘りたい。アッピアさんにヘタレと笑われないように、しっかり自分と向き合いながら治療を続けていきたい、と改めて思う。

 思えば今年は1月17日のsakuraさんに始まり、6月29日のつばゆうさん。先月10月22日のながながさん、それから1カ月も経たずにアッピアさんまで・・・。
 sakuraさんも、ながながさんも、アッピアさんも50歳のお誕生日を数ヵ月後に控えた49歳という若さだった。神様は本当に酷いことをなさる、と唇を噛む。

 アッピアさん、沢山の勇気をどうもありがとうございました。長く厳しかった治療、本当にお疲れ様でした。
 今頃、天国でながながさんと再会され、お喋りが尽きないのではないでしょうか。お二人があまりに早く旅立ってしまわれたので、残念ながら3人でのランチ会は叶いませんでした。
 私も細く長くしぶとくこちらにいて、お迎えが来た時にはなるべくのんびり心穏やかに伺いたいと思います。その時はどうぞその輪に入れてくださいね。
 これまでどうもありがとうございました。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 合掌。


コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013.11.18 悩みや不安に大小なし

2013-11-18 19:59:20 | 日記
 昨日のアロマテラピー講習会のこと。皆さんが乳がん体験者ではあったが、再発治療中は私一人だった。
 術後治療が一通り終わり、今は無治療の方、経過観察中の方、それぞれの方が今後のこと今のこと、いろいろな不安や悩みを持っておられた。
 早期発見で低リスクと言われながら、術後3年経たずして再発・多発転移した私は、再発する迄の経過観察期間(ノルバデックス内服期間)よりも、再発治療期間の方が既に倍近く長くなってしまった。だから「再発するかもしれない」という術後あまり時間が経っていない方たちが抱く不安について、自分がどうだったのか、という記憶が大分薄れてきてしまっているのは確かだ。
 再発治療が始まってからは、ある意味肝が据わったというか、開き直って受け入れるしかなかったから、「もしや再発するのではないか、再発したらどうしよう」と悩むことから解放された。けれど、それと同時に「もう完治することはありません」と告知されたわけでもあり、それ迄の完治を目指した治療から、出来るだけ長くQOLを維持しつつ生き長らえるための延命治療に変更し、その都度その都度、自らに必要な決断をしてきた。

 私の再発治療のことを少しお話すると、「私の悩みなど大したことなくて・・・こんなことで(いろいろ悩んで)なんだか申し訳ない。」などとおっしゃる方がいたが、とんでもない、と否定した。悩みには大小はないし、不安には軽重もない、と思う。
 もちろんエンドレスの再発治療を続けながら、こと“乳がん”という病に限って言えば、昨日のメンバーの中で一番“死”に近そうなのは私だ。それでもフルタイムで働き続けながら、こうした講習会に参加したり、やりたいことを決してあきらめない姿を見て頂き、少しでも不安や悩みが小さくなるのだとしたら、とても嬉しい。

 経過観察中の別の病気の治療で長く悩んでおられる方もいた。私の場合、再発治療を6年近く続ける中で、治療変更等様々なことを決めなければならないタイミングが何度もあった。
 これまで私が経験してきて言えることは、いくら悩んでいろいろな方に相談したにせよ結局のところ、最後は“自分で”決めなければならないということ。もちろん相談すること―言葉にすること―で自分の気持ちを整理することが出来るし、そうすることで気がつけば結論を出せてしまうこともあるから、相談することは十分意味のあることなのだが。
 また、無期限で悩み続けることは事実上出来ないから、どこかでエイヤと決めなければならないということ。ある選択をするということは、それ以外の選択肢を捨てることだけれど、それは病気に限ったことではない。進学でも就職でも、これまでの人生、いろいろな節目は全てそうだった筈だ。だから、一旦決めたのならもう迷わず、後戻りせず、これが“今の自分にとって”ベストなのだ、と自ら決めた道を信じていくことが大切ではないか、ということだ。
 そのためには、時間が許す限りうんと悩んで“自分が”納得することが重要だ、と思う。自分がどこかで納得し切れていなければ、後で(あの時、やっぱり・・・)と思ってしまう可能性が高い。治療を進めていく上で、後悔することを出来る限り最小限(しつこいけれど、物事には“絶対”はないから、0(ゼロ)というのはない。)に留めるに越したことはない。

 先月出席した患者会の全国大会で、会長さんがおっしゃっていたことは真理だと思う。すなわち、乳がん患者と真に名乗れるのはやはり、再発治療中の人たちなのではないか、と。
 初発の場合、一通りの術後治療が終われば、トリプルネガティブなら治療から解放されるし、ホルモン陽性なら数年間のホルモン剤内服、HER2強陽性ならハーセプチンの1年間投与になるだろう。もちろん、副作用の出方はその人その人で千差万別だろうが、エンドレスの抗がん剤等がメインとなる再発治療に比べれば、やはりマイルドだと思うし、何より期限付きである。
 だから、手術や術後治療を済ませたら、過度に再発に脅えて大切な時間を費やすのはあまりにもったいないと思う。大丈夫、大丈夫、と是非ゆったり構えて頂きたい。
 どんなに低リスクだ、早期だと言われても、哀しいかな再発するときには再発する。逆に進行している、と言われても再発することなく無事卒業される方も沢山いる。
 いつも書いているけれど、体はひとつだから3割再発して7割は無事、という確率論は意味をなさない。自分に起きてしまえば1だし、起こらなければ0(ゼロ)だ。だから治療を終えたら、自分の好きなように生き生きと前向きに過ごして頂きたい、と心から思う。
 もちろん再発治療中でも、自分の好きなことをしながら生き生きと前向きに過ごすことは十分可能だ。私は一日も長くこうした生活を送るために治療をしている、と言えるから。

 また、新しい1週間が始まった。今日も銀杏の黄金色が青空に映える小春日和の一日だった。
 今週も通院日が控えている。
 先日、今月予定されていたT-DM1(カドサイラ)の薬価収載見送りという記事を見つけた。年明けに臨床試験はあるようだが、待ち望んでいた来年1月からの投与は難しくなった。次回の薬価収載は来年3月、発売は4月以降だという。
 それまで今の治療で粘ることが出来るだろうか。悩みは尽きることがない。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013.11.17 素敵にアロマテラピー講習会プチ参加

2013-11-17 20:08:47 | Ruban Rose
 昨日は勤務する大学のイベントで1日出勤。無事に終了したけれど、土曜に終日出勤すると、週休2日に慣れ切った生活のペースが狂う。すっかり草臥れ果て、早々に入浴してベッドに直行した。

 そして、今朝。まだまだ惰眠を貪れそうだったが、今日は2月に一旦終了した「素敵にアロマテラピー講習会」のその後、である。Ruban Rose代表のIさんのお宅でプチ講習会が開催された。夏前から伺えることを待ちわびていたのだが、ようやく実現し、ルンルンで出かけた。
 朝食を摂り、ドタバタと支度。東京の西にある我が家と東にあるIさんのお宅。まさに東京横断ではあるが、電車だと一本で、乗り換えなしだ。同じ私鉄沿線にお住まいのSさんと待ち合わせして伺うことが出来た。
 いいお天気で暖かく気持ちの良い日だ。マンションの最上階のお宅で、可愛らしいエプロン姿のIさんがお迎えして下さる。既にランチのお支度が整っている。今日は和食ということだが、まるでお店からケータリングしたのでは、と思うほど素晴らしいお料理の数々に目を奪われる。同じ主婦でもレベルが違うことを実感し、下を向く。メニューカードまでご用意されていて、もう感激しきり、である。ほどなくして、あと2人の参加者、OさんとKさんが到着される。今日は講師であるIさんを含め、文字通りアットホーム、ぜいたくな5人でのプチ講習会だ。
 ローズのハーブコーディアルで乾杯した後、美味しいお料理に舌鼓を打ち、月桃と緑茶のブレンドティを頂き、すっかり満足。

 テーブルセンターをクラフト用に替え、まずはふわふわジェルクリーム作り。ビーカーに規定量のシアバターとアルガンオイル、ホホバオイルを少しずつ加え、柔らかくなるまでミニハンドミキサーで混ぜる。次に無香料のジェルを少しずつ入れて、同じくミキサーで根気よくゆっくりと泡立てて完成。その後、40種類もの精油の中から2種類を各々が選ばせて頂き、混ぜ合わせる。私はホットヨガの最後にスプレーされて気に入っているネロリと、若返りに効果があると言われるフランキンセンスにしてみた。蓋つきの容器に今日の日付と使った精油の名前も記入して出来上がり。
 乾燥したお肌や、かさかさした踵のケアをしっかりしてくれる、この冬活躍間違いなし、というクリームだ。冷蔵庫で保存し、1か月ほどで使い切るように、とのこと。

 そして、ルイボスとエキナセアのハーブティでティブレイク。エキナセアは風邪の引き始めにとてもよいハーブだという。ルイボスの綺麗なオレンジがガラスのティーカップに映えてとても綺麗だ。

 続いてポマンダーづくり。ポマンダーはフランス語で「琥珀色のリンゴ」の意味だそうだ。昔から健康や幸福に関係があると言われる香りだが、中世ヨーロッパの人達は、柑橘系の果物に香辛料をまぶした香り玉を身に着け、ペストの予防や魔除けとしても使用していたのだという。
 今日はオレンジを使った。手作りのミックススパイスパウダー(カルダモン、オールスパイス、丁子、八角、シナモン、ショウガ、フェンネル)を軸のついたままのクローブにまぶして馴染ませ、オレンジに十文字にセロハンテープを貼り、見えている果皮の部分に竹串で穴を開けていく。開けた穴にクローブを挿し込む。クローブの頭を潰さないようにするのがポイントだ。再びスパイスをまぶしたものを今日はお持ち帰り。この後、クリスマスシーズンまで乾燥させ、リボン等で飾って完成だ。
 このクローブをオレンジに刺していく作業が何やら「黒ひげ危機一髪!」ゲームのようで、黙々と、けれど免疫力がアップしそうなスパイスの香りに包まれて幸せを感じながら無心になってやってしまう。クローブやスパイスは殺菌作用が強く、一度作ったらかなりの年数で保存出来、楽しめるそうだ。クリスマスの近いこの時期に、オレンジとスパイスの調和で何とも言えない暖かい香りがお部屋中に広まり、幸せな気分に導かれていく、とのご紹介。今では、幸運を呼ぶラッキーアイテムとして玄関等にも飾ったりするという。

 お部屋中にスパイスの香りを感じながら、再びティーブレイク。これまた手作りの小豆のタルトとシナモンチャイにうっとり。日頃は考えられないほど日曜日の優雅で楽しい時間。過ぎてみればあっという間の5時間が経過していた。お休みでいらしたご主人にも申し訳なく、本当に有難いひと時を過ごさせて頂き、出来上がった作品を大切に持って再びSさんと帰路についた。

 昨日は終日仕事で、今日は終日好きなことで出ずっぱり、ということで、殆ど家事がお留守の土日だった。夫にも息子にも申し訳ないけれど、妻(母)は元気で留守がいいのでは、と勝手に思う秋の夜長である。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする