まつや清の日記 マツキヨ通信

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今日の反対討論

2006年07月12日 | 県議会
 今日は6月議会最終日、以下の反対討論を行いました。早速、障害者団体関係者からの連絡があり、自立支援法施行前に県内の障害者関係のグループによる意見交換会をもつ事になりました。

 常任委員会委員長質問もやりました。議会運営委員会では一般質問とかわらないと厳しい発言が相次ぎました。黙って聞いていました。それにしても本会議で共産党議員が議案外の意見を堂々と述べている事には沈黙ですからおかしい、ですね。

 勿論、私は議員がそれぞれに自由に自分の意見をいうという雰囲気が大事であると思いますので、共産党の方のようにやれることの方がいいと思います。常任委員会質問は、速報の方でアップしておきます。


※※2006年6月議会反対討論 (これは原稿です)      7月12日

 会派「市民の風」を代表しまして、第125号―静岡県収用委員の任命について、第114号―障害者自立支援法の一部施行に伴う関係条例の整備に関する条例、第119号-特定事業契約 (仮称)総合科学技術高等学校PFI事業について3つの議案に反対討論を行ないます。

「1」 第125号議案
 この議案は、収用委員会委員・鍋田不二彦氏の再任を求める議案であります。既にご承知のように静岡空港に関する土地収用委員会は本体用地分に関して5月31日、7月4日と2回開催され、第3回目が8月1日に予定されております。一方で制限表面部分につきましても、知事は10日裁決申請を行い、収用委員会の公正中立な運営がますます求められる状況に至っております。議会には、収用委員会の権限に関する監査権が制限されておりますので、公正・中立な委員会運営を担保するものは委員選任における議会の承認権の中にあることになります。

 この観点で鍋田氏のこれまで2回の収用委員会の指揮権への関与を見ておりますと、私は、果たして公正で中立な運営に責任を持っていただける方であるか否かについて大きな疑問を感じるわけであります。8月1日の第3回目以降に期待がないわけではありませんが、現段階では公正中立な収用委員会運営を担保していただける委員であるのかどうか不明でありますのでこの議案に反対であります。
 
 そもそも、5月31日と7月4日の混乱は収用委員会の増田会長が第1回目の審理再開の際に約束された事前協議制の発言の中で、「混乱の原因は、収用委員会と権利者グループとの双方のコミュニケーションの欠如にあった」ことを明確に述べております。これは議事録を見ていただければ確認できます。議員の皆さんに是非ともご理解いただきたいのは、地権者・共有地権者・トラスト所有者たちは無用な混乱を持ち込もうとしているわけではないということであります。

 権利者グループは、収用法の採決申請却下を定めた47条に従って、公正中立な公開審理を望んでいるわけであります。勿論、却下を確信してのことであります。その点で、静岡空港の審議がもっぱら開港後の観点ばかりに集中している現状に、私はもう少し冷静に足元を見詰めて欲しい、言いたいわけであります。

 却下条項については議員の皆さんにも御認識をしていただいていると思います。収用委員会には、起業者の任意交渉はどこまでやられたか、35条調査、調書作成過程に瑕疵はないか、事業計画に著しい変更はなかったか、など審査し、必要があれば却下を、また事業認定に重大且つ明白な瑕疵があるときは認定無効を決定できる権限を持っております。

 権利者グループはそれらをきちんと論証する場を与えるべきであることを収用委員会に要請しているわけであります。ところが、この要請を無視して、公正中立とは思えない、一方的な発言者の指定や審理計画を示してきたため、やむ得ず、抗議行動を起こしたというのが5月31日であります。これは傍聴していただければすぐに理解をしていただけます。

 そして、増田尭会長の賢明な判断で事前協議の約束がなされます。その姿勢に誠意を見て取った権利者グループは、流会の声も強かったにもかかわらず、起業者説明を容認するにいたったわけであります。権利者グループの求める公正中立な運営を進めるための事前協議の約束によって審理は促進されたわけであります。

 そして第2回目に向けて増田会長から審理計画について文書提出の指示がだされ、6月15日に書面を提出します。この回答が21日に出されますが、まったく事前協議の約束とは程遠い、起業者の意向を反映した「秋の採決」決定を意識した審理促進としか思えないその姿勢に権利者グループは失望をいたします。ようやく7月4日の開始直前に15分の事前交渉がもたれることになります。権利者グループから、起業者説明への求釈明の方法、そのあとの16人の意見陳述の持ち方等提案をしますが、事前の合意もないままに増田尭会長は席を立ち、委員会の一方的開始宣言に至るわけです。これでは混乱するのは当然であり、第2回目が流会となる原因がここにあるわけであります。

 従いまして、権利者グループは審理計画に関して約束していただいた事前協議を行ってもらえれば審理・運営に協力する意思は十二分に持ち合わせております。
鍋田委員は、これらをつぶさに観察しておるわけです。8月1日の第3回目につきましても昨日、一方的に審理進行を通知してきております。このような状況ではとてもこの議案を承認するわけには行かないわけであります。

 尚、収用委員会そして事務局の中立性の担保でありますが、本会議において、知事は人事権など行使しての「秋の採決」に向けた政治的介入は一切行わないということを明言していただきました。この言葉どおりの対応を要請しておきたいと考えます。

「2」 第114号議案
 この議案は、障害者自立支援法の成立・施行にともなう6つの条例改正についてのものであり、県の障害児施設―県立磐田学園、伊豆医療福祉センターや障害者援護施設―県立富士見学園及び浜松学園にかかわるものであります。

 この自立支援法案が、2003年度からの障害者支援費制度の財政的破綻によるサービスの過剰利用抑制策と介護保険料の低年齢化を前提にした介護保険制度と障害者保健福祉施策との統合策を一体にしたものであることは周智のことであります。その法の端的な現れが障害者福祉施策の根本に係る「応能負担から応益負担」への転換、「措置から契約」への転換、「本人単位から世帯単位」への転換であります。具体的には利用料の一割負担、食費の自己負担に現れます。

 これらの転換は、精神障害者と他の障害者施策の統合化や市町村の責任の明確化、そして施設体系の簡素化や複合化など数十年来の懸案の解決といったプラス面がありながらも、これらを全て打ち消すほどの大転換であります。

 私がこの議案に反対する理由の第1は、この法律が、全国から集まった障害者団体の国会包囲の中で成立していることに現れている当事者の合意のない法律であり、その関連の条例改正である点であります。

 反対理由の第2は、問題が多すぎるこの法律は既に成立しておりますが、この施行に際して、少なくもこれまでの障害者施策の水準をさげないという範囲での市町村支援に対する県の姿勢が何ら明確になっていない段階での条例改正である点であります。

 既に、10月施行ということで、多くの障害者、障害児をお持ちのご家族など一体この法律でこれから私たちはどうなるんだろうという不安がうずまく中で事態が動いているわけであります。ある障害児の療護施設では、親に対して、10月から1万6000円の利用料、1万3000円の給食費が負担になることを知らせております。親の間からは、せめて公立幼稚園並みにならないものだろうかという素朴な声があげられております。授産所に通う障害者からは、今までもらっていた工賃に利用料を支払ってしまうとマイナスになってしまうと、働く意欲を減退させられるとの悲鳴が上がっています。

 こうした経過の中では、この議案には賛成できないわけであります。

「3」 第119号議案
 この議案は、教育委員会の中で浜松の大平台高校に次ぐ2校目となるPFI手法に基づく高校建設議案であります。

 反対理由の第1は、大平台高校の時には、私は学校教育という場にこのような民間手法が持ち込まれていいのか、という観点から反対をしましたが、このPFI手法が未だに未成熟な手法で「リスクの分析とマネイジメント」に関して県の施策としてきちんと総括されていないという点であります。

 当面の県立高校の建設をみても、浜松大平台高校と今回の議案の総合科学技術高校、森地区新構想高校はPFI手法で、下田地区新構想高校、東部地区新構想高校、浜北養護県立移管校は従来手法であります。教育委員会に迷いがあるのではないかと推測します。

 内閣府のホームページによれば、現段階でPFI手法による事業は全国で236あり、自治体177、国31、特殊法人など28という状態で、その中の80を超える事業で実際のサービスがはじまったということであります。内閣府の検討委員会で失敗例として、2004年11月民間企業が倒産した福岡市の複合健康増進事業、2005年8月施設の天井が落下した仙台市のスポパーク事業の2つをあげておりますが、この手法の評価は未知数というのが現状であります。全国の高校関係ではまだ4校で、横浜市、広島県、そして静岡県の2校であります。

 反対理由の第2は、今回「するがの技」地元企業が落札しておりますが、PFI手法は、結局ところ、大手のゼネコンの市場エリアの中にあるという点であります。この6つのグループの審査過程が防衛施設庁の官制談合問題と重なったわけであります。本来なら審査点数を見れば、清水建設グループということになるわけですが、防衛施設庁の官製談合でス-パ-ゼネコンがいずれ指名停止になる事を予測したのか、不透明感もありますが、51億円と事業内容でトップの清水・静鉄グループと15億円も低い最低価格で逆転したという経過であります。

 そして、この3月14日の審査結果が1週間ずれ込んだとしたら、審査対象6グループのうち地元「するがの技」1社になってしまったという、非常に生々しい現実があるわけであります。3月17日に清水建設グループの辞退、3月20日に大成、鹿島、大林、安藤など大手グループが指名停止と言う経過であります。このことからしても、PFI手法の市場エリアがいかに大手スーパーゼネコンに抑えられているかがわかるわけであります。

 こうした点を鑑みてもこの議案には賛成できないわけであります。