夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

映画雑誌『PREMIERE 日本版』と『映画秘宝』(その2)

2005年07月14日 | 映画(番外編:映画と読み物)
前述の『PREMIERE 日本版』の対極を行くような雑誌が『映画秘宝』。
その昔はムック形式でしたが、いつのまにやら月刊化。
興味の湧かない特集をしていることもあるので
毎号買っているわけではありませんが、購読歴はかれこれ10年になります。

これが女性としては実にレジに持って行きづらい雑誌です。
7月号の表紙なんて、日活ロマンポルノのSMの女王だった谷ナオミが
縛られた状態で馬にまたがっとるんです。もちろん胸アラワ。
今年の1月号の表紙は、香港映画の『レディ・ウェポン 赤裸特工』(2002)の
主演女優であるマギー・Qとアンヤという美女ふたりが
セミヌードで向かい合っている写真でした。

表紙だけ見たら、男性向け雑誌と誤解してもおかしくありません。
そして中を開けても普通の映画雑誌じゃありません。
とっても変なんです。

毎年欠かさず購入している2月号では、
前年のベスト・ワーストを選ぶ投票結果が発表されます。
『キル・ビル Vol.2』(2004)や『スパイダーマン2』(2004)、
『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』(2003)など、
娯楽度満点の作品が上位を占め、ピンク映画のベストも選出されます。
選者もオタクでマニアックな変人ばっかり。
その筆頭がおそらく町山智浩さん。
彼はその昔、『底抜け超大作』という『映画秘宝』のムックについて
大御所映画雑誌の『キネマ旬報』からダメ出しされたことに憤り、
キネ旬編集部にシェービングクリームで作ったパイを投げ込んだ有名人です。
『底抜け超大作』はとりあえず私の愛読書。

キリスト拷問映画『パッション』(2004)が公開された頃には
芥川賞作家の金原ひとみと漫画家の辛酸なめ子が対談。
尼僧姿でロウソクと聖書を手に携えて。
対談終了時に金原ひとみが「こんな恰好をさせられたことが
映画の内容よりある意味衝撃的」と笑っていました。

ヤクルトスワローズの名ショート、宮本選手が
プロ野球選手対抗のしりとりか何かのときに、
AV女優の名前ばかりを挙げていたのですが、
宮本選手の特にお気に入りと思われる及川奈央を
私はこの雑誌で企画された大槻ケンヂとの対談で知りました。
世間で人気のあるAV女優ってこんな人なのかと納得。

書店に行かれたさいは、『映画秘宝』をぜひ一度、
手に取ってみてください。
B級なのに誤植は少ない雑誌だと思ってましたけど、
先月号でショーン・ペンの名前が
「スオーン・ペン」になってたのにはズッコケたよ、秘宝さん。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする